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IMFラガルドが警告するドル高の問題点。ドル高の時は新興国通貨への投資はやめよう

ドル高は日本にとってはポジティブな要素が多い

ドル高は円安とセットで発生しやすいため、日本にとってはポジティブに語られることが多いと思います。円安ドル高によって、円貨建ての資産の価値は減るわけですが、日本の生産コストが下がることによるメリットの方がトータルでは大きい、との見方が一般的です。

また、世界最大の市場である米国で、日本製品が競争力を保ちやすくなる効果もあります。いくら生産の海外移転が進んだところで、日本からの一定の部品輸出などはまだまだ大きなシェアを占めています。

円高と円安のメリット・デメリットはよく議論になりやすいので、記事にしています。 


ドル高で苦しむ国

しかし、世界では日本のようにドル高を好感できる国ばかりではありません。

日本が上記のような円安のメリットを享受できるのは、自国内で資金を調達できるからです。自国内に資本の蓄積が乏しく、海外で資金を調達でせざる得ない国は、ドルでの借金を抱えています。

ドルで借りたお金は、当然ドルで返さなければなりません。

自国通貨安ドル高が起きれば、それだけドルを返すことが大変になります(借金返済により多くの自国通貨が必要になる)。

ドル高(自国通貨安)で借金の重みが増すことで、その国自体や当該国の企業が債務不履行に陥るというのは、新興国の歴史の中では頻繁に起きていることです。

 

IMFラガルドの警告


IMF のラガルド専務理事はドル高が世界経済にもたらす影響について、次のように警告しました。

「米国の金融引締めがユーロ圏や日本の追加緩和と同時に進むならば、さらなるドル高となる可能性がある」

「この場合新興国は、ドルエクスポージャー(ドル建て借金)をとっている企業を中心としたセクターが、さらに不安定となる恐れがある」


また、フランスの経済学者であるジャン・ティロール氏は以下のように述べています。

「ドル高となれば、為替のボラティリティが高まる可能性もある。そうしたボラティリティは、先進国の間の金融政策の相違だけではなく、今後の見通しや政策対応に対する全体的な不透明感によって生じる可能性がある」

 

上記発言は、米国のみが金融緩和から脱却したことで、ドル高が進み、新興国(及びその企業)が苦しむこと(もしくはそれを契機にした金融不安が起きること)を警戒しているように聞こえます。

 

金融緩和を続ける国にも悩み

米国と反対に金融緩和を続ける主要先進国にも悩みはあります。日本もユーロ圏も自国内で資金調達が賄えるため、金融緩和による通貨安はトータルではプラスに働きます(だからこそ、金融緩和を継続しているわけですが)。

 

しかし、度重なる金融緩和でその効果が徐々に減退しているのではないかとの見方が(株式市場や為替市場などの)金融市場では支配的になってきました。2015年末に、日銀とECB(欧州中央銀行)が相次いで中途半端な金融政策を表明して市場を失望させたことで、中央銀行の政策余地自体が疑われていることもあります。

 

ブンデスバンクもユーロ圏の金融緩和とドル高に警鐘

ドル高は米国初の材料によって起きるだけでなく、周辺国の金融緩和によっても起こります。

ドル圏に匹敵する経済規模を持つユーロ圏が行う金融緩和は、ドルを上昇させる力を持っています。

ブンデスバンクのワイトマン総裁は先週火曜日にパリで、「短期的には、金利低下は銀行の利益になる。彼らの負債は資産よりも償還期間が短く、再調達コストの方が金利より先に低下するからだ」

と述べています。これは、銀行が長期の資金を貸し出して金利収入を得ているのに対し、銀行の資金調達は短期資金であるため、金利低下するとまず資金調達コストが下がり、利益を得られるという意味です。

しかし警告として「だが低金利が続けば続くほど、受取利息収益が減少する」と述べています。

短期的には、銀行は資金調達コストの低回で利益を得るが、長期間の金利低下は彼らの利益の源泉である金利収入を減少させるってことですね。

 

