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マイナス金利で借りる法人(リート)が出てきたので、金利スワップを簡単に説明するよ。



ついに始まったマイナス金利での借り入れ

GLP投資法人(3281)がマイナス金利での借り入れを行うと発表しました。

http://www.glpjreit.com/site/file/tmp-QDAUf.pdf

日銀が導入したマイナス金利は、日銀当座預金の一部にマイナス金利を付与する、という仕組みであるため、借り手側の企業などがマイナス金利を享受するのは難しいのではないとの見方もありました。

 

が、まだ一部とはいえ、実体経済の担い手にマイナス金利での資金の供給が始まったことは、朗報と言えそうです。

 

このニュースを例に、金利スワップを簡単に説明することも目的にしています。

 

目次

 

マイナス金利での契約内容

・借入先:野村證券

・GLP投資法人は野村證券を相手先とする金利スワップを締結。

想定元本は 53 億円

・金利は実質的に-0.009%

・金利スワップで契約

 

太字にした実質的に-0.009%の意味について、スワップ金利とともに説明していきます。

 

金利スワップとは

最後の項目に書いてある金利スワップというのが、わかりにくいという人が大半かと思われます。

金利スワップとは、変動金利と固定金利の交換っていうのが教科書的な説明ですが、抽象的過ぎてこれだけだと少しわかりにくいので、もうちょっと具体的に。

 

当初契約

・GLPリートは、2016年1月4日に、変動金利にて53億円の借り入れを行っていた。

・その借り入れは、一か月の変動金利(全銀協 1 ヶ月日本円 TIBORに+0.14%上乗せして)に基づき、決定される内容だった。

・すなわち、GLPリートは、1か月変動金利を支払うことで、53億円を調達(重複)

GLPリートの判断:金利が急激に上がることもなく、むしろ下がりそうだから、変動金利で借り入れておこうかな。

 

状況の変化

・日銀が2016年1月29日、マイナス金利を導入

・(信用力の高い法人なら)マイナス金利で、お金を受け取りながら資金が調達できそうな状況になった

GLPリートの判断:金利がマイナス圏までくればもう十分。これ以上、金利が下がるかわからないから、変動金利で借りていた部分については、固定金利に変更したい。

 

今回の契約

・GLPリートは、野村證券に固定金利を支払う(金利はマイナス0.149%、実質的には受け取る)

・GLPリートは、変動金利を野村証券から受け取る(変動金利であるため可変、しかしこの変動金利分は当初借りれ先に横流しされるだけなので、経済的に意味がない)

 

上の具体例でみたように、金利スワップとは、この金利を支払えば、変動金利から固定金利に変更できるよっていう契約です。

金利スワップがマイナス金利圏にあれば、マイナスで借り入れを固定できるため、実体経済の担い手にもマイナス金利での資金提供が行われることがわかるかと思います。

 

実質に0.009%の利益の意味

最初に今回の契約が、実質的に0.009%の利益と書きました。ちょっと蛇足気味ですが、まとめとしてこの部分の説明を最後にしておきます。

企業が変動金利でお金を借りるとき、その指標となるTIBORで借りるわけではありません。そこに一定の上乗せ分の加算して借り入れることになります。

この上乗せ金利に相当する部分が、今回の契約の場合、当初契約の個所で緑色で表現した0.14%になります。

この部分については、金利を変動から固定に変更したとしても、払い続ける必要があるわけです(金利スワップ契約では、上乗せ分の金利については、変動→固定の変換は行われない)。

 

ですが、今回の契約は幸いにも固定金利がマイナス0.149%。マイナスなので0.149%分の金利が受け取れます。

このもらえる0.149%と支払い続けなければならない0.14%の差額が0.009%、これが実質的な利益って意味ですね。

 

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