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金融政策の限界と財政政策の難しさ


2月26日 登録

金融政策の限界

現在世界中の中央銀行が採用する量的緩和政策は本来は異端とされる非伝統的金融政策です。それを最も強く批判してきた米国が、リーマンショックの世界金融危機に対応するため、非伝統的な金融政策に踏み切ったとき、多くの人がこれは一時的な緊急避難のための政策であると考えました。

米連邦準備制度理事会(FRB)は現在、バランスシートを積極的に拡大していませんが、バランスシートの規模を維持しており、8年以上も量的緩和を続けているとも言える状況になっています。

また、ECBやスイス中銀なのど主要の中央銀行は、より大胆な量的緩和に踏み切っています。金融危機の影響により、経済や金融システムに強力なデフレ圧力がかかっていることや、状況が回復するまでには長い時間を要することなどから、現在も依然として量的緩和が継続されています。

最も昔から量的緩和政策を続けている日本は、質的量的緩和に変わり、マイナス金利付きになり、イールドコントロールまで導入されました。

しかし、こうした金融政策には限界が見え始めています。

フィッシャー方程式に基づけば、マネー(の流通量)の増加は物価を押し上げるはずですが、主要先進国では物価が上がらないのです。

 

人口動態が大きく変化し、テクノロジーが飛躍的に発展している中で、様々な分野で影響が出ています。

キャッシュ・フローが一部の企業や国に集中しており、貨幣の流通は机上の計算ほどではない可能性もあります。

実際に、滞留している資金の受け皿になっている預金や保険に投じられたお金は、機関投資家(例えば、年金基金や保険会社、銀行など)の投資資金源になります。

しかし増加した資金を機関投資家がうまく運用するのは非常に難しい環境です。

政策的な低金利誘導と溢れるマネーによって債券価格は歴史的な上昇を遂げ、利回りは最低水準です。

そのため代表的な機関投資家である保険会社の合計時価総額は、金融危機前のピーク水準を大きく下回っています。

株式市場が歴史的高値にあることを踏まえれば、保険会社が運用難で深刻な影響を被っていることが分かります。

 

 

このことは、銀行にも当てはまります。実際に、特に欧州を中心に、低金利により収益力が低下した銀行は貸し出しの余力がなくなっています。

銀行システムにおける貨幣の流通速度が低下しており、低金利によって借入や貸出を促進する取り組みは機能しておらず、実際には逆効果になっている恐れもあります。銀行の信用乗数(マネタリーベースの伸びに対して、どれだけの信用を創造できるかを示す指標)はここ数十年で最も低い水準まで低下しており、それと同時に資産の利回りも記録的低水準に達しています。

信用創造が縮小しているため、システム全体の貨幣の流通速度が低下しています。したがって、金融システムの機能が変化していると考えられ、低金利によって経済を活性化することが困難となっているだけではなく、伝統的な信用経路が機能不全に陥り、金融市場の歪みが拡大する恐れもあります。

 

低金利を維持することで、信用に対する需要が拡大し、貸出が増加し、貨幣の流通速度が上昇すると期待するのはもはや適切ではないと可能性があります。現在は金融政策の新たな波及メカニズムが働いており、政策金利は低水準に維持されていますが、意図されたような結果は得られていません。

 

経済成長を促し、インフレ率を押し上げるには、金融政策による対応だけでは不十分であるため、今後は財政政策による対応も重要になると見込まれます。

 


近い将来、金融政策から財政政策へのバトンタッチが行われるかもしれない


日本や英国において金融政策が市場の期待に反するものとなっており、金融政策が分岐点を迎えている可能性があると考えられます。

イングランド銀行と日銀がそれぞれ7月13日と7月29日に金融政策決定会合で公表した政策は、市場の期待を大幅に下回る内容となりました。こ

れを受け、投資家の間では金融政策が分岐点を迎えているとの見方が広がっています。

しかし、金融政策は市場の期待を下回る内容となったものの、政策発表直後において市場はそれほど大きな反応を示しませんでした。

例えば、英国のEU離脱が決定した後の最初の金融政策決定会合で、イングランド銀行は市場の利下げ予想に反して政策金利を据え置きましたが、その決定から1週間半経った時点で、英国のFTSE指数は金融政策決定会合以前の水準を上回っていました。

さらに、同期間において、英ポンド/米ドルの為替レートはそれほど変化せず、英国債のイールドカーブでは10年債と2年債の利回りもほぼ変化しませんでした。

もちろん、イングランド銀行はその後の8月4日の金融政策決定会合で、利下げや量的緩和を含む包括緩和策を決定しました。さらに、日銀が発表した金融緩和策は市場の期待を下回る内容となりましたが、この報道は市場でそれほど材料視されませんでした。

以上を踏まえると、大胆な金融緩和が際限なく続けられることを市場はもはや期待していないように思われます。


米国では約5年間にわたりフィスカル・ドラッグ(財政的歯止め)の影響が出ていましたが、つい最近になって緩和されています。

実際に、国際通貨基金のデータ(2016年7月)によると、米国政府の支出と投資を前年比GDP寄与度の観点から見ると、長期的な平均(1960年から2010年まで)は全体の成長率に対して約0.5%の寄与となっています。

近年ではこの項目のGDP寄与度が一時マイナスに陥っていましたが、再びプラスに転じ始めているため、財政刺激策が経済成長に大きく貢献し始める可能性があります。

また、欧州や日本の実質政府支出も増加しているため、緩和的な金融政策を背景に、成長見通しが改善する可能性があります。

 

なぜ金融政策に頼りがちなのか

なぜ、各国が金融政策に頼りがちなのかと言えば、それは国民負担を伴わない(ように見える)ことでしょう。

金融政策はお金を刷るか、金利を変えるか、なので国民負担は見えにくくなっています。

 

一方で財政政策は、国債の残高増加という分かり易い国民の将来負担の増加があります。

負担とセットになっている以上、無負担に見える金融政策と比べ、財政政策は使いにくいツールになってしまっています。

でも、金融政策は効きにくくなっている

いくつかの中央銀行はここ何年かにわたり、量的緩和を通じて経済活動を活性化させ、インフレ率を押し上げることを目指してきました。

しかし、そうした目的を達成できない一方で、資産価格の上昇や、金融市場におけるボラティリティの低下を招きました。

あふれ出たマネーが、実体経済でなく、金融市場のみに向かっていることが浮き彫りになっています。金融市場に資金が向かうこと自体は、実体経済にとってもプラスです。

資産価格の上昇を通じた押し上げ効果というものが存在するので。

しかし、そうした効果にも一巡感がみられることが、現在の金融市場の不安です。

 

本来ポリシーミックスという言葉があるように、金融政策と財政政策の組み合わせは効果的です。

今後、金融市場にポジティブサプライズがあるとしたら、世界各国が財政支出拡大に動くことでしょうね。