こうしたことも、発展途上国に資金提供している欧米金融機関の体力を奪うことで、新興国危機が懸念される要因になっています。

ドル高をもたらす要因はいろいろありますが、結果的に新興国危機に繋がりやすいことは困ったところです。

ドルが一方的に上昇する局面では、インドルピーやトルコリラに代表されるような新興国通貨からは距離を置きたいものです。 

海外業者のFX口座のメリットとデメリット。追証が無いのは良いです

海外FX口座のまとめ

海外のFX業者は日本の規制の監督外にあります。そのため、日本では提供できないサービスが受けられるなどのメリットがある反面、緩い規制やそもそも無登録業者が普通に営業しているなどのデメリットもあります。

海外FX口座のメリットとデメリットをまとめます。

海外FX業者のデメリット

出金トラブルが多い

海外FX業者が絡んだトラブルと言ったら、まずこの出金がらみのトラブルが連想されます。

この出金トラブルというのは、お金を引き出したいときにFX業者が出金に応じないことです。

出金できない限り、いくら利益を稼いでもまったく意味がないので、これは最悪クラスのトラブルでしょう。

出金トラブルを引き起こす無登録業者

FX業者は金融庁への登録が必要です。これは、日本人(正確には日本の居住者)を相手にFX証拠金取引業を営むなら、海外のFX業者であろうと同様です。

しかし、実際には金融庁に登録していない業者が、日本人を相手に事業を行っているケースがあります。

そうした無登録FX業者は、日本の法律を無視している段階ですでに高リスクなわけですが、さらに日本の悪質な自動売買システム販売業者と提携して詐欺的行為を行っているから要注意です。

自動売買で数字だけ買ったことにして、追加の入金を誘って、出金には決して応じない、というトラブルが国民生活センターには多数寄せられているようです。

海外FX業者のトラブル

 

儲かってるのに出金できない!?海外FX取引をめぐるトラブルにご注意−自動売買ソフト等を購入させ、海外FX取引に誘う手口−(発表情報)_国民生活センター

100%の信託保全がなされていない場合がある

日本のFX業者は、基本的に100%信託保全がなされていて、顧客の資産は分別管理されています。これは、日本の法律(金融商品取引法)が信託保全を求めているからで、日本の法律に規制されない海外FX業者は完全には信託保全を行っていないケースがあります。 

海外送金が面倒

日本のFX業者やネット証券は金融サービスが非常に発達していて、入出金に手数料は基本的にかかりません。また、入金はリアルタイムに認識して、すぐに売買余力に反映します。 

 

しかし、海外FX業者ではこうはいきません。

まず、海外のFX業者は日本ほどシステム投資をしていない会社がほとんどなどで、システム基盤がぜい弱です。日本はITが弱い、みたいに言われることも多いですが、FX証拠金業者やネット証券に限れば世界でもこれほど進んでいる国はありませんし、IT投資してきた金額も多額なのです。

 

また、本質的に海外のFX会社にお金を送金するいうのは、海外送金をするということなので、コルレスバンクを経由する必要があったりといろいろ面倒なのです。

海外に送金するってことは、通常の海外送金手数料以外にもリフティングチャージ(海外にお金を持ち運ぶ料金)もかかるので、手数料もかさみます。

税金上の取り扱いが若干不利

必ずしも海外FX業者の方が、税務上不利なわけではないのですが、ふりになることが多いのでデメリットと考えています。

国内FX業者の場合は一律で約20%の税金がかけられる(申告分離課税)のですが、海外FX業者の場合は他の所得と合算して課税されます。

海外FX業者と業者と国内FX業者の業者の税金業者の税金比較表

一定の収入がある人には負担増になることが多いです。

 


金融当局に登録していない要注意業者

日本の居住者を相手にFX事業を営むには金融庁への登録が必要です。

金融庁ではHP上で無登録なのに日本人向けに営業している海外FX業者を定期的に公表しています。 

無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について : 金融庁

定期的にアップデートされているので、海外FX業者で口座を開こうと思ったら確認したほうが良いでしょう。

 

 

海外FX業者のメリット

高いレバレッジ

日本の法律ではFX証拠金取引のレバレッジは最大25倍に制限されています。50万円入金して、1,025万円の取引ができるってことですね。

このレバレッジはかつては最大400倍まで可能だったのですが、これが2010年から50倍に、 2011年からは現行の25倍まで引き下げられました。

これはレバレッジ競争の過熱を警戒してのものです。

 

