FXとは?外国為替証拠金取引の仕組みをまとめた
FXとは何か?についてまとめ
FXの基本的な仕組みを誰でも理解できるように解説してみます。
よくある疑問や誤解が解消するようになるべく丁寧にまとめました。
FXとは外国為替証拠金取引のこと
FXとは外国為替証拠金取引のことを指します。
FXの言葉の由来は、Foreign exchangeの略なので「外国為替」と幅広い意味になるのですが、日本では外国為替証拠金取引のことを指すのが普通ですね。
ちなみに海外だとフォレックス(Forex)などと言ったりしますが、これもForeign exchangeが由来になっていますね。
FXとは証拠金を使うことがポイント
外国為替証拠金取引というと、「外国の通貨を売買こと」ってざっくり理解している人もいるかと思います。
図解するとこんな感じでしょうか。
外国為替取引のイメージとしては、こんな図ですよね。
たしかにその通りなのですが、外国為替証拠金取引なので、証拠金を使うってことがポイントになっています。
10万円の証拠金を用いて、FX取引を行った場合を図解します。
ポイントとしては
- 証拠金を使っている。
- 日本円は借りている
- 借りた日本円(日本円を売っているのと同じ意味)を使ってドルを買っている
この図はFXの基本概念なので、FX初心者の方はぜひ理解してください。
証拠金を使うことで持っていない外貨を売ることもできる
この仕組みをみてもらえたら、「FXとは日本円に対して(を使って)外貨を買うまたは売ること」って説明は正確でないことは分かりますね。
図では、日本円を借りていますが、日本円ではなく豪ドルを借りて米ドルを買うこともできるわけです。
その場合の取引は、豪ドル売りの米ドル買いになりますね。豪ドルが米ドルに対して値下がりすれば儲かるって取引になります。
ちなみに図のままだと、円売りドル買い(UDSJPYロングなどと言ったりする)になるので、ドルが日本円に対して値上がりすれば儲かる取引(ポジション)になります。
正しい:FXとはある外貨(日本円含む)に対して異なる外貨を買うまたは売ること
誤り :FXとは日本円に対して外貨を買うまたは売ること
証拠金を使って外貨を借りる(売る)ことで、日本円だけでなく保有していない外貨を売ることができるのです。
証拠金を使うことによって生まれるレバレッジ
先ほどの図を再掲します。
証拠金が10万円なのに、100万円分の取引を行っていることがわかると思います。
FXが証拠金取引であることによって、レバレッジを掛けられることが分かりますね。
ちなみにレバレッジとは梃(てこ)のこと、なんてよく言われますが、少ない元手(10万円)で大きな金額(100万円)を取引できることを指します。
少ない元手(10万円)に梃(てこ)がかかって、大きな金額(100万円)になっているわけですね。
この場合のレバレッジは、
実際に投資した金額である(100万円)÷証拠金の金額(10万円)=10倍
ということになります。
ちなみに日本の金融規制上の上限レバレッジは25倍なので、10万円の証拠金を使うなら250万円分の外貨を取引できることになります。
FX口座に10万円振り込んだら250万円まで取引させてもらえるわけですね。
ちなみにレバレッジを全く用いない場合は、以下の図のようなイメージになります。
この場合、外貨預金のような取引になります。
以下の参考記事をお読みいただければ理解が深まるかと思います。
FXの利益はどこから生まれるの?
FXの利益は以下の2つの要因から発生します。
為替差益(為替の価格変動による利益)
FXの利益の一つ目は為替差益です。
為替差益っていうと言葉は聞きなれないかもしれませんが、為替が価格変動することによって発生する利益って意味です。
1ドル100円の時にドルを買って
1ドル105円の時にドルを売れば、5円分儲かりますね。
100円しか使ってないのに、105円になって戻ってきたわけですから5円分が利益になるわけです。
これが為替差益です。
スワップポイント(金利収入)
金利が高い通貨を買うということは、金利の高い通貨を保有するということです。
金利の高い通貨を保有しているなら、その高い金利はもらえて当然ですよね。
ただしややこしいのはFXがお金を借りて、外貨(この場合は金利の高い通貨)を買っているってことです。
お金を借りたらその分のお金は支払わなくてはなりません。
だからFXにおける、金利の収入というのは
買い持ちしている通貨の金利 ー 売り持ちしている通貨の金利 = 金利収入
ってことになります。
この金利収入がスワップポイントです。
豪ドル円を買った場合のスワップポイント以下のイメージです。
FXで損が出たらどうなるの?
