FOMCは現状維持、あえて政治との摩擦を避ける
10 月 29~30 日の FOMC 会合では、マーケットの予想通り、テーパリング(量的緩和の縮小)は見送られました。
Fed が 9 月に量的緩和縮小を見送った後、市場コンセンサスはテーパリング開始の最有力時期について2014 年 3 月に移行しているためサプライズはありませんでした。
今回10 月の政府機関閉鎖が長引いたうえ、暫定予算が2014年 1 月中旬までしか認められていません。そのため、2014 年初頭に再び政府機関が閉鎖される可能性が残っており、こうしたリスクに対応しやすい状況を維持するためには来年3 月まで緩和縮小が見送られる可能性は高いとみられます。
一部では12 月の可能性もささやかれているものの、可能性はかなり低いと思われます。
なんにせよ、テーパリング遠のいたことで、ドル高基調への回帰がまだ先である、とのマーケットの見方を裏付ける内容でした。
なお、今回の声明文で話題になったのが、政府部門の閉鎖の影響にほとんど触れられていないなかったこと。
最後に、今年 10~12 月期の失業率は、連邦政府職員の一時帰休が失業者とみなされ、10 月の失業率が 0.3%ポイント程度上昇すると見込まれるなど、影響は無視できないはずですがあえてこの話題は避けた模様です。
議長交代を控えている今、政府批判は得策ではないとの判断があった、との意見も出ていました。
一方ユーロは
最近の米国の混乱でユーロ高で苦しむ欧州では、通貨高をけん制する発言が活発化してきています。
ECB政策理事会のノボトニー理事(オーストリア中銀総裁)はMNI(通信社)に対して、ユーロ高が「経済の弱い国に対して特に悪影響をもたらし、経済の格差を拡大させるという事実を考慮すると、通貨高は歓迎できない」と述べています。
同時に、ユーロの為替レートに介入しユーロ安に誘導するような直接介入の可能性を否定していますが、現在のユーロの体力ではこれ以上の通貨高は容認しがたいく、今後も活発なけん制が入ると思われます。