一方で海外のFX業者は、日本のレバレッジ規制の影響を受けておらず、現在でも400倍から888倍の高レバレッジを提供しています。

 

高すぎるレバレッジはもろ刃の剣でメリットばかりとも言えない部分はあります。しかし、高レバレッジを提供されても必要ない場合は使わなければよいだけなので、通常は選択肢がある分メリットと考えて良いでしょう。

透明性が高いインターバンク直結価格

海外のFX業者は、顧客の注文をそのまま為替取引の中心地であるインターバンクに流す仕組みを採用しています。

これをNDD(No dealing desk)方式と呼びます。

この方式は、日本のFX業者が採用しているDD(Dealing desk)方式と比べ、スプレッドは広くなりがちですが、価格に信頼性があるとされ好む人も多いです。

 

入金ボーナスの存在

 海外FX業者の人気の一つが豊富な入金ボーナスです。日本のFX業者も口座開設や初回入金に対して1~2万円程度のキャッシュバック・キャンペーンを行っていますが、海外FX業者は額がすごい。

海外FX業者のXMは、初回入金に2倍のボーナスを付与しています。

100万円入金したら、証拠金が200万円になるわけですね。

 

ただし、この入金ボーナスは引き出すことが出来ないので要注意です。

入金して、ボーナスをもらって、出金、みたいな裏技はできないってことですね、当たり前ですが。

 

なお、この入金ボーナスが引き出せないという点は、あまり理解されていないケースが多く、出金トラブルと間違われがちです。

入金元本分や利益分を引き出せないのは出金トラブルですが、入金ボーナスはそもそも引き出すためにあるわけではなくて取引に使ってもらうためにあるので、引き出せないのは当たり前。

でも、悪質海外FX業者が実際に出金トラブルを引き起こしているだけに、優良(というか通常)業者までも誤解されやすい環境にあるわけですね。

 

追証が必要ない

わたしが考える海外FX業者の最大のメリットは、この追証がいらないゼロカットシステムを採用していること。

日本のFX業者だと、相場が急激に変動してロスカットが間に合わない場合は、証拠金がマイナスになる可能性があります。

しかし、海外のFX業者はゼロカットというシステムを採用している業者があります。このゼロカットとは、FX業者が責任をもってロスカットしてくれるってこと。

為替相場の急激な変動でロスカットが間に合わなかったとしても、口座がマイナスになることはなくて、ゼロ円以下にはなりません。

海外FX口座は大きなレバレッジがかけられる仕組みなので、口座がマイナスにならないのは良いですね。 

 

FX取引のロスカットというのは、為替市場が急激に動く際には、本質的に間に合わないものです。為替市場の流動性には(他の金融市場に勝るものの)限界があります。

そのため、ロスカットの注文を入れていたり、業者がロスカットラインを設定したとしても、それを大幅に割り込んだ値段でしか、ロスカットできない事態は発生する可能性があります。

めったにない事象ですが、スイスフランショックの時はまさにそうでした。

 

このとき、海外のFX業者はゼロカットを採用していたため、倒産した業者が出ました。

日本のFX業者のように、顧客の口座がマイナスになったらその分、顧客に請求できればFX業者は倒産しにくいわけですが、マイナス分を自社でかぶらないシステムを採用していたので倒産してしまったわけですね。

裏を返せば、海外FX業者の顧客は、口座がマイナスになるくらいの損害を出したのに、ゼロ円になっただけで済んだってことなので、経済的なメリットは計り知れません。

 

万が一の事態というのは起こりうるので、ゼロカット制度がある海外FX業者は利用価値があると考えています。

 

自動売買が使いやすい

MT4などを利用した自動売買を行う場合は、海外FX業者は使いやすいです。

それは、スキャルピング的な超短期モデルを使う場合、高いレバレッジをかけられた方が、資金効率が良いからです。

主要な海外FX業者一覧

XM(Trading Point of Financial Instruments Ltd.)

