為替(FX)にも株にも超大切。アメリカの金融政策を読み解く4つの材料を整理
アメリカの金融政策を判断するにはFOMCを見ろ
アメリカの金融政策はFX市場の動向だけでなく、日本を含む世界の株式市場にも大きな影響を与えます。最近では、テーパリング(金融緩和縮小)の開始が決まって以降のドルの上昇、新興国通貨・株式の下落は記憶に新しいところ。
そんな為替市場にも株式市場にも重要な、米国の金融政策を読み解く材料をリスト化して、注目点を整理しておきます。FXニュースを見る際の参考にぜひ。
1.FOMC声明文
発表時期:FOMC開催日に即日公表
FOMC(米連邦公開市場委員会)とは、公開市場操作(短期の金融政策。金融機関の資金需給を調節すること)の方針を決定する委員会です。6週間ごとに開催されます。
このFOMC声明文は、かなり短い文章で
・今後の政策金利を○%にすることとしたか(または変更しないこととしたか)
・FOMCが認識する経済状況
・FOMCが認識する物価状況
・成長と物価のリスクバランス
・今回の政策金利の決定に誰が賛成し、誰が反対したかおよび反対した理由
が記載されます。
注目点・重要度
6週間でFOMCの認識がどのように変化したか(事細かな前後の対比表まで出回る)。
速報性高く重要度も高い。
2.FOMC議事録
発表時期:FOMCの3週間後
名前の通りFOMCの議事録。FOMC内部の議論が詳細に記載されています。
構成は
・経済情勢
前回のFOMC以降、経済情勢がどのように変化したか、雇用・生産・販売・出荷・在庫・貿易・物価の順番に解説されます。
各地区連銀(米国は連銀まで分権的)が作成した各地方の経済情勢のまとめ(ベージュブック)に基づいています。
・金融政策の回顧
実際に行われた金融政策とそれに対する金融市場の反応を解説。マネーサプライの動きなども報告。
・経済予測
調査統計局が作成した経済予測資料の内容紹介。
・FOMCでの議論内容
最も分量の多いメインコンテンツ。経済に興味がある人には非常に興味深い。反対意見(少数意見)は匿名で記載。
結論部分に今回の金融政策(金融緩和や引き締め、現状維持など)を決定した理由が示されます。
ほかにも、ニューヨーク連銀向け政策指令や経済予測サマリーなどもあります。
注目点・重要性
FOMCから時間がたっているため、多少重要度は落ちる。ただし、詳細な内容が開示されるため、マーケットのコンセンサスと異なる内容が含まれていたりすると、注目度急上昇。
3.議会報告
時期:FOMCは年2回(2月と7月)
上院・下院それぞれに、今後1年間の経済見通しと金融政策の方針を報告しています。
注目点・重要性
政治サイドからかかる連銀へのプレッシャーがわかることや、閉会後に記者会見が行われてリアルタイムで金融政策の基本姿勢が確認できることから、きわめて注目度が高いイベント。
4.要人発言等
FOMCメンバーが講演などで行う発言。
注目点・重要性
議長の発言は超重要。FOMCメンバーそれぞれに個性があるため、それに反する発言(ハト派的と思われていた人がタカ派的政策を主張する、など)があると注目度が上がる傾向がある。
アメリカの金融政策を見分けるための、FOMCメンバーのスタンス・発言まとめ