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電力自由化でガソリンも安くなる。電気代節約にはENEOSでんきが良さそう



待望の電力自由化

これまで地域毎に独占的に電力を供給してきた電力会社。電力業界には、競争がないため非効率な経営に終始してきたことから、日本の電力料金は先進国でもかなり割高な水準です。(産業用ですが)東レが電力コストの安さを理由に韓国に工場を移したのは記憶に新しいところ。

そうした割高な電力を(産業用よりもさらに競争がなかった)消費者も買わされてきたわけですから、待望の電力自由化です。

 

今回は、電気代を節約するにはどの電力新規参入業者と契約するのがよいか、見てみたいと思います。

 

参入業者は多数いますが、海外の例を見ると倒産する企業もたくさん出そう。ドイツでは新規参入業者のほとんどが電力市場から退出したようです。

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石油元売り系は電力自由化で競争力が高い

母体の大きな上場企業を中心にプランを見てみた結果、昭和シェルとJXホールディングスが良さそうです。 なお、さらに石油元売り系は発電設備を従来から自前で持っており、産業用などに供給していたため、新たな設備投資をせずとも参入できるため競争力が高いと見られます。

さらにガソリン価格とのセット割引もあり、石油元売り系のサービスは、安心感と効率性(安さ)を兼ね備えていると思います。

 

 

ガソリンを多く使う人は昭和シェル

電気料金を東京電力の既存プラン(従量電灯 B)に近い水準に設定しています。

そのため、電力料金自体はほぼ既存の電力会社と同水準です。

一方で、昭和シェル石油のプランのメリットは「ガソリンが 10 円/L 安くなる電気」です。

同社の電力サービスに加入すれば、ガソリンが 10 円/L 安くなる点を強調しています。

1リットル10円の値引きは非常に魅力的。現在のガソリン価格では約10%引きと超高水準です。

 

 

これは、JX ホールディングスのガソリン値引き(ENEOS カードで電気代を支払う場

合)1 円/L を大幅に上回っています。

 

電力料金の安さではJXホールディングスの「ENEOSでんき」が圧倒

単純な電力価格の安さでは、JXホールディングスが営むENEOSでんきが最も安く設定されており、全参入業者中でもトップレベルです。同社のパートナーになっている東京瓦斯(9531)と比べても料金は割安に設定されています。

 

ガソリンを月60リットル使うと考えるとエネオスでんきがよさそう

両社のプランから、ガソリン給油量 60L/月を前提にした値引きを電気代から控除して計算してみます。

ご家庭向けに契約が多い 50A(アンペア)・使用量 700kWh/月を前提にしてみると、1 ヵ月当たりの電気代は JX ホールディングス(エネオスでんき)が 18,000 円程度に対し、昭和シェル石油が19,000 円程度という結果になりました。

一般的なガソリンの使い方をする限りは、エネオス電気が良さそうです。

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ただし、車を長距離運転する人や燃費の悪い車に乗っている人は、昭和シェルがよくなる可能性は高いです。ご自身の月間の給油量を図ってみると良いかも知れません。それがほぼ10%(ガソリン価格が1リットル100円の場合)安くなるイメージです。

ただし、一人暮らしだと、節約メリットは小さく、既存の電力事業とあまり変わらないくらいになります。それでも、ガソリンが少し安くなるメリットは享受できますが。

 

エネオスでんきはキャンペーン中

エネオスでんきは早期申し込み割引である「早割」を実施中。

実施期間は2016年3月末までです。

これまでに申しこめば、初月の料金が2,000円安くなるようです。

 

電力小売りの流れを振り返る

電力市場は、2016 年 4 月より 50kW 以下の低圧市場が自由化されることになりました。

すでに大口市場では、これまでに特別高圧市場では 2000 年から、高圧市場では 2004~2005 年から自由化されてきており、低圧市場の自由化により全面自由化が開始されることになります。

また、特高・高圧市場では、制度上は既に自由化されていたが、実効性が伴っておらず、新電力のシェアは 3%強に留まっており、競争市場が十分に機能していませんでした。今後は大口・小口とも実質的な競争市場として機能する見込みです。

 

既存の電力会社が強い地域

電力小売り自由化の恩恵を受けるのは、既存の電力会社が価格競争力を失っている地域です。東日本大震災の傷跡が大きい東京電力や原子力発電への依存度が高い関西電力の管内では、両社が値上げを行っているため、新規参入業者が有利になります。

 

東日本大震災(2011 年 3 月)後、電気料金の改定値上げを行っていない電力会社は、
北陸電力、中国電力、沖縄電力の 3 社です。

これらの事業者の管内である、北海道、中国地方、沖縄県にお住まいの方は、新規参入組であるエネオスでんきに加入するメリットは小さいかも知れません。

まあ、メリットが小さいと言ってもガソリンも含めてトータルコストは確実に下がります。が、どの程度下がるかは家族構成と使用電力次第であり、他地域より恩恵は小さいかも知れません。

 

既存の電力会社の観点で見ると

このうち、北陸電力と中国電力は、原発が稼働停止(火力燃料費が増加)しているが、電気料金の改定値上げを回避してきた。このことから、北陸電力と中国電力は、原発再稼働後に価格競争力が増すと考えられるため新規参入されにくい状況です。

 

今後の電力小売り販売の課題

電力小売全面自由化後の電力の販売競争は、単なる価格競争ではなく、電力販売に
付加価値をつけて、いかに利益率を高めていくかが重要な課題となります。
電力のようなコモディティ化しやすい商品を提供する中で、どのように競合他社と
差別化するのか、顧客をどう獲得・確保していくかがポイントです。

電力自由化後も、販売価格だけでなく、電力小売り会社に対するイメージや信頼感、付随するサービス提供なども需要になってくると思います。


例えば、電力の販売価格が割高でも、提供する電力の再生可能エネルギー比率が高
い点を評価する顧客がいるかも知れません。そうであれば、この環境に優しい発電構成をうまく PR して、ブランド化する方策が求められます。

また、地元の電力小売会社を選択してもらうには、会社が地元密着である点をブランド化して、顧客に訴えかけていく必要がでてくるかもしれません。

 

海外の事例の示唆

海外の事例では、電気小売事業者が、顧客セグメント別に多様な小売ブランドを立
ち上げる例がみられます。再生可能エネルギー発電や電力の使い方を重視したもの、
顧客の年齢層別のニーズにフォーカスしたもの等、様々なニーズや目的別の小売ブ
ランドが立ち上がっています。

 

 

以前こんな記事を書きました

電力自由化は節約の助けになりそう。株価にプラスの会社もでてきそうです - 株式投資、FXのまとめ解説(初心者向け)