外債の金利とスワップポイントの違い
FXで高金利通貨を買うことで、スワップポイントと呼ばれる金利収入を得ることが出来ます。これは、海外の高金利を享受しているということであり、海外の債券に投資して金利を得ていることに近い意味を持ちます。
ただ、両社には明確な違いがあるので、その差って何ですかってことについて説明してみます。
以前、外貨預金とFXの違いについて説明しましたが、今回はその外債版として書きました。
外債の金利のイメージ
下の図は海外の金利のイメージです。
金利は通常このように長期の金利になればなるほど高くなるって形状が一般的です(将来の金融政策の織り込みによっては、異なる形状をとるが今回は関係ない)。
上の図が海外の金利だとしたら、この中で好きな年限の金利を選んで投資するのが、外債投資ですね。
リスクを取りたくない人は、短い年限の金利(債券)を選べば、債券の満期時にちゃんとお金が返ってくるリスク(償還リスク)や金利の変動によって債券価格が下落するリスクが抑制(デュレーションって性質によって長い年限ほど金利変動に伴う価格変動が大きい)できます。その反面として、得られる金利収入は短くなるわけですが。
反対に長めの年限の金利収入を得たい人は、高い金利が得られる一方、償還リスクや価格変動リスクが大きくなるわけですね。
例えば外債投資で9年債の金利を選ぼうとしたら、下の図のように1%の金利収入を得ることになります。
スワップ金利のイメージ
下の図はスワップ金利のイメージです。左のグラフが海外金利(買い持ちにする金利)、真ん中の金利が自国金利(売り持ちにする金利)だと思ってください。
そして、一番右の青色の部分がスワップ金利のイメージです。
海外の短期金利ー自国の短期金利=スワップ金利
ってことですね。
スワップ金利は「短期金利の差」と説明しましたが、これは「政策金利の差」に影響を受けているものの、必ずしも同一ではありません。金融市場を通して、各金融機関が提供可能な短期金利の差って表現がより正確です。
そのため、スワップ金利はFX業者によって異なりますし、毎日変動します。
外債の金利とスワップ金利のまとめ
・外債投資とは、海外の好きな年限の金利を得られる。すなわち、長期の金利も得ることが出来る。
・スワップポイントは、両国の短期金利の差が金利収入として得られる。
・そのため、一般に外債投資の方が、多くの金利収入が得られる。
・外債から得られる金利収入は固定、スワップポイントは毎日変動(ただし、短期金利の差に基本的には基づいている)
・為替リスクがあるのは両社とも同様。
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