驚愕の下方修正幅
任天堂が2014年3月期の業績予想を下方修正しました。
売上高は
従来予想9,200億円から5,900億円(▲3,300億円)
営業損益は
従来予想1,000億円から▲350億円(赤字転換
ともう真っ青なレベルの下方修正です
下方修正自体は予想されていましたが、これはマーケットの予想を大幅に上回るレベルの下方修正です。
このニュースを受けて、任天堂の株価は
1月17日(金)日本市場終値14,645円
だった訳ですが、15時15分に今回の下方修正を行ったことで、米国株式市場では大幅下落
1月17日(金)米国市場終値12,439円(ADR)
(ADR:外国企業等が発行する有価証券に対する所有権。アメリカの取引所に上場されている任天堂株式のようなもの)
なんと▲2,206円安の大幅下落です。来週は▲15%安で始まることになりますね・・・
最近では中国のゲーム専用機解禁報道などでポジティブな見方も出ていたのに~
下方修正の原因になったのは次世代ゲーム機の苦戦です。
数量前提は以下のように大幅に引き下げられています。
3DSゲーム機 1,800 万台→1,350 万台
3DSゲームソフト 8,000 万本→6,600 万本
WiiUゲーム機 900 万台→280万台
WiiUゲームソフト 3,800 万本→1,900 万本
第3四半期に「ポケモン X・Y」「スーパーマリオ 3D ワールド」を投入しましたが、特に反転にはつながりませんでした。
任天堂がキラーコンテンツ位置づけているポケモン、マリオをもってしても流れを変えられないところを見ると、本質的な競争劣位に立たされていることが確認できますね~
ゲーム機普及規模が、(より高収益な)ゲームソフトの市場規模につながると考えれば、現在の販売不振は結構いたいなぁ~って思います。
やっぱりライトユーザーの流出が原因
軸足を置いてきたライトユーザー層は、マーケット規模こそ大きいものの非常に移り気です。もともとゲームが非常に好きって訳ではないため、ゲーム以外におもしろい遊びがあればそっちをやるし、ゲームをやるにせよスマートフォンやタブレット向けの無料ゲームで十分って思うかも知れません。
ある意味すごくレッドオーシャンな市場で勝ち抜けるほど、WiiUにも3DSにも魅力がないのかなぁっていうのは結構コンセンサスだと思いますが、それが思いっきり現れちゃった内容なのかなぁ~って思います。
でも社長はやめないよ
やめてほしいともやめるべきとも少しも思ってませんが、岩田社長は業績不振でやめるのは無責任っていう考え方なので引責辞任を否定してます。でも、業績不振の責任をとり役員報酬の減額などを検討するようです。
経営方針説明会で何が出るかな
今回の下方修正でできる(はず)の悪い流れを、変えられる可能性がある最初のイベントは、今月末の「経営方針説明会」になりそうです。
株式市場が一番望んでいるのは、
任天堂が自社タイトルをスマートフォンなどの他プラットフォームに提供する
ってことだと思いますが、ちょっとそこまでやる可能性は低そう。ゲーム機に付加価値がなくなる動きが反転する可能性って低そうだから個人的に是非やってほしいところですが、成功体験が大きいだけにハードル高いでしょうね。
ほかにも、ハードの値下げなどを予想する声もあるようです。今春にWiiU「マリオカート」が発売予定ですしね。
過去、ゲームキューブを$199→$99 への値下げを実施した前例もありますし・・・