海外投資家による国内不動産市場への資金流入が拡大
前回、友人に怒られたって記事を書きましたので、不動産ネタを再度(大型物件に限った話なので、前回エントリーとは直接関係はないです)。
2003 年から2007 年にかけて、海外投資家は日本の不動産への投資を大幅に増やしました。その多くが私募ファンドのスキーム(ダビンチやケネディクスなど組成)を使い、その私募ファンドによる不動産購入は2007 年度には7.2 兆円に達しました。
海外投資家による不動産購入はキャップレート(不動産価格÷不動産からの収益)を低下させました(不動産価格の上昇させた)。
私募ファンドの力の源泉はレバレッジ
その時に私募ファンドが多くの競合にせり勝ち、高値で物件する獲得する原動力になったのはレバレッジです。
当時は非常に金融環境がよく、レバレッジを高めやすい(LTV 比率を高められる)環境でした。
なお、当時ダヴィンチ・アドバイザーズが運用していたあるファンドは、最終的なLTV比率が90%程度に達しました。
こういったファンドが、リーマンショック後の貸し渋りみんな死んだわけですが。
しかし直近、金融緩和が長期にわたり継続している影響で再び私募ファンドの財務レバレッジが高まっています。
円安も資金流入の追い風
2003 年から2007 年にかけて、海外投資家の資金が流入したもう一つの要因が円安による、海外投資家から見た東京の不動産価格の値下がりです。
現在も2003~07年の状況と同様であり、海外投資家から見て国内不動産は買いやすい状況にあります。
こうした背景もあり、現在までに報じられている2013 年の大型取引では、フォートレスによる舞浜シェラトン420 億円、セキュアードキャピタルによる芝パークビル1,100 億円などががあり、巨額のディールが復活してきていることが確認できます。
J-REIT市況の回復で、東証リート指数の配当利回りが3%台まで低下している現状、一層の値上がりを期待するには、不動産価格の上昇期待がほしいところです。
海外投資家の資金流入が今後も続くよう期待しています。