日本人が一番使っているFX業者。

最大レバレッジは888倍、インターバンク直結のNDD方式を採用。

約定力が高いと言われ、リクオート(Requote、注文執行エラー)なしです。

海外FX業者は国内業者よりスプレッドは広めですが、XM Zero口座にすれば低スプレッドで取引でします。

日本人が使いやすいように配慮されているFX業者で、無料日本語ウェブセミナーなど初心者でも利用可能になっています。

 

 

Pivot Markets(Pivot Markets International Inc.)

Pivot Marketsは電子的に顧客注文をすべてインターバンクに流すSTP方式と呼ばれる注文形態をとっています。STPとはNDDの一種で透明性が高い取引価格を提供可能です。入出金サービスに強みがあり、10,000ドル以下ならAPI接続によって自動的に入出金を反映してくれます。ここも日本人スタッフが常駐しています。

最大レバレッジは500倍。

 

Traders Trust(TTCM Traders Trust Capital Markets Limited)

Traders Trustは約定力に強みがあると言われています。約定スピードは40ミリ秒で99%の顧客の注文を執行します。最大レバレッジは500倍。

 

FXにもっとも影響を与える雇用統計について詳しく解説する

雇用統計の重要性

FXで重要視しされる指標というのは世界最大の経済大国である米国の経済指標になります。

その中でも、米国の雇用情勢を占う米国雇用統計の重要性は圧倒的です。

米国の金融政策を司るFEDは、米国の物価だけでなく、雇用にも責任を負っているので、雇用統計を見ながら金融政策を決定します。そのため、雇用統計は米国の金融政策を占うものとして超重要なのです。

雇用統計とは

雇用統計とはその名のとおり、米国の雇用情勢を分析した統計です。

毎月第一金曜日に発表があるので、この日はFX市場は最も盛り上がります。

金曜ロードショウにスタジオジブリの作品が放映されると雇用統計が悪くなるっていうジブリの法則(ただのアノマリーであって、法則と呼ばれているが本来の意味での法則ではない)というものがありますが、雇用統計が金曜日だからジブリ作品とバッティングしやすいのですね。

特に、風の谷のナウシカの滅びの呪文バルスが出てくる時間帯が、ちょうど雇用統計の発表時間と近いという(夏時間か冬時間かでことなる)面白い偶然があります。

 

この雇用統計では、さまざまな雇用関連の指標が発表されるのですが、なかでも重要なのが以下の二つになります。

・非農業部門雇用者数

・失業率

非農業部門雇用者数とは

非農業部門雇用者数とは、米国の雇用者のうち農業部門の雇用者を除いた雇用者数の増減を示したものです。

よく、「雇用統計で米国の雇用が20万人増えた」みたいに言うときの雇用者数は、普通はこの「非農業部門雇用者数」を用います。

全米の家計と企業数十万社から集めた統計なのでとても信頼されています。

失業率とは

失業率とは、その名の通り米国の労働人口のうちどれくらいの人が働いているかを指名している統計です。

失業率が高いと、アメリカのマンパワーが有効に利用されていないっていう意味なので、米国の潜在成長率が発揮されていない状態と捉えられます。

失業率が高いと為替はどうなるのか?

そうした状態を避けるために、高失業率状態では、金融緩和政策が取られて景気を過熱させようとします。

FEDは市場にドルを増やすことで金融緩和を行うので、ドルがあふれ出します。それが、ドル売りにつながり、為替市場はドル安になります。

反対に、失業率が低くなると、インフレを恐れてFEDは金融引き締めを行うので、ドルが市場から減少します。これはドル不足からのドル買いを招き、為替市場はドル高に向かいます。

労働生産性の低下が雇用統計を減速させた場合、円相場への影響は?

円ドル相場は、米国の生産性によっても影響を受けます。生産性の低下は期待インフレ率を高めるため、 仮に Fed が利上げしても、期待インフレによるドル安効果が、利上げによるドル高効果を相殺するからです。これは米国の実質金利が低下する効果で日米金利差が縮小するからです。

そして、労働生産性の低下は、しばしば雇用統計に表れます。

労働生産性が低下する局面では、雇用市場が緩んでいるので、雇用統計が悪化しやすいのです。

こうした労働生産性を映す鏡としても雇用統計は使えます。雇用統計は、労働生産性の動向を通じて、米国の実質金利を推測させ、日米金利差からのドル円予想を行うのに役立つ、といえます。

