スウェーデンクローナの特徴。為替市場ではユーロの代替通貨として認識
スウェーデン・クローネの特徴の特徴についてまとめ
スウェーデンの通貨クローネについてまとめます。スウェーデン経済、通貨の特徴、中央銀行の為替への関わり方って構成でまとめていきます。
スウェーデン経済
スウェーデンの人口は1,000万人弱と小国が多い北欧諸国のなかでは一定の人口規模を持つ国です。北欧らしい福祉国家ですが、高い税負担に対する不満は最近では高まっており選挙結果にも影響を与える要素になっています。
産業基盤も強く、自動車製造のボルボ、世界的な通信機器の大手エリクソンなど大きな製造業が誕生した国です。非製造業でもIKEAをはじめ、H&M(ファストファッション)やSpotify(音楽ストリーミング配信)などの有力企業があります。
ノルウェーのような原油に依存する国ではなく、ある意味で普通の国ですね。
スウェーデンクローナの為替市場での位置づけ
このような普通の国としての位置づけが、スウェーデンクローナに(通貨)ユーロの代替通貨としての特徴を与えています。
ユーロ通貨圏に隣接しており、貿易も活発なので経済の連動性が高く、ユーロに比べ高金利である期間が長い点などから、「欧州に投資したい、でもユーロは財政などいろいろ問題があるので嫌だ」って投資家のニーズの受け皿になっているわけですね。
ユーロ圏と隣接していても、ノルウェーのように原油に依存する特殊な国だったり、ポーランド(ズロチ)などの非先進国だったりすると、それぞれ固有のリスクがあり、ユーロの代替としての役割を果たせないのです。
スイスはユーロ以上の低金利になりがちですしね。
以上のような理由で、スウェーデンクローネは、(スウェーデン経済が良ければ好影響を受けるのは当然として)ユーロ経済が好調の時は上昇しやすい性質を持ちます。
スウェーデンの金融政策
中央銀行
スウェーデンの金融政策を決定しているのはRiksbank(リクスバンク)になります。このリクスバンクは中央銀行なのですが、スウェーデン議会に属する機関という位置づけになっています。
中央銀行の独立性は少し弱めなわけですね。
金融政策の目的
リクスバンクの目的は、物価の安定を目的にしています。
インフレターゲットを採用しており、CPIベースで前年比+2%をターゲットにしています。
金融政策の意思決定
リクスバンクは年間6回、Executive Board of Riksbankを開催し金融政策を議論しています。
Executive Board of Riksbank終了の翌日(日本時間16:30(夏時間)、17:30(冬時間) )に内容が発表され、総裁の記者会見が行われることになっています。
金融政策に関して公表される資料
金融政策レポート:年6回公表される金融政策レポートでは、リクスバンクが適切と考える金融政策を決定するに当たり、分析した内容が記載されます。また、インフレ、成長率見通し、リクスバンクが考える将来の政策金利見通しが 発表されるため、注目度が高い。
リクスバンクの為替政策における位置づけ
リクスバンクはスウェーデン議会に属すると記載しましたが、議会はリクスバンクに金融政策だけでなく為替政策の権限も与えています。そのため、リクスバンクは自らの判断に基づき、為替市場に介入する仕組みになっています。
リクスバンクは物価安定の維持という政策目標と整合的になるように為替市場に介入しスウェーデンクローナ市場に影響を与えることになります。
また、為替介入を行うにあたっては、為替市場の機能維持、持続的な成長や雇用創出などの成長支援というのも、理由になります。
主要国通貨の特徴記事
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