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日銀の金融政策変更の歴史と為替市場の動向


2月26日 登録

日銀の金融政策変更の歴史を振り返る

円相場に大きな影響を与えてきた日本銀行の金融政策。金融政策の歴史ってブレトンウッズ体制とか大昔の出来事についてはよくまとまっているけど、最近の出来事ってあまり整理されていないと思うので、ここ20年くらいの歴史をまとめます。

その時の、円相場の水準および日経平均株価の動向とともに金融政策変更の歴史をまとめます。為替の大きな流れがわかるようにしたいと思います。

なお、日銀が大きな金融政策の変更を行ったら随時追加します。

 

清水総裁時代:量的緩和、ゼロ金利政策の導入期(1998年3月~2003年3月)

速水日銀総裁の時代

速水日銀総裁はITバブルの発生と崩壊を経験した総裁です。為替市場はドル円140円超、日経平均株価も20,000円超を経験しながらもその後は地獄を味わいます。

ただし、ITバブル崩壊後は相当な金融市場の混乱を経験します。リーマンショック時ほど急激ではないものの、株価の値下がりの値幅を見るとリーマン級の下落幅になっていますね。面白いのは、為替市場の調整はあまり見られなかったこと。

速水日銀総裁は日本だけでなく現在世界中で行われている量的緩和という非伝統的な金融政策の基礎を作った人だと思います。この政策は、リーマンショックから始まる金融危機に各国の中央銀行が対抗する手段になりました。

アメリカのQEが有名ですね。

速水日銀総裁時代のドル円と日経平均

 

速水日銀総裁の金融政策

1998年3月 速水日銀総裁に就任 。

1998年9月 無担保コール・オーバーナイト物金利の誘導目標を0.25%に引き下げた。この辺でゼロ金利の足音が聞こえる。

1999年2月 ついにゼロ金利政策を導入し、オーバーナイト物金利を一段と低めに誘導。

2000年8月 オーバーナイト物金利の誘導目標を0.25%に引き上げ(ゼロ金利政策の解除)

2001年2月 オーバーナイト物金利の誘導目標を0.15%に引き下げ。ゼロ金利解除が間違えだっと認めるような決断。

2001年3月 金融政策の操作目標を金利から日銀当座預金残高に変更し、目標を5兆円。(量的緩和政策の導入及び実質ゼロ金利政策への復帰)。ここから始まるゼロ金利と量的緩和の歴史。

2001年8月 当座預金目標を6兆円に。長期国債買入(買切 オペ)額を月2000億円増額し6000億円。

2001年9月 当座預金目標を6兆円超に。公定歩合を0.10%に引き下げ。

2001年12月 当座預金目標を10‐15兆円に引き上げ。国債買入額を月8000億円にした。

2002年2月 国債買入額を月8000億円から1兆 円に増額。

2002年9月 銀行保有株買い取りを決定。10月に発表した基 本要領で、総額2兆円の上限と買入を行う期間 を2003年9月までと規定。

2002年10月 当座預金目標を15‐20兆円に引き上げ、買い切りオペである国債買入額を月1兆2000億円とした。

福井総裁時代:量的緩和の解除、金利の引き上げを行う(2003年3月~2008年3月)

福井日銀総裁の時代

福井総裁の時代は、景気(金融市場)的に大変良い時代でした。ITバブル崩壊からの回復局面にあり、リーマンショック前の好景気に繋がる局面を総裁として経験しています。2006年3月9日には、量的緩和政策を脱却しました。日銀プロパーの福井総裁としては5年超続いた量的緩和という非伝統的金融政策から脱却できたことはうれしかったでしょうね(日銀では政治の圧力を跳ね返したって意味で、引き締め政策を採ることを勝利と捉える、といわれている)。

任期後半では、サブプライムローン問題や大型ヘッジファンドの閉鎖など、その後のリーマンショックの発端となるような事象が起きており、金融危機の入り口に立っていたことになります。

福井日銀総裁時代のドル円と日経平均

福井日銀総裁の金融政策

2003年3月 福井日銀総裁に就任。

2003年9月 銀行保有株買入れ期間を2004年9月まで延長 同年4月–翌1月 段階的に当座預金目標を30兆-35兆円まで引き上げ

2006年3月 量的緩和政策を解除。金融市場調節の操作目標 を日本銀行当座預金残高から無担保コール・ オーバーナイト物金利に変更。このころは金融市場に限れば、景況感はかなり良かったので、量的緩和解除も納得できるところ。

2006年7月 ゼロ金利政策解除。無担保コール・オーバーナ イト物金利の誘導目標を0.25%に引き上げ。過去ではなく、将来の物価見通しから金融政策を決める(「ビハインド・ザ・カーブ」型だから「フォワード・ルッキング」型にシフト)「新たな金融政策運営の枠組み」を導入。

 

白川総裁時代:リーマンショックに遭遇し立て直しに奔走(2008年4月~2013年3月)

白川日銀総裁の時代

白川日銀総裁は、ねじれ国会を利用した民主党の日銀総裁承認拒否戦略の結果として誕生した総裁でした。その後に誕生する民主党政権時代を通じて日銀総裁を務め、安倍政権誕生とともに勇退しました。

