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FX初心者向けまとめ解説(株式投資もあるよ)

FX初心者向けに投資情報を分かり易くまとめて解説しています。FX口座に対するレビューや通貨毎の特徴もまとめてありFX入門者にも使いやすいサイトを目指します。株式投資情報もあるので幅広い投資知識を提供します。

米国の政治情勢、大統領選とドルの関係

FX FX-主要通貨の特徴


ドルが政治的な対立に対してどう反応するか

ドルは覇権国通貨であり、世界的な政治的対立から自由にはなれません。

「政治的対立」は、ワシントン・コンフリクトなどと呼ばれます。

これには二国間の貿易摩擦および、債務上限や政府機関の閉鎖等の財政関連の対立などが含まれます。

米国は大統領の権限が大きい国です。大統領が変わるタイミングではそれまでとの政治的な断続が生まれるので、コンフリクトも高まりがちです。

今回は米国の政治情勢がドルに与える影響をまとめます。

 

米国政治と金融政策

中銀人事には上院の過半数を握っている政党が大事

米国上院は、FED議長、副議長、理事の人事の承認の権限を持っています。そのため、大統領を題している党と別の党が上院の過半数を占めている場合、たとえば民主党の大統領なら共和党が過半数を維持するような場合、共和党に受け入れられるような人選になる可能性が高い仕組みになっています。

大統領選と金融政策の関係

金融緩和は、現職・与党支援になり、引き締め政策は現職、与党に不利となるため、政治的中立性を保つために、投票日近くのFOMC(米連邦公開市場委員会)ではFRBが政策変更を手控えると言われています。

一方でそれを覆す事実もあります。2012年の大統領選挙では、バーナンキという決断力に富む議長に率いられたFRBは、9月12・13日のFOMCにおいて、量的緩和第3弾(QE3)を決定しました。

実は1972~2008年の過去10回の選挙のうち、大統領選直前(8~11月)に金融政策の変更が無かったのは、1996年と2000年の2回のみです。

こうした変更が可能なのなのは実は金融政策が大統領選に影響しないからではないかとも言われています。

事実、1976年、1992年、2008年の選挙では、金融緩和が行われ、現職・与党に追い風となるはずだったが、政権交代が起こっています。

1988年、2004年は、逆に、金融引き締めが行われていたが、与党候補の勝利、現職の再選となり、必ずしも不利には働いていません。

 

大統領選を根拠に金融政策を予想する人の意見は、割り引いて聞いていた方が良いでしょう。

 

歴代大統領と金融市場

過去50 年間に民主党政権下と共和党政権下で米国経済や主要市場のパフォーマンスがどう違ったかについては、一定の傾向があると言われます。

 

政権によってどの資産が有利かについては明らかな傾向がみられます。

 

株式市場のパフォーマンスは、共和党政権下より民主党政権下での方が遥かに堅調になります。共和党時の平均年間上昇率5%にたいし、民主党政権下では12%の上昇です。

しかし、これはクリントン政権下でITバブルが発生したことで数値が歪んでいることには注意が必要です。金融市場にかかわる人の意見では、実績と反対に共和党政権時の方が株価が上がりやすいと考えている人が多いことは注意が必要でしょう。

 

大統領選で株価と為替は上がるのか

大統領選に絡んでドルと株価が上昇するという意見があります。

実績はそこまで単純ではありません。統計的に優位な差がみられていません。

しかし、株価や為替の動向が、大統領選の結果をある程度左右している面はありそうです。

株価が横ばい、低迷ないしは、下落をしている時は、総じて、新人候補が勝利し、政権交代が起こっています。オバマ大統領が誕生したのも米国の金融危機がきっかけでした。

一方、大統領選前から株価が上昇している場合には、おおむね現職、与党候補が勝利する傾向があります。米国大統領は普通は2期やれるものなのです。

 

米国の政治と為替市場

米国大統領の政策は為替市場に影響を持つとみられています。ドルと大統領政策の関係を見ていきましょう。

レーガン大統領時代の実質ドル切り下げ

レーガン政権時代には対GDP 比2.5%という当時としては記録的な経常赤字を受け、1985 年のプラザ合意により(保護主義的な法律ではなく)為替介入やFRB の利下げが米ドルを過去最高水準から引き下げる事となりました。

その結果、ドルはその後の3年間に貿易加重ベースで30%下落しています。

クリントン時代の対日圧力

クリントン大統領時代からわたしのなかでは記憶にとどまっている時代になります。

子供のころの記憶では、しょっちゅう米国が日本に圧力をかけているイメージがありました。

1993 年、クリントン大統領は1990~91 年の景気後退後の米国経済に弾みをつける方法として、大統領に就任後100 日以内に貿易問題を提起しました。

6 ヶ月以内に日本の自動車業界はG7 サミットの議題となり、1995 年5 月に米国は日本の高級車に100%の関税をかけることを決定します。

こうした圧力に配慮した政策を日本側が採ることで、クリントンの就任から1995 年6 月の紛争解決までにドル円レートは30%超下落しています。

ブッシュ大統領の提訴

2000 年、ジョージ・W・ブッシュ候補はオハイオ州及びウェストバージニア州の有権者に鉄鋼業への支援を約束しました。
ブッシュの就任からわずか6 ヶ月後の2001 年6 月までに米国は欧州鉄鋼業の調査を開始、2002 年3 月までにEU からの鉄鋼輸入に8%~30%の関税を課しました。

