円高・円安の意味
為替市場に関する最初の関門って円安と円高の意味ではないでしょうか?
通常、1ドル110円が1ドル100円になるのって円高なわけですが、わたしは子供のころこの関係が全く逆に思えて、親に質問したことが思い出されます。
110円が100円になるのって数字が小さくなっているから、直観的に小さいってことが安いに結び付いて、円安って思ってしまうんですよね。
もちろん本当は
1ドル100円→1ドル120円 円安
1ドル100円→1ドル 80円 円高
です。
円安とは、ドルなどの外国の通貨に対して、円が安くなることを示します。相対的な価値の減少なので交換比率である為替レートが、1ドルを得るのに円がより多く必要になったってことですね。
だから、1ドル100円だったドル円レートが、1ドル120円になった場合は円安ドル高です。1ドルが今まで100円で買えていたのに、120円必要になったってことなので、円の交換レートがドルに対し悪化しているわけですね。
このように考えれば、理解しやすいですが、そもそもこの話の本質的なわかりにくさってって何かなって考えたとき、為替レートの表現方法と円高・円安の表現方法の基準がずれているからかな~って思いました。
分かりにくいのはドルベースの表現と円ベースの表現の混在が原因
1ドル●●円 という表現は、
「1ドルの価値が、円で計測したときいくらか」、という意味なのでドルを基準に考えていることになります。
一方で、円高・円安って表現は円が基準の考え方です。
そのため、1ドル100円が120円に上昇するって数字の大きさのイメージと、実際の円の価値の減少っていうイメージがまるで逆になってしまうんですよね。
ドルベースの表現(1ドル●●円)で、円ベースの「円高・円安」を考えることになっているから誤解が生まれやすいってことです。
だから、基準を揃えてあげれば分かり易くなりそうです。
「円高・円安」が円ベースの表現なので
1円●●ドルって考えれば、結構すっきりとわかります。
1ドル100円なら
1円0.01ドル
これに対し
1ドル120円なら0.00833ドル 円安
1ドル 80円なら0.125ドル 円高
ですね。下の図のようになります。
このままだと、小数点以下の桁数が多いので少し、分かりにくい。そのため、100円ベースで考えたのが、以下の図です。ただ、上の図を100倍しただけです。
いかがでしょうか?1円(100円)の価値がドルでいくらなのかって見ると、少し分かり易くないでしょうか?
100円が0.833ドルなのか1.25ドルなのかで考えると、数字の大きさと円の価値の上昇ってイメージが合致します。
現実にはドル円のレートはドルを基準に表記するっていうのが為替市場の慣行なのですが、為替レートってただの交換比率ってことですので、理解を深めるためにこういった説明もあるかなって思いました。
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