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なぜ不安になると円高?円の債権国通貨としての特性



リスク逃避の円買いって 

リーマンショックのような金融危機、戦争・テロ、欧州で起きたような財政危機、このような金融市場において不安心理が高まると、円高になることは経験則からもよく知られている。

北朝鮮のミサイル発射、東北の大震災など日本が当事者になっている危機が起き、円から資金を逃がしたいと思っても不思議では無い状況ですら、円高に結びつく。

 

こうした現象がなぜ起きるか、円相場の基礎として書いてみたい。

外貨を資産の一部に組み込む際に参考にしていただける記事を目指している。

目次

日本円の債権国通貨としての特性

債権国通貨とは

日本は(近年は揺らいできているものの)長年にわたり貿易・経常黒字を続けてきており、海外に多くの資産を持つ。そのため、対外資産が対外債務を上回っている状態である。若干正確性を犠牲にすれば、外国人が持つ日本の資産よりも、日本人が持つ海外の資産の方が多い、と言えるだろう。

そうした国の通貨は債権国通貨と呼ばれる。

こうした債権国通貨の中でも、特に日本円とスイスフランは、通貨に流動性のある債権国通貨として安全通貨としての位置づけが高い。

 

債務国通貨とは

反対に米国のように、長年にわたり貿易・経常赤字を続けてきた国の通貨は債務国通貨と呼ばれる。債務国の意味するところは、先ほどの債権国の反対で、その国の対外債務が対外資産を上回っている状態だ。

 

以下、日本=債権国(日本円=債権国通貨)、米国=債務国(ドル=債務国通貨)として続ける。ただし、ドルは(日本円ほどでは無いにしろ)安全資産としての位置づけを持っているため、新興国通貨と読み替えて読んでいただくとより理解しやすいかも知れない(米ドルをトルコリラと読み替えるイメージ)。

 

債権国通貨と債務国通貨の関係

好景気時の円相場の動き

円相場(ドル円相場)の変動は、アメリカ・日本という債務国・債権国間の資金面の流れとして説明できる部分が大きい。好景気局面に円相場(ドル円)が上昇(外貨が上昇するの意味)する背景では、債務国通貨であるドルが相対的に高まりやすい金利で債権国マネーを惹きつける。好景気時には高金利国のリスクには目が行かない。

こうした傾向はエマージング(新興)諸国によりはっきりと表れていている。

高成長力と高金利によって好景気時にはブラジルなどの中南米やインドネシア・マレーシアなどの東南アジア諸国はエマージングは大人気だ。

 

景気悪化時の円相場の動き

景気悪化や地政学的リスクの台頭などの金融(為替)市場がリスクに敏感になる(リスクオフ)局面は、債務国はファイナンスに支障をきたして通貨が脆弱化し、債権国通貨に対して劣勢になりやすい。
景気が悪化すると政策金利がそれに追随し引き下げられることになり、ドル円相場は日米金利差の縮小に応じて下落する。こうしたパターンは過去の繰り返されてきた。

2007 年から始まるサブプライム問題はその後リーマンショックにつながり、それを契機に米国の景気・金利・株価サイクルはすべて下降した。それと同時に、ドルも同時に下落に転じる。その後、金融危機の後遺症で米金利はほぼゼロ水準に低下し、ドル円も長らく75~80円付近で低迷した。

ドル円相場と金利差の関係


上の表は、日米の短期金利差とドル円の関係を示している。日米金利差が拡大すると、高い金利が選好されドルが上昇しやすくなるのは前に述べたとおりだ。対外債務国通貨は、好景気時には国内の資金が不足しインフレ圧力が高まりやすく、金利上昇スピードが速い。

そのため、高い金利が好まれて債務国通貨の値上がりが実現するのだ 

金融危機以降の円相場の特殊性

そうした観点からは2012年以降は金利・為替の連動が崩れたように見える。これは、米国の量的緩和が影響しており、もはや金利では図れず、中銀の資金供給量が勝負を決める世界に突入していたことが分かる。

米国の量的緩和がそれだけ強烈だったと言うことだ。


そして米国は、2014年には量的緩和を終了、2015年には金利引き上げが見込まれる状況下。一方で日本は、黒田日銀の元で強烈な金融緩和を推し進めている。

足下のドル円相場が、日米金利差から正当化できる状況を大きく上回っている理由はこうした金融政策の方向性の違いに基づくものと理解されるのが一般的だ。

 

国際間の証券投資フローについて

円安は日本売り(日本からの資金流出)、円高は日本買い(日本への資金流入)と考えるのは感覚的に正しそうに見える。

円安時には日本からお金が出ていくわけだから、株価市場からも資金は逃げていく用にも思える(日本の株式市場の売買は変動はあるものの7割程度が外国人によるもの)。

実際に債務国においては、通貨と株価は連動しやすい。

 

しかし、日本においてはこうした直感的な理解とは異なる動きを示す。

2012 年後半からのアベノミクス相場(安部政権への期待による上昇もここでは含める)はまさしくその例として最適である。
アベノミクと黒田日銀の異次元緩和への期待は、急激な円安と日本株高を招いた。円の急落する一方で、外国人は毎月1 兆円以上も日本株を買い越し続けた。すなわち円安になりながら、海外マネーの流入も進んだ。

 

為替相場の方向に反するような、この国際間の資金移動(証券投資フロー)の背景はどこにあるのだろう。

好景気下のリスクオン環境では債権国通貨の円は下落し、日本株も上昇する。

こうした状況下では、外国人は、円安に伴う為替リバランス(国際間の資産配分を守ろうとするバランス調整みたいな意味)の必要もあり、日本株の購入を増やす。

そしてまさに日本株の誘因となった円安に備えて、既保有の日本株に対する為替ヘッジを増やす。この時、ストックとしての保有日本株に対する為替ヘッジ(円売り)は、フローとしての日本株の新規購入(円買い)がぶつかり合うことになる。これが、円安+日本(株)への資金流入の一つの説明である(当然これは株式市場と為替市場の関係に限った話であり、すべては説明できない)

 

もう一つの説明は日本人投資家の動向だ。

日本人は特に逆張り的な投資行動は好むことで知られており、それは株式市場においても、為替市場においても変わらない。
そのため、日本人は、円安が進むと、新たに為替投資を増やすより、既保有の外国証券(資産)を売却し利益確定を行いやすくなる。そしてそれは、(債権国として)保有していた資産の日本への資金の巻き戻しを意味するため、円安と資金流入が同時に発生する要因の一つと言える

 

なお、若干は話が変わるが、東日本大震災時は日本人が保有する海外資産を国内に巻き戻すという観測が(主に外国人の間に)広がり、円高が進んだ(実際の資金巻き戻しはほとんど起きなかった)。こうしたことも債権国通貨の特徴と言えるだろう。

円は金利ではなく、リスク許容度で動く

ここまでの特徴を整理すると、円は金利に反応しにくい通貨であることがわかる。通常は自国の通貨が上昇すれば、通貨価値は上がりやすい。しかし日本は低金利が続く国であり、多少の金利上昇には円相場は反応しない(相手国の金利には反応する)。

 

円相場の債権国通貨としてのまとめ

かなり長くなったので、最後に記事の内容をまとめる。

・円は債権国通貨だよ

・債権国通貨は景気悪化や危機時に上昇しやすいよ。

・債権国の金利は上がりにくく、債務国の金利は上昇しやすいよ。

・(外人の為替ヘッジのせいなどで)円安と資金流入が同時に起こりうるよ。

すこしでも長い間、円には債権国通貨として地位を維持して欲しいと思っています。

 

 

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