「シェア首位」が最善か、を読んで(電機業界の再生)
私は日経新聞が好きではない。別に、偏向している、みたいな指摘をしたいわけではない。ただ単純にあまり役に立つって気がしないだけ。特にマーケットものは・・・
しかし読まないといろいろリスクがある。新聞に載っていたことを知らずに出社すると、非難を受ける恐れがある。
そのリスクをヘッジするため、今、金曜の夕刊からまとめて読んだが、一つ気になる記事があった。
土曜の朝刊に載っていた
『電機再生「シェア首位」が最善か』って記事だ。
記事曰く、京セラは
・事業の安定性を高めるためにあえて主力と呼ぶ事業を作っていない。
・手がける事業は世界シェア10位前後。
・しかし、アメーバ経営による「採算管理」で創業以来赤字になっていない。
とのことだ。
そして、
巨額投資が失敗したパナソニックやシャープの失敗は再建が思うように進まない
一方で
東芝は集中投資戦略を見直して、裸眼でも画像が立体的に見えるコンピュータ断層撮影装置を発売。三菱電機も家電にコマーシャルを増やした。
だから
「選択と集中」にとどまらず、新たな事業を育てる動きが広がってきた
と結んでいる。
正直何が言いたいのかよくわからなかった。
冒頭の京セラの例は、リスクヘッジの話。東芝と三菱電機の例は成長戦略の話。
シェア首位にこだわらないことが、上記の2つの少なくとも一方に大きく貢献するのだろうか?
私にはとてもそうとは思えない。
京セラのリスクヘッジは「シェア首位」にこだわらないことではなく、事業ポートフォリオの多様性によってもたらされているのだろう。
多様な事業ポートフォリオがそれぞれシェア首位なら、今以上に安定した経営が可能なはずだ。それこそGEのように。
成長戦略にしてもそうだ。新分野の開発費は、既存の高シェアをとっている分野の収益から賄われている。
事業ポートフォリオを多様化する重要性を述べるために、なぜ「シェア首位」をdisる必要があったのだろうか。普通に考えれば「シェア首位」は圧倒的に有利だ。特に製品原価に占めるソフトウェア開発費が高い、スマートフォンみたいな製品ならなおさらだろう。
まあ、これは問題の設定に逃げ道が用意されてて、
最善か
と言われれば、確かに最善とは限らない。
最善に限りなく近いとは思うが、絶対とは言えない。
だからどうでもいいんだ。なんか釈然としなかったから書いてみた。