外貨建て債券系の投資信託持っていたら、国際機関債も間接保有しているよ(たぶん)
アセットアロケーション(資産配分)の一環として外貨建て債券(外債)系の投資信託をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
外債には大きく分けて下の3パターンがあります(抜けてるよって指摘されそうなユーロ円債とかはあえて入れていない、定義の問題なので)。
1.外国の国債(海外の国が発行する債券、ソブリン)
2.海外の企業が発行する債券
3.国際機関が発行する債券
このうち、1(外国の政府が発行している債券)と2(海外の有名企業が発行している債券)はわかりやすいかと思うのですが、3は知らない方も多いかと思います。
でも、じつは3の国際機関(スープラナショナル)が発行する債券って外債の世界では、非常にメジャーなものでして、多くの外債ファンドは投資しています。外債ファンドを保有していたら、高い確率で国際機関債(政府機関債も含む)にも間接的に投資してるっていえると思います。
国債機関債は通常、外国債(ソブリン)より利回りが高く、かつ安全性も高いので、比較的投資しやすい対象といえます。
国債機関債のみに投資している外債ファンドすら結構あります。
というわけで、知ってると得するかも知れない、国債機関債の発行体の概要をまとめます。
アジア開発銀行(ADB)
黒田日銀総裁が元トップ。
アジア・太平洋地域の開発途上国の貧困を削減し、経済成長を促進することが目的。
主な業務は、開発途上国に対する資金の貸し付け、技術援助、出資など。
日本が最大の出資国(12.8%、1位)。
借入制限条項があり。
国際復興開発銀行(IBRD)
1944年にブレトンウッズ協定に基づき設立。
設立目的:第二次世界大戦後の経済復興を支援すること。
中所得国と信用力のある低所得国に持続可能な経済成長をもたらし、貧困を削減すること。
現在最大の国際開発金融機関。
日本の出資比率は9.9%(2位)
国際金融公社(IFC)
国際復興開発銀行の役割を保管するため1956年に設立。発展途上国の民間セクターへの事業支援を行う。商業ベースで運営され、現地の政府の保証が付いたプロジェクトには投融資は行わない(営利性のあるプロジェクトのみを対象とする)。
日本の出資比率は6.0%(2位)
米州開発銀行(IADB)
中南米・カリブ加盟諸国の経済発展や貿易・地域統合を促進することを目的として設立。
米州だけど、北米は入らず。カナダとアメリカって先進国しかなから当然ですが。開発途上の加盟国に対する資金の貸し付けや技術支援を行う。
アフリカ開発銀行(AfDB)
アフリカ地域の加盟国に対して経済、社会発展に必要な資金を貸し付ける目的で1964年に設立。当初は加盟国をアフリカに限っていたが、資金導入のために1982年からアフリカ域外からの加盟を認めるようになった。
・開発途上加盟国の公的、民間セクターへの投資
・技術支援
・緊急時の無償支援
などを行う。
所得の高い国には準商業ベース、低い国には非商業ベースで融資。
日本が9.4%出資(1位)
欧州復興開発銀行(EBRD)
1989年のベルリンの壁崩壊後に、旧ソ連経済圏の諸国が市場経済に移行することを支援するため設立(1991年4月)。民間セクターを中心に投融資。
なぜか日本がトップの出資国で9.0%の出資比率。1991年ってバブルだったからたかられたのかな。
欧州評議会開発銀行(NIB)
なんか名前がかっこいい。
避難民の保護・移住、災害復興などを目的に加盟国に融資。中東欧の市場経済への移行も支援。
さすがに日本はお金出してません。
北欧投資銀行(NIB)
1976年に北欧諸国の経済協力を促進するため設立。北欧域内の公的・民間セクターに商業ベースで長期投資を行う。
また、新興国において加盟国企業の支援なども行っている。
欧州鉄道金融公社(Eurofima)
欧州の鉄道会社の共同出資で運営。加盟する鉄道会社の設備投資の際に、車両を担保に融資している。
非営利で、利益の最大化は目指していない。加盟する鉄道会社に限界まで低い金利を提供することを目的としている。
欧州投資銀行(EIB)
1958年にローマ条約基づき設立。EU域内の経済統合と均衡発展に資するプロジェクトに長期資金を提供。また、アフリカ・カリブ海・太平洋諸国への支援も。
EUの拡大によって、融資残高は現在世界最大。
欧州金融安定ファシリティ(EFSF)
欧州安定化メカニズム(ESM)
最近の設立のため割愛(あとで詳しく書くかも)
*自分の知識整理用エントリー