「こうして俺は金持ちになった 」人が投資で負けたのは必然だった
「こうして俺は金持ちになった」という増田の記事を読みました。
http://anond.hatelabo.jp/20131006154954
おもしろかったんですが、それ以上に気になったのが、書かれている株式分析手法が意外と本気だったこと。
会計発生高ってガチなバリュー投資家くらいしか使いませんよ。
※ 会計発生高(アクルーアル)とは、会計上の利益からキャッシュフローを減算したもの。これが大きいと、キャッシュフローの裏付けがない利益計上が多いこととなり、会計操作が疑われます。
そこがなんか妙にリアルで・・・
しかし、消費者金融で借金して株式投資したら、リーマンショックがやってきてって流れになりますが、こうした突発的な悪材料がなくても、この人の失敗は必然だったかもしれません。
ROAの意味
なぜなら、彼の投資基準の一つがROAが6%以上恒常的に出ている企業を選別しています。
ROAとは企業が、使った全部の会計上の資源(総資本)に対して、いくら利益を稼いだかを示す、財務分析上の指標です。
企業は、稼いだ利益を再投資すること(そのうえで同レベルの負債を調達する)で、長期的にROAと同程度の成長が可能です。
すなわち、(恒常的に保てる)ROAは企業の理論上の成長率と呼ぶことができます(ROEだROICだ、という突込みは許してください)。
企業の理論上の成長率は、長期では、株価のリターンと等しくなる、といえるでしょう。
一方で、消費者金融からの借り入れコストは、少なくとも10%は超えるでしょう。
すなわち、
株式の理論上のリターン(ROA)<借入コスト
になってしまいます。
これでは破たんは必然ですね。
※とネタがないので、人のネタに絡んでみました。「こうして俺は金持ちになった 」人がレバレッジをかけた(そうするとROA×レバレッジとなる)ことはあえて無視しました。申し訳ありません。