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為替(FX)とマイナス金利について



マイナス金利と為替の関係についてまとめてみる

欧州中央銀行、スウェーデン、スイス、デンマークなどの金融政策がマイナス金利を利用するようになってしばらく時間がたちます。かつては理論存在するって位置づけだったのに、もはや通常の金融政策の手段としてすっかり定着したマイナス金利。マイナス金利とは何かについてまとめます。

2国間の金利差というのは通貨間の相対的な価値そのものなので、FX市場には非常に重要です。その重要な金利がマイナスになった場合の影響を考えるっていうのがこの記事の趣旨です。

そして、なぜユーロが大崩れしないのかについても考えてみます。

 

何がマイナスになるのか

マイナス金利とはそもそもどんな金利がマイナスになるのか?マイナス金利が金融政策の手段として行われる場合、それは政策金利であり、欧州の場合は預金準備金の金利になる。

預金準備金の金利とは、銀行が中央銀行(この場合、ECB、欧州中央銀行)にお金を預ける際の金利。

この金利がプラスで会った場合、日本のように金融緩和を進めても、銀行が集めたお金をほぼ無リスクで運用できる(金利が得られる)中央銀行に預けるだけ、といった行動を取りやすく、金融緩和効果が減退する懸念がある。

一方で、無リスクでお金を預かってくれる中央銀行が、マイナス金利になれば、お金を預けたら利子を取られることになるため、安易に利用できない。よって金融緩和の効果は増進しやすくなる。

 

ユーロ圏の銀行がマイナス金利から受けている影響

ユーロ圏の銀行は、「超過」準備、すなわち、翌日物預金ファシリティーを通じてECBに預けるお金と所要準備を超えて各国中央銀行の当座預金に預けているお金に対して金利を支払うことになる。

現時点でマイナス金利の対象となっているのは約5,500億ユーロで、現行の預金金利はマイナス0.2%であることから銀行システムが課されているいわゆる手数料は年間10億ユーロ強となる。

これは、今回の金融政策の変更でマイナス0.3%になったため、15億ユーロまで上昇する見込みだ。

マイナス金利の目的は?

マイナス預金金利導入目的は、ユーロ保有に対して事実上手数料を課すことによって通貨安を促そうとするものだろう(中銀は一般的にこうした為替操作の目的を明言しないが)。
さらに前述した金融緩和効果の増進によって、銀行がこの手数料を避けようとすることで、個人への貸し出しが増える可能性もある。


マイナス金利下において預金は熱くて長時間手に持てない熱源のようなものとなる。ECB のドラギ総裁はこれが準備金の流通速度を加速させると言っている。熱源である預金は、熱くて長くは手にできないのですぐに誰かに渡したいが、引き取り手が見つからず手元に残ってしまうと、マイナス金利で火傷を負うことになる。

 

なぜマイナス金利が成立するのか?そしてなぜユーロは意外と値保ちするのか?

マイナスの金利がなぜ成立するのか疑問に思う人もいるかも知れない。それは、自分が大金を持ったことを想像すれば良いかもしれない。

それも数百億円という大金を。

大金を持ったあなたは、きっとそのお金を安全に保管したいという想いを強く抱くはずだ。そのためにはタンス預金などもってのほか。

少なくとも貸金庫くらいは借りたくなるだろう。でも、当然貸金庫にはコストがかかる。

であれば、安全に預かってくれる場所があれば、少なくとも貸金庫を借りるコストに相当する程度のマイナス金利なら支払っても良いと思うのでは無いだろうか。

実際には、貸金庫に現金を眠らせておくより、中央銀行の預金準備は遙かに使い勝手の良い場所にお金を置いておけるため、妥協できるマイナス金利はさらに小さくなる(絶対値で大きい、マイナスが大きいって意味)。

 

それだけ、安全に、かつ使い勝手の良い場所にお金を保管できるメリットは大きい。

 

これは、おそらくユーロが意外なほど下落しない理由の一つでもあるだろう。ユーロのファンダメンタルは厳しい。短期の金利はマイナスであるためユーロ圏にお金に置いておくだけでマイナスであり、また財政的にも脆弱性を抱えた国が多い。

それでもユーロが大きく下落しないのは、安全性と言った観点からの欧州中央銀行(ECB)の信頼性と、ドルに次ぐ流動性を持っているユーロの利便性の高さだと思われる。

 

追記

日銀もマイナス金利を導入しましたね。中期金利まで一気にマイナス化。欧州より市場の反応が早いです。以下の記事に詳しく書きました。