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この損失って誰もの?日東電工インデックス買いの恐怖



 

9月25日に、日東電工が日経平均株価に新規採用されました。

その25日とよく26日の動きがとてもひどい。f:id:ikahonokaho:20130926214738p:plain

まず25日。載せたチャートが日足であるため、わかりにくくて恐縮なのですが、この日の上昇は、マーケットが引ける一瞬のうちに起きた上昇でした。

この急激な上昇を演出したのは、インデックスファンド買いと呼ばれる特殊受給です。

そもそもインデックスファンドとは、日経平均株価やTOPIXなど株式指数に連動するように設計されたファンドのこと。

そのため、インデックスファンドの運用者は、如何に運用成績を向上させたか(利益を上げたか)ではなく、如何にファンドをインデックスに連動させたか(トラッキングエラーを小さくしたか)、で評価されます。

 

ということは、今回のように新しく指数(日経平均株価)に組み込まれる銘柄が出ると、その日の終値で購入したい、というニーズが出てきます。そうすれば、その日の終値と自分の購入価格が等しくなるため、インデックスとの連動性が高まるからです。

 

こういった投資行動をとるファンドの規模が限定的なら、特に問題ありません。

しかし、みんなが同じ行動をとると・・・。

 

日東電工は指数への影響が大きい値嵩株(日経平均株価算出法の欠陥で、採用銘柄の株価が(ほぼ)単純平均して算出される)であるため、25日のインデックス買い需要は2,000万株程度あったと見られています。

 

一瞬で、日東電工ほどの大型株がストップ高に張り付いて、取引終了。インデックス買いのすさまじさです。

 

 

そしてさらにひどいのが翌日の値動き。当然といえば当然ですが、インデックス買いという特殊要因がなくなったため、見事に急落しています。

 

この一連の値動きで損をしているのは誰でしょうか?

 

それは、インデックスファンドに投資している人です。

日東電工を25日のストップ高で購入し、それが翌日に急落する。これはそのまま、日経平均株価という指数のパフォーマンスの悪化要因(同時にインデックスファンドのパフォーマンスの悪化要因)となっています。

本日の日東電工の下落だけで、日経平均を30円以上押し下げており、日経平均型のインデックスファンドを購入した人の損失となっているのです。

 

インデックスファンドへの投資は、アクティブリターン(銘柄選択などによるリターン)を継続的に獲得することは不可能、と考えれいる投資家にとって魅力的です。

また、インデックスファンドには、運用報酬が低いというメリットもあります。

 

しかし、こうした、見えないコストを支払っていることも同時に考えるべきでしょうか。

 

 

この記事の目的は、上記のコストの指摘です。

 

こうした値動きを収益機会にしましょうって記事にしなかった理由は、今回のようなに、きれいにインデックス買いのパターンが出ることはけっこう珍しいことだからです。

こうした特殊受給を利用した売買は比有名で、「イベント投資」などと呼ばれて収益機会に利用する個人投資、機関投資家は数多く存在します。

こうした投資家は、「イベント」をにらんで、事前に買っておき、インデックス買いにぶつけるように売る、という戦略をとります。みんなが同様の戦略をとった時の恐怖は推して知るべし、ですね。

「イベント投資」の売りが、「インデックス買い」を上回ってしまうと、株価は反対にまっさかさま、な~んて展開も結構見かけますよ~。