大和証券がヘルスケアリート(日本ヘルスケア投資法人)を設立するとのニュースがリリースされました。
平成 25 年 12 月 25 日 各 位 株式会社大和証券グループ本社 大和リアル・エステート・アセット・マネジメント株式会社 エイ・アイ・ピー・ジャパン合同会社 日本初のヘルスケア施設特化型
ヘルスケアリートとは
リート(不動産投資信託)というものでして、投資家から集めた資金(と借入金)を不動産に投じて、その収益を分配する金融商品です。
ヘルスケアリートとは、投資対象をヘルスケア関連の不動産に絞ったリートということになります。
日本では新生銀行がヘルスケアリートの設立を目指してるってリリースが出てたことありますが
新生銀:2年後に初のヘルスケアリート上場目指す、1000億円規模視野 - Bloomberg
これまで、専門のヘルスケアリートはありませんでした。
主な投資対象は
米国の例を見る限り、ヘルスケアリートの主な投資対象は、
①高齢者向け住宅
老人ホーム的な施設や高齢者向けにデザインされた住宅です。米国だとこれがメインなようです。
②高度看護施設
看護師が常在する、高齢者やリハビリの必要がある人向けの施設です。
③大規模医療モール
医療ビルとも呼ぶようです。施設が医療設備を保有しており、患者は好きな医師を選んで治療が行えるとのこと。
④病院
ヘルスケアって言えば真っ先に来そうですが、あまり保有比率は高くない模様。
海外では
日本ではこれまでヘルスケアリートはありませんでしたが、海外では一定のプレゼンスを持っているようです。
日本のリート市場はオフィスビル中心に発展してきているため、現在でも非常にオフィスビルへの依存度が高い市場です。時価総額の2トップの日本ビルファンドとジャパンリアルエステイトがオフィス型である影響もあり、リートの投資先の50%超がオフィスになります。
米国のリートはオフィスへの投資は10%程度であり、それ以上の13%をヘルスケア物件に投資しています。
物件レベルでは既存リートも保有している
専門のヘルスケアリートはなかったものの、日本のリートもヘルスケア物件を保有しています。
アドバンス・レジデンス、オリックスリート、インヴィシブルなどは老人ホームを保有していますし、日本ビルファンドはメディカルモールを保有しています。
将来性はありそうだが、スタート規模が小さすぎないかな
将来性はまあまあ、あるかなぁ~って思います。ただ、ちょっと読めないのが、わたしとかの感覚だと、リートが運営しているレジデンスはいい物件が多いし、老人ホームもまたしかりって思いますが、実際に顧客になる人たちはどう思うのかなぁ~っていうのはあります。あんまり気にしないのかな?
とりあえず、100億円の資産規模ではじめるようなので、LTV50%前提なら調達エクイティは50億円程度と非常に小さな規模で始まりそうです。徐々にトラックレコード積みながら増資して大きくしていくつもりなのでしょうが、ちょっと規模が小さすぎる気もします。この規模だと一般的な機関投資家は投資対象外になります。
日本ヘルスケア投資法人って名前からは、日本のヘルスケアリートのトップピックにする、との強い思いを感じますが、それならせめて500億円規模で始めればよかったのなぁ~って思います。
まあ、最後はバリュエーション次第ですかね~
参考
大和証券、ヘルスケアREIT (不動産投資信託) に参入|TeTe-News
ヘルスケアリート設立啓発に向けた 環境整備:検討委員会の開催.pdf
【海外REITレポート】海外のヘルスケアREIT 概観~ 日本版ヘルスケアREIT の創設に向けて