ムーディーズが格上げ
メキシコは堅調な米経済の恩恵を受けやすい地域にあり、また非常に改革志向の強い政権が好感され、有望な投資先とみられています。
そのメキシコの格付け(長期外貨建て債務の格付けと長期自国通貨建て債務)を、アメリカの格付会社ムーディーズが、従来の「Baa1」から「A3」に 1段階引き上げました。
ムーディーズは、格上げの理由として
・同国の潜在成長率が現在の参照値である年+2~3%から同+3~4%に次第に上昇するとみられること
・今後数年で財政基盤の強化が見込まれること
・シングル A格の他の国々と同等の信用力を持つこと
等を挙げています。
以下にメキシコの魅力をまとめます
安い労働力が豊富でアメリカにも近いため製造業やるのに便利
メキシコは1.2億人の人口に支えられているため豊富な労働力に恵まれています。また雇用市場が柔軟で非正規労働者の割合が高いこと(日本人的には不幸にも思えるけど現地の文化とかよくわからないから何ともいえない)もあり労働力が安いです。
また、自由貿易協定国が多いことに加えて、世界最大の需要地であるアメリカのお隣さんなので輸出拠点として魅力的。
日本だと自動車メーカーやそのサプライヤーが積極進出しているように、製造業の拠点として非常に魅力的です。
シェールガスの鉱脈があるよ
実はシェールガスの鉱脈はメキシコまで延びてます。
アメリカがシェール革命活かして化学系の製造業の立地先としての魅力を高めているように、シェールガスはプラスチックにも転換できるのでうまくいかせればとの期待が大きいです。
ただ1つ問題がある模様で、メキシコのエネルギー分野は国営企業の PEMEX(国営石油公社)が独占しています。その非効率性からメキシコは石油が埋蔵しているにもかかわらず、米国からガソリンを輸入しています。この辺は不安ですね。
改革志向の強い政権
メキシコの現政権(PRI)は、改革志向が強く、国際的な評価が高いです。大統領も40代と若い。
新興国にありがちな国営企業の非効率性っていう課題を抱えるメキシコにとって改革志向の強い政権に率いられていることはポジティブでしょうね~
そんなメキシコに投資するには
メキシコに投資するには、比較的やりやすい方法として海外ETFを通じて投資する方法があります。
SBI証券から投資できる2本のETFをご紹介。
シェアーズ MSCI メキシコ・キャップト ETF
商品案内:
MSCI メキシコ IMI 25/50 インデックスによって測定されるメキシコの市場で取引される証券の価格および利回り実績と同等水準の投資成果(報酬および経費控除前)に連動する。
管理報酬:0.53%
運用会社:ブラックロック・ファンド・アドバイザーズ
iシェアーズ ラテンアメリカ 40 ETF
商品案内:
S&P ラテンアメリカ40インデックスによって表されるメキシコおよび南米の企業の株価および利回り実績と同等水準の投資成果(報酬および経費控除前)に連動する。
管理報酬:0.50%
運用会社:ブラックロック・ファンド・アドバイザーズ
両方とも管理報酬がけっこう安いところがいいかなって思いました。
新興国なのでボラティリティ(価格変動性)は高いんですけどね~
2017年トランプ政権誕生
2017年にトランプ政権が誕生したことで、メキシコは一転ピンチを迎えています。
新興国のなかで、最も優等生と呼ばれていましたが、それは米国との親密の関係が評価の一部をしめていました。
それが、トランプ米大統領は米国の雇用に着目して、メキシコをやり玉に挙げたので、同国への投資の先細りが懸念されています。
これによって、メキシコペソは急落したので投資タイミングとも見れますが、これまでのような優良新興国としてというよりは、バリューに着目しての投資となりそうです。