雇用統計のあまり知られていない事実

雇用統計は推計値

米国の雇用統計の発表」とされているのは、月初めの第一金曜日に発表される「第一次推計値」の事を指しています。

この、第一次推計値の情報収集の方法としては、労働統計局によって準備された全米調査票によって、調査月の12日を含む週の労働調査を中心にデータを取り、12日を含む週の調査終了から3週目の金曜日に、第一次推計値が発表されるという手順になります。

第一次推計値での調査票回収率は60%と目途としています。

 

すなわち、多くの人が見ている雇用統計は、実は米国の雇用統計の60%に過ぎないのですね。

 

残りの40%はどうなるかというと、翌月以降の発表時に順次追加してアップデートしていきます。翌月で80%、翌々月で90%の調査票回収(統計データへの反映)が目安になっています。

 

だから、雇用統計を見るときは、その月の発表だけでなく、前月の発表内容の修正にも目を配るようにしましょう。

「失業率」と「非農業部門雇用者数」は、じつは別の調査に基づく

雇用統計で重要なのは以下の二つだという話をしました。

・失業率

・非農業部門雇用者数

しかし、上記の「失業率」と「非農業部門雇用者数」は、実は別の調査ベースに基づいています。

どういうことかというと、実際に過去の雇用統計で以下のようなことがありましたので、それを実例にします。

 

2013年のある月の雇用統計で以下のようなことがありました。

・非農業部門雇用者数は前月比 20.4万人増となり、市場予想(同 12.0万人)を大きく上回った

・失業率は 7.3%と 9月(7.2%)から上昇した(失業率の上昇は当然悪いこと)(市場予想:7.3%)

 

雇用者数は事前予想を上回る⇔失業率は事前予想を下回る

 

という結果になって雇用者数数と失業率が不整合に出てしまったのです。

 

どうしてこうゆうことが起きるのでしょうか。っていうのが今回言いたいことです。

 

実は雇用統計とひと言でいっても、実はこの指標、

・事業所調査

・家計調査

の二つの経済指標から成り立っています。

・失業者数は事業所調査

・失業率は家計調査

で調べたものが、発表されます。

 

よく数(雇用者数)と率(失業率)が不整合な結果になった際の解説として、労働参加率の議論が出ます。それは正しいのですが、そもそもにおいて、全く別の調査内容に基づいた結果を同時に発表しているってことを認識しておくのが非常に重要です

 

このことが当時の米雇用統計に作用したかと言えば、調査期間において米国の政府部門の閉鎖という特殊イベントがありました。

政府閉鎖の影響で自宅待機になった連邦職員は 45万人もいます。この45万人をそれぞれの統計がどのようにカウントしているかというと

 

事業所調査(雇用者数)

事業所調査上は「雇用者」にカウントされている。

 

家計調査(失業率)

家計調査上は、「失業者」とカウントしている。

 

全く逆の計上方法をとりました。この45万人のブレは大きいですよね。

 

このように、雇用統計はとても重要な指標なのですが、少し癖を持っています。

その癖も理解しながら、FXに取り組みたいですね。

 

 

 

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基本からわかる移動平均線の使い方。MAでトレンドを把握しよう。

基本的だからこと役立つ移動平均線

FXではトレンドを見極めることが重要であると述べたことがありますが、今回はトレンド分析を行うのに役立つ移動平均線について、基本から説明します。

 

FXなどの投資を始めようと思い立った初心者ほど、とても有効な、魔法のようによく効く特殊な投資手法を求めがちです。

しかし、投資の経験を積めば積むほどマニアックなテクニカル分析からは距離を置くようになります。

 

なぜかと言えば、マニアックな特殊なテクニカル分析ほど、利用している投資家は少なくなります。

テクニカル分析とは、ある種の共同幻想のようなところがあって、みんなが効くと信じているので、効果を発揮するという面があります。

そのため多くの人が見ている、基本的な分析手法ほど有効性は高くなります。

 

今回ご説明する移動平均線は、トレンドラインなどと並んで、最も基礎的なテクニカル分析であり、とても役に立つものたつテクニカル分析だと思います。

 

移動平均線の作り方

移動平均線とは

移動平均線とは以下のチャートのようなものです(DMMFXのチャート機能を使って作成)。

 

