リソー教育が粉飾
前から話は出てましたが、リソー教育がやはりやっちゃてました。
6年あまりで80億円の売上水増しが行われていたとのこと。2013年2月期の売上高が130億円の企業としては、ならして売上の約1割が不正だったことということになり、結構な規模の粉飾です。
良い機会なので、アクルーアル(会計発生高)という会計指標を使って、同社の粉飾が見抜けたのか試してみました。
アクルーアルとは
アクルーアルとは会計発生高ともいい、利益の質を見る指標です。
計算方法は
アクルーアル=当期純利益ー営業キャッシュフロー
となります(厳密にはこれに特別利益、特別損失を加減など微調整がいるけど、今回はあんまり気にする必要が無い)。
上の式を見て頂ければわかるように、このアクルーアルは会計上の利益(当期純利益)と現金のリアルな収入(営業キャッシュフロー)の差額を示しています。
これで、何がわかるかと言いますと、このアクルーアルがマイナスならば、会計上の利益(当期純利益)に対して、現金のリアルな収入(営業キャッシュフロー)の方が大きい訳で、十分に現金の裏付けを伴った利益を挙げている、ということになります。
というわけで、マイナスの方が良い指標なのです。
反対にプラスですと、現金が入ってきていないのに、利益だけ計上しているってことになるので、利益の質が低いってことですね。
アクルーアルを株式投資で使うには
利益の質を見る指標なので、株式のバリューをはかるとき、同じくらいのPER(株価÷1株当たり利益)で、成長性も同じくらいかなぁ~ってときに、アクルーアルで優劣を決めるなんて使い方もあるし、そもそもアクルーアルがイマイチなら投資しないって判断もあります。
これは株式投資で使う場合ですが、本来はアクルーアルは粉飾決算を見抜くためにできた指標のようです。やっと本題です。
リソー教育の粉飾をアクルーアルで見抜けたか?
今回のニュースを見たとき、売上の水増しってことでしたので、
売上の水増し→実態のない売上→架空の売掛金→キャッシュフローの悪化→アクルーアルの悪化
って感じの連想をしました。で、下の表を作ったのですが
見事にほとんどの期で、アクルーアルがマイナスです。少なくともアクルーアルの観点からは非常に質の良い利益を計上している(粉飾)企業ということになってしまいました。
何でかな~って思ってBS(貸借対照表、企業の資産状態を示す)を見てみたら
売掛金・受取手形の回転率が悪化してないんですよね~だったらアクルーアルは悪化しないわけですよね。
と、言うことは売掛金・受取手形を回収したってことにして、現金を積んでるんでしょうか?確かに現金は急激に増えてますw
それだったら、現物確認できる仕事の人しかわからないよ~
事実のほどは第3者委員会の結果待ちですね。わかったら追記します。
以前こんなの書きました
堕ちる企業の3条件(と悲しい思い出) - 株式、FXのまとめ解説
関連リンク
リソー教育の株式売買を午後2時51分から再開=東証 - ロイターニュース - 経済:朝日新聞デジタル
学習塾のリソー教育、売り上げ数十億円水増しか : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)