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天然ゴムの値下がり。新興国にはマイナスでもタイヤメーカーにはおいしいよ



天然ゴム・砂糖など1次産品、価格低迷 過剰生産・通貨安  :日本経済新聞 

こんな記事がありました。コモディティ価格の下落が新興国のダメージになっているというもの。

確かに新興国は、工業製品の貿易だけだと大幅赤字で、一次産品の輸出で何とか貿易収支を保っている国が多い(それでもあんまりバランスできてないのが問題なのですが)ので、コモディティ価格の下落は痛いのでしょうね。

 

ただ、損をする人がいれば得をする人もいるわけで、天然ゴムの特に重要な消費者であるタイヤメーカーなんかは、収益性改善が期待されています。

タイヤメーカーにとって天然ゴムは最も重要な原材料なのですが、そもそも天然ゴムってどんなものかよく知らなかったので調べてみました。

 

ゴムには2種類ある

ゴムは科学的に合成した「合成ゴム」と、植物(ゴムの木)の樹液から作った「天然ゴム」の2種類があります。

合成ゴム:石油(ナフサ)から作られる。

天然ゴム:ゴムの木の樹液をから作られる。

 

天然ゴムの歴史

なんとあのコロンブスが、ハイチの原住民が遊ぶゴムボールをヨーロッパに持ち帰ったのが始まりらしい。その後、アマゾンから運ばれるなどして天然ゴムの利用が始まりました。

現在の主要な生産地は、特にタイ、インドネシア、マレーシア。これは、イギリスがアマゾンと気候が似ているこれらの国に持ち込んだためで、現在ではこの4カ国で世界の総生産量の7割を占めています。

 

誰が天然ゴムを使っているのか

 

国別では、中国が世界最大の消費国。なお、中国は主要な生産国でもあり、世界第6位の生産国。

だから、天然ゴムの相場を決めているのは、中国上海の商品取引所。そして、上海の天然ゴム在庫は過去最高に近い水準にあります。

ちなみに日本の年間輸入量は70万トンで世界4位の輸入国(1位中国、2位米国、3位マレーシア)。

産業別では、タイヤ向けが大半で、全使用量の8割をしめています。

 

なぜ、天然ゴムの値段が下がっているのか

世界的に自動車販売は好調。そのため、需要面は強いものの、供給増が要因。

国際ゴム研究会(IRSG)統計では、2013年から2014 年にかけて天然ゴム供給量が前年比 5%増加するとしている。一方で、ゴム需要は同 3%の増加するとの見通し。需給バランス崩れてるので、値下がりする条件整ってます。

背景にあるのは、ゴムの木の樹液採取をおこなえる樹齢が、6年程度になるというのが原因らしい。

2008年の金融危機(リーマンショック)前に非常に自動車需要が強く、その時の需要を基準にゴム農家が植樹面積が増加させました。

その後、6 年程たって樹液を採集するタイミングに入っていることが供給拡大につながっている模様。

 

タイヤメーカーは原価率が高いので

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上の表はタイヤメーカーの2013年3月期の原価率を示したのもの。

各企業なかなかの原価率の高さで、主要原材料である天然ゴムの価格下落は結構ポジティブに働いてきそうな感じです。

 

リンク集

TOCOM : 検定試験テキスト -ゴム取引の基礎知識-

天然ゴムとゴム用語

天然ゴム(NR) - ゴムナビ

天然ゴムができるまで|コラム|古藤工業株式会社