原油価格の下落が話題に。通貨とコモディティの関係
原油価格が下落
原油の価格下落が話題になっています。需要の低迷や在庫の増加懸念を受けて大幅な調整となっています。
他にも価格低下の要因として、米国のシェールガスとの競合から、中東諸国が原油価格が下落局面に入ってもこれまでのように供給を絞ることがやりにくくなっているのではないか、との構造要因も一部で指摘されています。
サウジアラビアは、これまで100ドル台を適正水準として供給能力の調整を行ってきていたが、(エネルギーを主な外貨獲得手段とする)ロシアを牽制したい米国の思惑を受けて、80ドル台までの下落を容認しているのではないか、との話も。
金と原油のチャート
主要コモディである金と原油のチャートを作りました。
金融市場の混乱を受けて金価格が足下で上昇しているのに対して、原油は下落基調。95ドル付近の水準から80ドル台前半まで一気に下落しており、なかなか急激な値動き。
ドル円と金の関係
コモディティ価格は、ドル建てが一般的であるため、ドルの価値が下落すると上昇する傾向があります。金とドルのチャートを示すと逆相関っぽいグラフに。
ちょっとわかりにくい書き方になっちゃいましたが、何が言いたいかというと、「ドルの足下の動きは弱いので、原油もドルとの関係だけなら上昇圧力を受けていた、それでも上昇したのは個別の下落要因があったのでしょうね」ってことです。
なお、上記チャートは便宜上ドル円との比較で示していますが、本来的にはドルとその他全通貨(特にユーロ)の関係がコモディティ価格に影響を与えるイメージです。
原油と加ドル円、豪ドルの動き
原油価格敏感通貨としてカナダ円の動きも載せておきます。
原油価格に引きづられて何となく軟調な動き。ただ、一国の通貨は当然原油のみに影響されるわけではないため、動きは(原油価格と比較し)マイルド。
豪ドルも同じような感じ。
中国の経済指標が振るわないこともあって、豪ドルも弱いですね。