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古典的ヘッジファンドの7つの銘柄選択基準(ジュリア・ロバートソン)



ジュリア・ロバートソンとは、ジョージソロスのクォンタムファンドに次ぐ規模のヘッジファンド、タイガー・マネジメントを運用した人物です。

HFI > タイガー・マネージメントの終焉 「彼は、彼が信じた理論に負けた」  プロフィール 

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ジョージ・ソロス (George Soros)マイケル・スタインハート (Michael Steinhardt) と並び称される、業界の 三賢人  と呼ばれる人物です。

ベンジャミン・グレアム (Benjamin Graham) バリュー投資と アルフレッド・ジョーンズ の ロングショート のコンセプトを合わせる形で、1980年に受託資産800万ドル (現在のレートで約6.4億円) で タイガー・マネージメント を設立しました。 タイガー・マネージメント は、順調に運用実績を膨らませ、96年には預かり資産の50%、97年には72%もの運用益を上げました

世間がネットバブルで浮かれていた98年‐99年には タイガー・マネージメント はマイナスのリターンを記録し、最大で220億ドル(2.4兆円)規模まで膨らんだファンドサイズの3分の1に匹敵する金額の解約が殺到した。そんな状況に直面した ロバートソン は、投資家に対して間違ったことを勧めるくらいならと、ファンドの解散を選択し タイガー・マネージメント は終焉を迎える事となった。

という、悲しい終わりかたをしてしまった人物なのですが、ITバブルという非常に非常に特殊の状況に負けただけであり、その後のITバブル崩壊まで運用を継続していれば、彼の正しさが運用成績に反映された見られています。

それゆえ

彼の投資理論は、多くの人が受け継いでいる。

 彼の投資手法を、個別の銘柄選択に注力しており、その点でマクロドリブンのジョージ・ソロスとは大きく異なります。

そのため、個別銘柄選択を重視する個人投資家に役に立つ投資手法と考えます。

以下に、ジュリア・ロバートソンの銘柄選択基準をまとめます。

 

1.卓越した経営者

企業が成長機会を活かすのも、また窮地に立たされるのもマネジメントの質が左右するって考えですね。

良い経営者とは

・売上よりも最終利益に執着

・長期計画とその実施施策を兼備

 

2.独占企業あるいは寡占企業

彼は、独占利益を非常に重視していました。独占企業は設備投資が確実に収益に結びつくため、投資家としては将来業績のイメージが立てやすいですしね。

 

3.財務記録の検証から導き出される企業価値

単純にPBR(株価純資産倍率)が低い、という理由で投資はしません。純資産は帳簿上の数値に過ぎないので、本当の負債や利益を把握することが重要です。

少し会計に詳しい人なら、費用(とすべきもの)を資産として計上することで、収益と資産の水増しなど簡単にできることを知っています。こうした会計操作などを考慮すべきということでしょう。

 

4.規制が有利に働く企業

規制が競合他社の制約になれば、競走上非常に有利です。

ソフトバンクの孫さんは、NTTグループの弱点をうまくついている印象です(NNTグループは国営時代の資産を競争に活かしているわけですから、どっちが正しいみたいなことは考えていませんが)。

 

5.川下企業を探す

成長する市場があったら、そこの勝ち組を探すのではなく、そこに商品を供給する企業を探すってことですね。半導体・太陽電池産業、電子部品セクターとかでも有効な手法だと思います。

(全く反対の考え方で、川下企業を探すって考えもあるのですが、別の機会に)

6.成長

7.本業の強み

ジュリア・ロバートソンは、過去厳しい時期を生き残ったという実績を重視しており、巨大企業を基本的に信用しています。

日本企業の場合、巨大企業の経営者はえてして顔が見えないため、1.卓越した経営者、との整合性が難しいですね。

 

以上になります。

参考

マネーマスターズ列伝

ヘッジファンド―投資家たちの野望と興亡