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青と赤のローソク足に沿ってひかれている黄色い曲線が移動平均線です。

これは5日移動平均線なので、ローソク足にかなり密着して形成されていますね。

移動平均線はどのように作られているのか

この移動平均線がどのようにできているかと言えば、

5日移動平均線の場合:過去5日間の終値(NYクローズを用いるのが普通)の平均値

です。

1日前のドル円:100円

2日前のドル円:101円

3日前のドル円:102円

4日前のドル円:104円

5日前のドル円:105円

 

ドル円レートが、上のように推移していたとしたら

(100+101+102+104+105)÷ 5=102.4

が足元の移動平均値になります。

これを一日経過するごとに、直近のレートを取り込み、6日前のレートを外してつないでいったものが、移動平均線になるわけです。

 

単純移動平均か指数移動平均か

移動平均には実は2種類あります。上の例で示したように単純に価格を平均した単純移動平均のほかに、

直近の価格の比重を重くした指数移動平均というものもあります。

市場の実態を考えると指数移動平均の方がより価値があるとも言えますが、分かり易くするために単純移動平均を用いて以下の議論を進めます。

なお、以下に説明することは指数移動平均でも同様に使える考え方なので、細かいことは気にせず読み進めて貰えばと思います。

 

移動平均線の期間

先ほどの例では5日移動平均線(5MAなどとも表現される)でしたが、平均の対象と利用される期間は5日だけとは限りません。

25日移動平均線などもメジャーで良くFXと投資家に用いられます。

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先ほどの5日移動平均線と比べると、移動平均線がなだらかになってローソク足チャートとのかい離が広がっていますね。

25日とより多くの期間を平均するようになったので、移動平均値の前日比との差が小さくなって、移動平均線がなめらかになるわけですね。

 

そして、過去25日分と長期の平均になるので、過去の価格の影響力が強くなるため、ローソク足とのかい離は広がりやすくなります。

 

平均対象は1日単位でなくてもよい

移動平均線は1日の終値(NYクローズなど)の平均と説明してきましたが、終値を取るのは1日単位でなくても良いのです。

短期トレーダーが多いFX個人投資家には、1時間当たりの平均や5分、15分当たりの移動平均線もよくつかわれます。

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ドル円レートの1時間移動平均線です。

上のチャートは5時間移動平均線で、25時間移動平均線にするなら下のようなチャートになります。

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長期間の平均を取っている方が、なだらかな曲線になるという性質は(当たり前ですが)日単位でも時間単位でも変わらないですね。

移動平均線の使い方

移動平均線の傾きはトレンドそのもの

トレンドラインからFX市場のトレンドを分析する方法をご紹介しましたが、移動平均線の傾きはトレンドそのものです。

過去の値の平均値をずらしながらつなぎ合わせたものなので、それがトレンドを示すことは分かり易いかと思います。

ただ、傾きからトレンドを見るって使い方だけでは、移動平均線を活用したことにはなりません。

トレンドを見るのならトレンドラインなどより使いやすいものがたくさんあります。

 

 

移動平均線と現在価格の関係

大昔からあるチャート分析にダウ理論というものがありますが、このダウ理論で良く用いられるのが、移動平均線と現在値の関係です。

これは、チャート分析のなかでももっとも重要なものだと考えています。

移動平均線が示すもの

その理由を知るには移動平均線が過去の投資家の保有コストを(近似的に)示してることを理解する必要があります。

ドル円の5日移動平均線なら、この5日間でドル円のポジションを取った投資家の保有コストの平均値になります。

 

短期的トレードで用いられる25分平均線なら、この25分にポジションを取った投資家の平均コストですね。

 

移動平均線より現値が下にある時

移動平均線よりも現在のレートが下にある時は、端的に下落トレンドにあると考えられます。

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ドル円の5時間移動平均線を例にしますが、過去5時間のうちポジションを取った人のコストを現在のレートが下回って推移しています。

こうした状況では、ショートサイド(売り方)は常に含み益、反対にロングサイド(買い方)は常に含み損の状況にあります。心理的に余裕がある売り方に対して、ロスカット(損切り)を意識しながらプレイしないといけない買い方はつらい展開ですね。