任期中にリーマンショック、東日本大震災が発生する不幸な総裁でした。また、就任時から過度に緩和的な政策を取る弊害を強調するなど、引き締めバイアスが強い印象があります。

世界各国が金融緩和競争に出る中で、日銀の政策は出遅れることになり、日本は強烈な円高に直面することになりました。

潜在成長率を引き上げてこそ経済問題は解決するってスタンスをもっており、迷走する政治の代わりに日銀が成長資金融資などを通じて日本の潜在成長率を引き上げようと努めました。

下に掲載しますが、大きな金融危機と大災害に対応するため頻繁に政策を発表しますが、政策を小出しにする印象を金融市場に与えており、効果は限定的でした。

本格的に為替市場のトレンドが反転するのは、総選挙で民主党が大敗して、安倍政権への期待が盛り上がる任期最終盤でした。

白川日銀総裁時代のドル円と日経平均

白川日銀総裁の金融政策

2008年4月 白川日銀総裁に就任

2008年10月 リーマンショックの発生を受け、無担保コール・オーバーナイト物金利の誘導目標を0.30%に引き下げた。銀行が日本銀行に預ける当座預金のうち、所要準備額を超える金額について利息を付す補完当座預金制度を臨時に導入した。利率は 0.1%。

2008年12月 リーマンショック後金融危機がもたらした2番底で、追加の利下げが必要な状況となり、無担保コール・オーバーナイト物金利の誘導目 標を0.1%に引き下げ、国債買入(買切オペ)額 を月1兆4000億円に増額、買入対象国債に30年債、変動利付国債および物価連動国債を追加。 また残存期間別の買入れ方式を導入。企業金融 支援特別オペの実施を発表。

2009年3月 国債の買入れ額を月1兆8000 億円ペースに増額。また買入残高上限1兆円の 社債買入れを2009年9月30日まで実施することとした。

2009年7月 社債買い入れ、CP等の買い入れ、企業金融支援特別オペの期限を同年12月31日まで延長。

2009年12月1日に開かれた臨時政策委員会・金融政策決定会合にて、10兆円程度の固定金利(無担保コールレート・オーバーナイト物の誘導目標水準)、 期間3ヶ月、国債、社債、CP、証貸債権など全 ての日銀適格担保を担保とする資金供給手段 の導入を発表。

2009年12月18日の定例会合後「『中長期的な物価安定の理解』の明確化」を発表。

2010年3月 固定金利方式・共通担保資金供給オペレーショ ンの規模を10兆円から約20兆円に増額。

2010年4月 議長、成長基盤強化の観点から、民間金融機関 による取り組みを資金供給面から支援する方 法について検討を行い、改めて報告するよう、執行部に指示した。実質上の導入指示で総裁の強い思いを感じるところ。

2010年5月 成長基盤強化を支援するための資金供給の骨子策案を発表。貸付時の無担保コールレート・ オーバーナイト物の誘導目標水準での、共通担保を担保とする貸付としての資金供給(原則1 年)。

2010年6月 成長基盤強化支援のための資金供給策の融資・投資対象分野を発表。貸付総額の上限は3 兆円(一回当たり1兆円を限度とする)、対象金融機関毎の貸付限度額は1,500億円とし、貸付 受付期限を2012年3月末までとする方針を発表。

2010年10月 ①政策金利の0%~0.1%への引き下げ、②「中期的な物価安定の理解」に基づく時間軸の明確 化、③資産買入等の基金の創設の3つの措置からなる、「包括的な金融緩和政策」の実施を発表。資産買入等の基金は総額35兆円、資産買入 は5兆円に。 

 

2011年3月 東北地方太平洋沖地震による悪影響を考慮して、資産買入等の基金を5兆円増額し、40兆円程度とした。
2011年4月 被災地の金融機関を対象に、長めの資金供給オペを実施することを決定。

2011年6月 成長基盤強化を支援する資金供給の一環とし て、対象先金融機関が出資やABL(動産・債権 担保融資)等の残高の範囲内で借入れを行なうことが出来る枠を新たに設定。貸付限度額は 500億円(従来の1500億円とは別に設定)。貸付期間は原則2年(最長4年)。金利は0.1%。FRB との米ドルスワップ取極を2012年8月1日まで 延長すると発表。
2011年11月主要6中銀(米国FRB、カナダBoC、英国BoE、日本BoJ、欧州ECB、スイスSNB)、 国際短期金融市場の緊張への協調対応策を発表。米ドルスワップに適用される金利を 50bp引き下げ、新しい金利をUSD OIS+50bpとした。

2012年2月 中長期的に持続可能な物価の安定と整合的な 物価上昇率として「中長期的な物価安定の目途」 を導入。当面は消費者物価の前年比上昇率1% を目指すこととした。資産買入等の基金を55 兆円程度から65兆円程度に増額することを決 定。 同年3月 成長基盤強化を支援するための資金供給を拡充することを決定。(円貨・外貨建て)貸付総 額は3.5兆円から5.5兆円に増額。

