2011年の東日本大震災以降、原発への賛否や地域独占の弊害などに注目が集まっている電力会社ですが、電力10社の2013年上期の決算が出揃いましたので、まとめておきます
2013年上期の電力 10社合計の 連結経常損益は 476 億円(前年同期比 6,205 億円改善)となり、黒字転換しました。
回復の主な要因は
●電気料金値上げ:同 3,400 億円程度の増益要因
●人件費・修繕費減少:同 1,850 億円程度の増益要因
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となりました。
電力料金値上げができるのも、人件費・修繕費が削減できる(ほどこれまで無駄に高い水準にあった)のも地域独占のおかげ、といった内容ですが、回復傾向は鮮明になってきています。
なお、電力 10 社合計の上期連結経常損益が黒字となったのは、3年ぶりで、東日本大震災後初めてになります。
ただし、下期は不透明
一般に、電力会社の損益には季節性があり、上期の方が良好な内容となる傾向があります。
これは、電力使用のピークが夏場(上期)にあることなどが原因です。
また、現時点で再稼動時期を明確化している原発がないことも、下期の回復継続が不安視させられる要因となっています。
一部企業は、高い電力料金が原因で海外への生産移管を進めるケースもあり、電力料金の値上げは日本のためにはなりません。電力会社には一層のコスト削減を図り、値上げに頼らない業績改善を目指してもらいたいものです。
ちなみに電力10社とは以下の企業を指しています。
東京電力(9501)、中部電力(9502)、関西電力(9503)、
中国電力(9504)、北陸電力(9505)、東北電力(9506)、
四国電力(9507)、九州電力(9508)、北海道電力(9509)、
沖縄電力(9511)