欧州は米国をWTO に提訴、2003 年7 月にWTO は米国の敗訴を決定、米国は年末までに鉄鋼関税を撤廃することになります。

ブッシュの就任から係争の終結までにユーロドルレート(上昇すればユーロが上昇、ドルが下落)は40%超上昇した。

米国大統領の中国へのスタンス

トランプ氏の7 つの選挙ポジションの一つに「米中貿易改革」と呼ばれるものがあります。

これは、政権発足初日に中国を通貨操作国と宣言することで、不公平とされる中国の貿
易慣行との対決を宣言しています。

中国からの輸入品に相殺関税を課すプロセスの第一歩とみられています。

為替政策の言及は、クリントン氏も行っています。

クリントン氏は今年のニューハンプシャー州の予備選で、TPP に反対であることを表明しました。

クリントン氏が選挙戦で掲げる31 のissues の「製造業」に関するものは、大統領直属の主席貿易検察官(Chief Trade Prosecutor)ポストの新設、貿易取締官の人数を3 倍増、「中国の不公正」との対決及び中国による「為替操作」への対処を約束しています。


中国がなぜ米国の標的になるかは分かり易いでしょう。中国に対する米国の年間貿易赤字額の約3,500 億ドルは、対欧州の赤字(1,300 億ドル)の3 倍近く、対日本、ドイツ、メキシコの赤字(それぞれ600 億~700 億ドル)の5 倍です。

対韓国(300 億ドル)の11 倍、対カナダ、台湾(150 億ドルの)20 倍超です。

 

米国GDP 比で見ると、中国の対米黒字は1994 年~95 年の日米自動車摩擦時の日本の対米黒字の2 倍です(現在の中国は2%、20 年前の日本は1%)。

かつて日本が経験した以上の強烈な圧力を中国に掛けることは必然でしょう。

 

米国と貿易摩擦、為替市場には金利差が重要なため結果は複雑

米中対立は日欧に漁夫の利、でも金利差も絡むので結果は予見しがたい

米中の二国間の貿易摩擦が再浮上する可能性が高いのであれば、円、ユーロは(少なくとも対人民元では)下落する可能性が高そうです。

他の通貨ペアの見通しはなんとも複雑。先ほど述べたように、貿易摩擦が進展する中、ドル円は1993 年1 月~1995 年半ばにかけて30%下落しました。

 

クリントン当選前の1990 年代初期、ドル円は大幅な値動きを示したが、こうした動きは日米短期金利差と密接に連動していました。

金利と為替の関係についてはこの記事を参照ください。

2国間の金利差というのは通貨間の相対的な価値そのものなので、FX市場には決定的に重要です。

例えば、米国の景気後退中にFRB が緩和した結果、ドル円は1990 年から91 年にかけて下落しました。しかし、その後米国経済が改善し、金利差が再拡大するにつれドル円は下落幅を多少回復することになります。

しかし、金利差と為替の関係も常に一定ではない

2国間の金利差というのは通貨間の相対的な価値そのものなので、FX市場には決定的に重要です。

しかし、常に金利差と為替の関係が安定的であるかといえば、そうとは言えません。

 

1993 年半ば頃に金利と為替の相関は崩れ始め、1994 年のFRB の引き締めサイクルの前とその最中に金利差が3 年間ほどドルに有利に変化したにもかかわらず、ドル円は下落傾向を続けます。

そのため、金利差で見たドルと円の相対価値は、1993 年半ば及び1995 年半ばには、米ドルは日米金利差対比で約20%過小評価でした。これは、金利差と為替がそれだけかい離していたことを意味します。 

 

 

ちょっと話が散漫になってきたのでこの章をまとめると、ドル円は(常にではないにせよ)金利差との関係が深くそれが不確定要素になるものの、米国が人民元改革を要求することは、円やユーロへのプレッシャーを下げることにつながるとみられます。

まとめ

  • ドルは政治との関連性が強い。
  • FED要人は米国上院が任命する(金融政策への関与は上院選が重要)
  • 大統領選で株価や為替が上がるとは限らない。しかし、上がっていなければ新人が勝ちやすい。
  • 米国は覇権国なので、相手国に通貨切り上げのプレッシャーをかけると、その圧力は成功しやすい。そのため、大統領が変わったら、その人物の為替政策は重要。