為替(FX)取引始める前に見ておきたい。欧州経済指標12指標まとめ
有力経済圈、欧州の経済指標
欧州経済圏の特徴は、ドイツ(20%)、フランス(16%)、イギリス(15%)、イタリア(14%)、スペイン(9%)と5大国のGDPシェアの高さです。特に、ユーロ圏の中心国であるドイツ経済とフランス経済の2大国の重要性は際立っています。特に財政的に健全で、最大の経済規模を持つドイツは最重要国家です。
そのため、FX(外国為替)市場が重視する指標は、ドイツ中心、フランス多少という組み合わせになっています。
目次
1.ドイツGDP
2.欧州GDP
3.ドイツIfo
4.ドイツZEW
5.フランスINSEE
6.ドイツCPI
7.欧州マネーサプライ
8.ドイツ鉱工業指数
9.ドイツ製造業受注
10.ドイツ失業率
11.フランス失業率
12.ドイツ小売売上高
1.ドイツGDP
発表時期:四半期ごと。2ヶ月程度遅れて発表
市場インパクト:A
・欧州最大国家であるドイツのGDP(国内総生産、国内で創出した付加価値の合計)
・速報性は低い(発表されるころにはだいぶ過去の話)が重要視されている。
・ドイツは極端な輸出主導型経済でGDPの5割近くが輸出によってもたらされている(時期による変動が多い)。ただ、輸入も大きい(GDPの4割)。
2.欧州GDP
発表時期:四半期ごと。3ヶ月程度遅れて発表
市場インパクト:C
・欧州圏全体のGDP
・(経済的には)重要な指標だと思うが、(マーケット的には)各国のGDPが発表されてから公表されるため、誰も注目していない。
3.ドイツIfo景況感数
発表時期:毎月。最終週の火曜日
市場インパクト:A
・約7,000社の役員を対象に企業の景況感を調査。ドイツ経済の現況と今後6カ月の先行きに対してアンケート調査。日銀短観に近い。
・現状指数と期待指数が発表され、その平均が企業景況感指数として発表。
・セクター別景況感も発表される。
・速報性が高く、幅広い企業を調査しているため重要視されている。
・鉱工業生産との相関が高い。
4.ドイツZEW景況感数
発表時期:毎月。中旬。
市場インパクト:A
・約350の市場関係者(機関投資家、エコノミストなど)を対象に景況感をサーベイ。
・現況及び今後6ヶ月の楽観から悲観を引く。
・前述のIfoと連動性が高く、しかも1週間程度早く公表されるため、かなり速報性が高く重要。
・なにげに米国や日本のものも発表。たぶんあまり見ている人いない。
5.フランスINSEE
発表時期:毎月。中旬。
市場インパクト:A~B
・約4,000社の企業を対象に景況感調査。
・速報性が高く、調査対象も広いため重要とされる。が、フランスなどでドイツより注目度でおとる。
6.ドイツCPI(消費者物価指数)
発表時期:毎月。同月20日前後
市場インパクト:A~B
・ドイツの消費者物価指数(消費者から見た物価動向)
・欧州中央銀行の金融政策は、経済状態がさまざまな各国のバランスをとる形で決定されるため、ドイツの物価ばかり見ていてもなぁ~っていう部分はあるものの、やはり一定の注目度はある。
・主要6州(ノルトライン・ウェストファーレン、バイエルンなど)のCPIが公表、そのあと計的手法によって算出した全国ベースの速報値が発表される。
7.欧州マネーサプライ
発表時期:毎月。翌月最終週
市場インパクト:C
・ECB(欧州中央銀行)は、ハイパーインフレに見舞われたドイツの影響が強いため、物価の安定重視。
・ECBはHPでM3の動きを重視していると示している。理由は、中長期の物価トレンドがわかるため。
・(経済的な重要性は高いはずだが)、マーケットではあまり重視されていない。
8.ドイツ鉱工業生産指数
発表時期:毎月。2ヵ月後上旬。
市場インパクト:B
・ドイツの鉱工業生産指数。製造業の国なので大事。
・ただ、速報性が低い。
・そのため、Ifo、ZEWのほうが注目度高い。
9.ドイツ製造業受注
発表時期:毎月。鉱工業生産の1日前。
市場インパクト:B~A
・受注は先行性があるため大事。
・受注統計であるためブレやすい。そのため移動平均なども用いられる。
10.ドイツ失業率
発表時期:毎月。翌月の第1週
市場インパクト:B
・ドイツの失業率。
・他国より発表が早い。さすがドイツ。
・ドイツでの失業者の定義は、仕事に就いておらず、15歳以上、3ヶ月間・週20時間以上の労働を望み、求職登録をしたもの。一時的解雇者や就業活動に活発でないひとも失業者に含んでいる。
11.フランス失業率
発表時期:毎月。翌月の最終週
市場インパクト:B~C
・フランスの失業率。
・比較的速報性は高いが、ドイツより遅い。
・年代別の失業率も公表。
12.ドイツ小売売上高
発表時期:毎月。翌月の第1週
市場インパクト:B
・ドイツの小売売上高。
・季節調整済み前月比ベースで発表。
・天候等によってぶれるため、トレンドが出にくい印象。特に厳冬に弱いかな。
・実質と名目が発表されるが、注目は実質に集まる。
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