中国経済の金回りの悪さが話題に
英・豪の雇用統計はまずまず
昨日は英雇用統計が予想を上回る強さを示したこと(失業率6.6%、予想6.7%)で英ポンドGBPが対主要通貨で上昇。一方でユーロは先日の緩和の影響から弱含んでおりEURGBPが年初来安値を更新すると、EURJPYにも売りが大量に発生し下落。
ただし、南欧国債利回りが低下、ECBからポルトガル民間銀行への貸し出しが減少を続けていることが確認されるなど、ユーロは徐々に安定。
オーストラリアの6月雇用統計では雇用者数が前月比4800人の減少となったものの、正社員数が前月比2万2000人の増加で、また失業率も5.8%で横ばいとなりまずまず順調な出来。オセアニア通貨はキャリー選好もあり強そう。
イラクの治安悪化でリスクオフ気味
今日はイラク治安悪化のヘッドラインが流れたことで、金融市場全体にリスクオフ傾向がみられた。アルカイダ系武装組織のISILによるイラク第2の都市モスルの掌握やイラク最大の製油施設が置かれているバイジでの戦闘激化に加え、モスル内のトルコ総領事館で48人を拘束したとのニュースが流れるとドル円と株が軟調に。一方でリスクオフ時に買われる傾向が強い債券は反発。
USDJPYは101円台では跳ね返される傾向が見られるものの、重たい値動きが続いている。米金利が上昇基調の割には上値の重い印象。
とはいえ、ドル円は主体性が無い展開自体は変わらなそうで、株式や金利の動きを待たないと何ともいえない感じか。
中国は金詰まりが話題に
本日発表された5月の中国新規人民元建て融資の状況から、中国のクレジット状況は依然引き締まっていることが話題になった。
特に5月最終週に当局の要請を受けた4大銀行による追加貸し出しが関心を集めた。5月の新規人民元建て融資は870bn人民元と市場予想を上回ったものの、行政指導の賜物って評価もやむなし。
こうした金回りの悪さの背景はシャドーバンキング規制の影響、との見方が一般的。変わった意見だと、腐敗撲滅運動の影響で金の流れが悪くなっている、なんて言うのもある。高級官僚が高額消費のかなりの部分を占めているなんて評価もあるので、一理ある意見かも知れない。