2012年10月 資産買入等の基金を80兆円程度から91兆円程度に増額することを決定。長期国債、短期国債 各5兆円に加えて、そのほかの資産の買い入れ額も増加。「貸出増加を支援するための資金供 給の枠組み」を創設。金融機関の貸出増加額について、低利・長期で 資金供給することを決定。資金供給は無制限。 政府と共同で、「デフレ脱却に向けた取組について」と題する文書を公表。 

2012年10月 財務省及び日本銀行、韓国企画財政部及びBoK との協議の上、日韓通貨スワップの時限的な増 額部分を2012年10月31日に予定通り終了することを決定。

2012年12月 資産買入等の基金を91兆円程度から101兆円程 度に10兆円増額。短期国債、長期国債をぞれぞれ5兆円増額。次回金融政策決定会合において、 金融政策運営にあたり目指す中長期的な物価 の安定について検討を行うことを決定。

2013年1月 ①「物価安定の目標」を導入することと、②資産買入等の基金について「期間を定めない資産 買入れ方式」を導入することを決定。物価安定の目標を消費者物価の前年比上昇率2%とし、2014年初から、期限を定めず毎月一定額の金融 資産を買い入れる(当分の間、毎月、長期国債 2兆円程度を含む13兆円程度の金融資産の買入れ)方式を導入。

黒田総裁時代 積極的な金融政策で為替市場は反転(2013年3月~)

黒田総裁は就任前の日銀の政策が歯がゆくて仕方なかったのでしょうね。

財務官として為替市場にかかわってきた経験も活かして、金融政策は市場の裏をかくのような果断なものが増えます。異次元緩和や量的・質的緩和など分かり易いキャッチコピーで

成長志向が強い政権との相性も良く、日経平均は20,000円を突破、為替市場もドル円が120円を大きく上回るの水準まで円安が進みました。

ただ、直近では世界的な景気悪化の影響もあり、一本調子の上昇とはいかなくなりました。ここからが正念場でしょうね。

黒田日銀総裁時代のドル円と日経平均

黒田東彦日銀総裁の金融政策

2013年3月 日銀総裁に就任

2013年4月 「量的・質的金融緩和」の導入(QQE1)を決定。マネタ リーベースを金融市場調節の操作目標とし、年間約60~70兆円に相当するペースで増加するよう金融市場調節を行うことを決定。また、長期国債買入れの拡大と年限長期化(保存残高が 年間約50兆円に相当するペースで増加し、平均 残存期間を7年程度になるよう買入れを行う)、 ETF、J-REITの買入れの拡大(それぞれ年間約 1兆円、年間約300億円に相当するペースで増加。 CP等、社債等についてはそれぞれ2.2兆円、3.2 兆円の残高まで買入れたあと、その残高を維持) を行うことも決定。
「量的・質的金融緩和」を2%の物価安定目標実現に必要な時点まで継続することを決定

「量的・質的金融緩和」の導入 に伴い、

・資産買入等の基金の廃止

・銀行券ルールの一時適用停止

・市場参加者との対話の強化を実施する

ことを決定。被災地金融機関 を支援するための資金供給オペの貸付受付期 間を2014年4月30日まで延長。

2014年2月 「貸出増加を支援するための資金供給」と「成 長基盤強化を支援するための資金供給」について規模を2倍としたうえで、1年間延長することを決定。

2014年10月 「量的・質的金融緩和」の拡大(QQE2)を決定。 マネタリーベースが年間約80兆円(約10~20 兆円追加)に相当するペースで増加するよう金 融市場調節を行うとした。

また、長期国債買入れ拡大+年限長期化と、ETF、J-REITの買入れ拡大(それぞれ年間約3兆円(3倍増)、年間約900億円(3 倍増)に相当するペースで増加)を併せて発表した。

2015年4月 「展望レポート」で、2%の「物価安定目標」 の目標達成時期見通しを従来の「2015年度を中 心とする期間」から「2016年度前半頃」に先送 りした。

2015年6月金融政策決定会合において、金融政策に関するコミュニケーション方法の変更を発表。

2016年1月から 金融政策決定会合を年8回開催すること、「展望レポート」を年4回公表することなどを決定した。

2016年1月29日の決定会合ではマイナス金利の導入を発表した。-0.1%の金利適用で日本もいよいよマイナス金利の世界に入った。しかし為替市場は発表直後こそ円安に振れたが、米国の景気回復に疑念が持たれ始めていたこともあり徐々に円高傾向となる。

 

2016年7月の金融政策決定会合では、ETFの買い入れ額増額を発表。6兆円の買い入れ額を確保し、従来の3.3兆円の買い入れ額から倍増へのこだわりを見せた。

ただし、為替市場はマイナス金利の深堀を予想していたこともあり、為替市場は円高で反応。

 

2016年9月の日銀は10年国債の金利をゼロ近傍にする新たな長期金利コントロールを導入。これは国債の長期から短期までの金利構造を管理することを目的としており、イールドカーブコントロールとも見られる。

量ベースの金融緩和に限界が見えてきているとの見方が強まるきっかけになり、為替市場は円高に繋がった。 

 

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