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マイナス金利導入で上昇しやすい株、業種は



マイナス金利がやってきた

1 月 29 日、日本銀行は「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入を決めました。

今回の導入でそもそも株価はあがるのか、上がるとしたらどの業種がいいのかについて考えてみます。

 

マイナス金利導入発表後、日経平均は発表直後の急騰、急落を経て、最終的には前日比 476 円高の 17518.30 円で終了。業種別には不動産、証券が騰落率上位に来る一方で、銀行が下落することになりました。

 

銀行がダメなのは分かりやすい。付利のマイナス金利化で資産運用面で大きな打撃を受けるからです。特に地方銀行は非常に厳しい。以下にまとめています。

 

欧州の事例、必ずしも一本調子で上昇はしなかった

マイナス金利をいち早く導入した欧州の例を見てみてみます。2014年6月に、ECB(欧州中央銀行)が預金ファシリティ金利をマイナスに引き下げました。

今回の日銀のマイナス金利に相当します。

ただ当初、株式市場はこれをきっかけに株式を買い進むという反応はしませんでした。マイナス金利実施から、60 日間たっても欧州株は世界株を▲5%近く下回ったままでした。

しかし、欧州株も2015年1月の量的緩和が導入されるとトレンドは反転。欧州株は上昇に向かうことになります。

日本の場合、すでに量的緩和は導入されていますね。

そのため、現在のように海外景気や資源価格など外部環境が悪い状況では一概には言えないものの、株価が上昇するための政策的な対応は揃っているといえると思います。

 

業種別ではやっぱり、不動産、リートかな

金融政策決定会合後の記者会見で、黒田総裁は「通貨をターゲットにしたものではない」と述べています。

しかし結果的に円高懸念は後退し、円安が進展。

これが輸出企業の業績にプラスになることは確実です。

 

でも、最も影響を受けそうなのは、不動産セクターとリートだと思います。

負債の調達コストが下がるメリット

不動産業やリートは負債を積極的に活用して、レバレッジを効かせる業態です。

リートならば、自己資本が仮に1000億円だとした場合、自己資本のみでは不動産を1,000億円分買うことができます。そこから入る賃料収入が、株主(厳密にはリートは株ではないので、投資口の保有者)の利益になります。

それが借金をすれば、2,000億円の物件を買うことができて、そこから分配金を出せるため、株主はより多くの分配金を得ることができます。それが負債を活用し、レバレッジをかけるメリットですね。

 

詳しくは以下の記事をお読み下さい。

負債を調達して、レバレッジをかければ、当然借入金の負債は増えます。

しかし、この金利が現状は低廉です。

さらにマイナス金利導入で、銀行は貸出先の確保に必死になるでしょう。

リートのように、価値のある現物を抱えてる貸出先には(倒産しても不動産を売って弁済が受けられる)、一層金利が下がることが下がることは間違いないでしょう。

 

不動産の価値が上昇するメリット

金利が低下すれば、不動産の価値は向上します。

なぜかといえば、不動産の価値は、不動産から得られる収入をどのように評価するかで決まるからです。ちょっと抽象的な表現になってしまいまったの具体例を出します。

年間1億円の賃料収入が得られる不動産があったとします(賃料は変動しない前提)。この不動産の価値は、(無リスク)金利が10%の世界では、どんなに高く見積もっても10億円の評価しかできません。

10億円あれば、無リスクで1億円の金利が得られるわけですから。

 

一方で金利が1%になったとします。この場合、最大で100億円で評価できます。

最大値ベースの比較ですが、金利が変動することで、これほど不動産の価値は変動します。

今回のマイナス金利導入で、不動産の価値自体が上昇することになります。

 

金利との対比の観点

ちょっと上の内容に似ているのですが、金融資産同士は相互に価値を決め合っているような面があります。

無リスクの国債が十分な金利を提供してくれるなら、リスクのあるリートや株式でお金を運用しようと思う人は減るでしょう。

現在、逆に金利が低ければ、リスクのある株式や不動産市場に、利回りを求めてお金が流れ込むことになります。

なかでも、リートは(性質上はエクイティ、資本であるものの)利回り商品と認識している投資家も多いため、高い配当利回りを求めて資金が流れ込みそうです。

 

この辺から、リートが強い動きになっているのも納得ですね。

 

マイナス金利対策でリートを買うのにおすすめの証券会社比較記事を書きましたよ。

 

参考記事