どっちの株を売りますか?
米国のテーパリング(金融緩和の縮小)、それにともなう新興国リスクなどで 株式市場全体が調整傾向です(2014年2月2日現在)。
ボラティリティ(株価の変動性)が上がってるし、少し保有株減らして様子をみようかなぁ~ってあなたが考えたとき、どちらの株式を売却しますか?(どちらも最小単位株式保有を想定)。税制は無視してください。
A株式:時価200万円、含み益100万円(取得価格100万円)
B株式:時価200万円、含み損▲50万円(取得価格250万円)
人の行動は確率や期待値より、心理で決まりやすい
有名に実験にこのようなものがあります。
以下のルールに従うときあなたはどちらを選びますか?
ルール1
A、必ず50万円もらえる
B、50%の確率で100万円もらえるが、50%の確率で1円ももらえない
ルール2
A、必ず50万円支払う
B、50%の確率で100万円支払うが、50%の確率で1円も支払わずにすむ
上のルール1もルール2もそれぞれ期待値(期待収益×確率の和)は同じです。でも多くの人は、ルール1においてはA(確実に50万円もらえる)を選び、ルール2においてはB(50%の確率で100万円支払うが、50%の確率で1円も支払わずにすむ)を選ぶことが知られています。
利益は確実に確保したい、損が出そうなときは何とかそれを避ける賭に出たい、ってことですね。
損は小さく、利は伸ばせって難しい
「損は小さく、利は伸ばせ」って格言はありますが、実際はなかなか難しいものです。
持っている銘柄の含み益の時は、その利益を確定してしまいたくなる
持っている銘柄が含み損の時は、なかなかロスカット(損きり)できない
こうした心理的な傾向は、多くの人が持つとされていて、プロスペクト理論などと呼ばれています。
なお、こうした心理的傾向が強くなるのは、リスクの増大が強く意識される状況下とされています。まさに新興国危機におびえている今(2014年2月2日時点)ですね~。
冒頭の質問に戻ると
ル-ル1もル-ル2も、Aの判断は現時点で利益も損失も確定しようという判断です。
そして、Bの判断は、利益または損失の確定を確率にゆだねようとする判断といえるでしょう。
みなさんはどちらを選ばれたでしょうか?
こちらの意図通り、含み益のあるA株式を選んで頂いた方もいるかと思います。
損きりは大事ってB株式を選んだ方は、ある意味大正解なのかもしれません。「損は小さく、利は伸ばせ」って格言を地でいってます。
もっとも、本来的には正解などないのかも知れません。
両方とも時価200万円だから(保有リスクを削減するって目的からみれば)同じなのですから。
であれば、純粋(含み損益の状態にとらわれず)により有望と思える銘柄を残して、有望でない銘柄を売却するのが最も望ましい判断といえるのではないでしょうか?
私たちのコスト(取得価格の水準)って株式市場にとってあんまり関係ないので、判断からは排除するのが望ましいってことですね。
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