こうした場合は、一定程度トレンドに沿った値動きが継続しやすいものです。

 

この移動平均線と現値の関係は、ダウ理論ではさらに以下のパターンに細分化されます。

移動平均線の傾きが上向きのとき、現値が上にある

移動平均線の傾きが上向きのとき、現値が下にある

移動平均線の傾きが下向きのとき、現値が上にある

移動平均線の傾きが下向きのとき、現値が下にある

ただ、細かい話になるし、チャートをあまりこねくり回しても良いことないのでここでは説明しません。

移動平均線より現値が上にある時

冗長になるのでこちらは例示しませんが、移動平均線より現値が上にあれば上昇トレンドにあると判断できます。上の例の反対なのでご理解いただけるかと思います。

 

 

移動平均線かい離率

移動平均線より現値が下にあれば下落トレンド、上にあれば上昇トレンドと説明しました。

ただ、トレンドが下なら、どこまでも下落するかと言ったら当然そうではありません。むしろ、行き過ぎた相場は判定する可能性も高くなるでしょう。

 

現在の価格が移動平均線から大きくかい離してしまったら、それは危険信号の一つです。

過去の値動きの平均である移動平均線から大きくかい離する値動きは、行き過ぎた値動きである可能性もあるからです。

どの程度のかい離率で価格が反発するかは、対象とする通貨ペア、その時のFX市場のボラティリティ、価格変動のきっかけとなった出来事(大きなニュースがきっかけなら移動平均線とのかい離は正当化される)などによるので一概には言えません。

25日移動平均線とのかい離率3%などが良く目安とされますが、ケースバイケースなので機械的に覚えこむより、経験から使い方を少しづつ学んでいくのが良いと思います。(株式投資の場合は30%が目安になるなど対象資産で全く異なるので、固定的な考え方は非常に危険。投資全般に言えることかもしれませんが)

 

二つの移動平均線から分析する

移動平均を用いた分析で最も有名なのが、これからご紹介する2つの移動平均線を用いた分析です。

ゴールデンクロスやデットクロスの名前を聞いたことがある人は多いでしょう。

ドル円の5日移動平均線と25日移動平均線を引いたチャートを例にします。

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上昇トレンドを示すゴールデンクロス

ゴールデンクロスとは、上のチャートの赤い楕円の個所を指します、

短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に突き抜けていますね。

これは足元の勢いが強いことを示唆しており、上昇トレンドとみなされます。

下落トレンドを示すデットクロス

青の楕円で示した箇所がデットクロスです。

ゴールデンクロスとは反対に、短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下に突き抜けています。下落の勢いが強いことが見て取れるので、下落トレンドとされています。

なぜ、移動平均線の交差を利用するか

紹介しておいて変な話なのですが、わたしはあまりこのゴールデンクロスとかデットクロスは好きではありません。

現値と移動平均線の関係から判断する方がはるかに好きです。

それは、ちょっとこの移動平均線が交差するってことが示す事象にトレンドとの論理的なつながりが弱いように感じるからです。

無理やり説明するなら、(ゴールデンクロスの場合)短期の保有コストが長期の保有コストを上回れば・・・などいろいろ理由はつけられますが、(個人の感覚ですが)納得感は低めです。

 

ただ、移動平均同士を用いることで、より慎重な判断が出来、だまし(テクニカル上サインが出ていても、市場がその通りに動かないこと)にあう可能性は下げているとはいえそうです。

 

また、冒頭に説明したとおり、多くの人が意識しているものには一定の価値があるので、知っておいて損はないかと思います。

コンビニATMの有料化が広がる、その意外な背景は?(銀行株)

コンビニATMの有料化を発表する銀行が続々

●三菱東京UFJ 銀行は12 月20 日から、自行ATM の稼働時間を延長するとともにコンビニATM 手数料を一部有料化

●足利銀行 2013年10 月からコンビニATM を有料化し、自行ATM の無料化を拡大

●常陽銀行 2013年11 月からコンビニATM を一部有料化

 

地銀がセブン銀行などコンビニATM 運営会社に支払う手数料を見直す動きが目立つ、との報道があります(9月9 日付の週刊金融財政事情)

 

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