株式投資初心者必読 本当の資産価値の求め方
最近、「これから投資を始める人」向けにエントリー書いてます。
これから投資を始める人へ 株式価値の測り方(収益編、配当利回り、PER等)
これから投資を始める人へ 株式価値の測り方(資産編、PBR等)
今回は、2つ目の資産の注目した株式価値の測り方を、もう少し掘り下げたいと思います。
企業の財務諸表を(あまり)信用せず、保守的に資産を評価する方法について述べます。
前回ご紹介したPBR(株価純資産倍率)
PBR=株価÷1株当たり純資産
を補完するものとお考え下さい。
1.前回のおさらい的なもの
前回、貸借対照表(企業の財務状態を示す表)を用いて信頼性(換金性)の高い資産と信用できない資産がある、というお話をしました。
上の図はホンダの貸借対照表の資産項目ですが、青線で囲った部分が信頼できないって話です。
だから、自分で資産ごとの信頼性に応じた係数を掛けて、真の(保守的な)資産価値を算出してみてくださいって内容を書きました。
その具体例について以下に述べます。
2.資産ごとのディスカウント率(掛け目)
資産ごとの一般的なディスカウント率(掛け目)は以下のようになります。
現金及び現金同等物・・・100%
短期保有有価証券・・・100%(95%とかもある)
売掛金、受取手形・・・85%
たな卸資産(在庫)・・・55%(業態によって幅あり、もっと評価して良いかも)
土地・・・50%(含み益がありそうな土地を持っている場合は適宜変更。都心の土地など持っている企業に対しては、有価証券報告書で保有内容を確認しましょう)
建物・機械装置及び備品など・・・40%
なお、ディスカウント率は企業の事業内容によって微調整するのも良いかと思います。(原油など)加工度の低いものなどは、在庫の価値が比較的簿価に近いことが想定されるためです。
3.保守的な資産価値 NNV(ネットネットバリュー)
各資産の価値をディスカウントした(慎重に見積もった)ものから、企業の負債総額を減産したものを、NNV(ネットネットバリュー)と呼びます。
NNV=ディスカウントした(慎重に見積もった資産)ー負債総額
このNNVを企業の発行済み株式数で割ったものが、1株あたりNNVです。
1株あたりNNV=NNV÷発行済み株式数
なお、発行済み株式数がどこに書いてあるかをホンダの短信で説明すると
Financial_Result_2012_4q_J.pdf のP3
赤字で囲った部分にある期末発行済み株式数(自己株式含む)から期末自己株式数を引いて下さい。
PBRは簿価ベースの評価であり、時価ベースで企業の資産価値を考える際に信頼できない部分もあります。一方で 1株あたりNNVは企業の解散価値に比較的近いと考えられていますので、
株価<一株当たりNNV
となった場合は、株価が割安圏内に入っていると考えられます。
なお、赤字が見込まれるなど企業の資産価値が今後毀損していくことがないかは、別途確認して下さいね~。
関連記事
これから投資を始める人へ 株式価値の測り方(収益編、配当利回り、PER等)
これから投資を始める人へ 株式価値の測り方(資産編、PBR等)
成功してる投資家の技術を盗む。株式投資のリバースエンジニアリングをざっくりやってみた