利益の出方を解説しましたが、当たり前ですが損失が出ることもあります。上記の利益の元が、反対になった場合(為替差損がでる、スワップポイントの支払いになる)は損失が出ることになります。
そうした場合はどうなるのでしょうか?
1ドル100円でドル円を買ったら95円になってしまったようなケースですね。
この場合の損失は、証拠金から差し引かれることになります。
FX業者にとって、投資家が振り込む証拠金は、投資家が損を出した場合に補てんする資金なんですね。
証拠金が足らなくなったら
損失分は証拠金で穴埋めすると説明すると、証拠金が足らなくなったらどうなるのだろうと思う方もいるでしょう。
その場合は、追加で証拠金を入金する必要があります(もしくは売買を決済する)。
この追加の証拠金のことを追証(おいしょう)と言います。
追証はFX投資家にとって最も怖い言葉かもしれません。
本当の最悪は、証拠金が足らなくなって口座がマイナスになってしまうことですが。その場合は、マイナスになった口座をゼロまで戻さないいけないので、FX会社に入金しないといけません。
投資するためでなく、マイナスを解消するためだけに入金するなんて最悪すぎる・・・
こうした事態に陥るのを予防するためにFX会社では、マージンコールやロスカットというリスク管理の仕組みを用意しています。
FXの税金は
損の話はこれくらいにしておいて、また利益が出た場合の話に戻しましょう。
FXでも利益が出たら、税金を納める必要があります。株式取引の利益や配当、預金金利などと一緒ですね。
FXの税金をほかの金融商品と比較した図を載せます。
FXの所得は法律上、「申告分離課税」に分類されます(所得税法上の雑所得)。
申告分離課税のため、どれだけ稼いでも税率は一定です(累進課税の対象でない)。
通常は税率20%(所得税15%+住民税5%)なのですが、現在は復興特別所得税0.315%が上乗せされています。
また、先物取引やその他の金融商品と損益通算を通算できる(損と利益を相殺して所得額を抑えることが出来る)という特徴もあります。
なお、損失を出してしまった場合は3年間の繰り越しが可能なので、次の年リベンジで利益を稼げれば納税額を抑えることが出来ます。
FXはいつ取引できるの?
FXは243時間取引できます。世界中の人が常に外貨を取引したいってニーズをもっているので、24時間対応なわけです。
常に取引できるって仕組みは、取引所を作って売買をそこに集中させるって方式を採っている株式などの金融商品ではありえない仕組みですね。
実需から生まれているマーケットであることが、端的にわかると思います。
24時間取引できることから、サラリーマンの仕事終わりや主婦(ミセスワタナベ)が家事の空き時間などに取引できる、というのがFX人気に一役買っています。
FXはどれくらいのお金があれば始められるの?
FXは意外に少額で始めることが出来ます。一般的な取引単位は1万外貨単位なので、ドルなら100万円程度です。ただし、証拠金取引の仕組みを使っているので、最大レバレッジの25倍を用いるなら4万円の入金で100万円分のドルを取引できます。
さすがに常に25倍レバレッジでやるのは心配なので、もう少し入金して余裕を持つべきですが・・・
しかし、FX会社によっては1000通貨単位の取引もできます。そうなるとドル円で10万円程度の取引になるので、敷居はぐっと下がります。
なかには1通貨単位での取引が可能なFX会社もありますので、デモトレードの代わりに活用してみても良いでしょう。
FXには手数料はあるのか?
金融商品は通常、業者の利益の源泉になる手数料がかかります。
でもFXは手数料は取られない仕組みになっています。
それではFX業者がどうやって利益を出すのか心配になる優しい人もいるでしょうが、心配はいりません。
FXでは、取引価格が売り買いで異なります。
ドル円買いレート:100.10円
ドル円売りレート:100.05円
のようになっているわけですね。
買いは高く、売りは安く値段が設定されているのです。
大勢の投資家が、売買を交錯させている状態をイメージしてもらうと分かり易いのですが、FX業者は買い手には100.10円で売って、売り手からは100.05円で買うので0.05円分安定して儲かるわけです。
この、買いレートと売りレートの差額をスプレッドというのですが、コストの安いFX業者を探す場合はこのスプレッドが狭い(小さい)会社を探すのがまず第一です。