FX初心者向けまとめ解説(株式投資もあるよ)

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なぜビットフライヤーでビットコインの現物とFXの価格が違うのか?トレードへの活用は?



 ビットフライヤーはbitFlyer Ligtning(ビットフライヤーライトニング)というビットコインのFX取引(というか証拠金取引)のサービスを提供しています。

ビットコインの強烈な上昇もあって、レバレッジを掛けられるbitFlyer Ligtningは大人気。

多くの人が利用していると思います。

でも、よくよく見てみるとbitFlyer LigtningのビットコインFX価格って現物市場より高くなっています。

金融取引に慣れた人なら、「ビットコインの現物とFXが同一のモノなら裁定が働くことで、ほぼ同じ価格に収れんするはず」って思うでしょう。

しかし、この乖離は取引所(ビットフライヤー)側の対策にも関わらず、15%も乖離しています。

この理由は何でしょうか?また、この乖離を投資機会にすることはできるのでしょうか?

この2点について考えてみます。

ビットコイン現物とFXの価格乖離率は約15%

現状がどんな感じになっているかビットフライヤーの価格を見てみます。

まず、現物価格が1BTC(日本円でビットコインを買った場合の価格)1,892,624円で約180万円ですね。

※ビットコイン現物価格としてビット価格(買い手が提示している最も高い価格。売り手が売ろうとしたとき、換金できる金額になる)を利用しました。

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次にビットコインのFX価格を見てみます。

下のビットコインライトニングのキャプチャーを見てもらえばわかりますが、2,193,200円ですね。

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FX価格が約220万円に対して、現物価格が190万円と約15%乖離していることが分かりますね。

なぜ、ビットコインのFX価格が現物価格より割高なのか

今回の記事のテーマは、「ビットコインの現物価格とFX価格の乖離が縮小しないのはなぜか」ってことなのですが、そもそも「なぜ現物とFXの価格が乖離しているか?」から考えてみます。

 

と言っても、この問題に明確に答えを出すのは難しいです。

最初にわたしが考えた理由をまず述べてみます。

現物市場にはマイニングの売りが入るから?

ビットコインは中央銀行のような資金の供給主体がいない反面、マイニング(採掘)によって市中からビットコインが湧いてくる(採掘される)仕組みです。

マイニングされたビットコインは、当然に現物です。

マイニングして現物を手に入れた人は、市場(仮想通貨取引所)で売ることで、現金(日本円などの法定通貨、仮想通貨界隈ではFiatなどと呼ばれますね)を手にします。

すなわち、現物の市場にはマイニングで発掘されたビットコインの売りが出続けることになります。

 

マイニングによる売りが、現物にはある→値下がりしやすい

マイニングによる売りが、FXにはない→値下がり要素がない

 

最初、この「マイニングによる売り」が現物とFXの価格乖離の理由なのかなぁ~って思いました。

 

しかし、よく考えたらこの理由はなさそうです。

なぜなら、ビットコインのマイニングは大半が中国で行われているからです。

中国人が、ビットコイン価格が高い日本に持ち込んで売っているって考えれば一応整合性が取れますが、現実的には可能性は低そうです。

 

結局は投機熱の象徴か?

その他にもいろいろ理由を考えましたが、金融市場的な解釈からあまりしっくりくるものはありません。

結局一番可能性がありそうなのが、高まった投機熱がビットコインFXに表れているっていう単純なものです。

ビットコインFXではビットフライヤーだと15倍のレバレッジを掛けることが出来ます。

手持ちのお金が少ない人が、どんどん値上がりが続くビットコインの上昇に載るために、レバレッジを掛けて買いに行っているってことかなぁって思います。

 

株式投資でも、信用買いは信用売りの10倍くらいあるので、レバレッジを掛けて買いに回りたいっていうのは、心理的に取りやすいポジションなんのかもしれませんね。

 

では、なぜ乖離が縮まらないのか?

では、なぜ現物価格とFX価格の乖離が縮まらないのでしょうか?

金融市場では、本来的に同一なものは(ほぼ)同じ価格まで収れんしますが、それをもたらしているのは裁定取引です。

裁定取引とは割高なものを売って、割安なものを買うことで、その差額を利益にすることですね。

先物と現物は本来的に同じものなので、先物を売っておいて(将来現物を引き渡す約束するのと同様)、現物を買って相手に渡してあげればリスクなしに儲けることが出来ます。

この裁定取引の仕組みがあまりにも強烈なので、世界中の株式や債券などは、同じものについては同じ価格(変な表現)で取引されています。

 

ただ、仮想通貨はまだ発展途上の市場。

この裁定取引の仕組みが機能しにくいです。

 

どういうことかというと、ビットコインFXと現物の裁定取引を行う場合、

  • FXを現物決済する

ことが、一般的な方法(もっとも確実な裁定取引)です。

 

ただ、ビットフライヤーでは現物決済には20%の手数料金(VWAP:加重平均約定価格)が必要になります。

 

現物決済に20%の手数料が発生するので、先物と現物の価格乖離が20%以上ないと利益が出ないことになります。

別の言い方をすると、現物価格とFX価格の差が20%以内なら、(現物決済前提の)裁定取引は行われないってことになります。

だから、現在の15%程の乖離がなかなか縮まらないわけですね。

では、収益機会にならないのか

では、ビットコインの現物価格とFX価格の乖離は収益機会にならないのでしょうか?

わたしは、そんなこともないかなぁって印象をもっています。

もちろん、手数料ゼロでFXを現物決済出来れば最高の収益機会なのですが、それは不可能であることはすでに説明しました。

どうやるかと言えば、単純に

  • 割安な現物ビットコインの買い
  • 割高なFXビットコインの売り

を同時に行うだけです。

そして両者の価格差が縮まれば利益になります。

実際にわたしはこの取引を試していて、そこそこうまく行っています(別の取引所に運んで売るっていう裁定もおすすめなのですが、それは別の話なので割愛)。

 

これってもちろん、確実に利益になるわけではなくて、現物とFXの価格差が広がれば損をします。株式のロングショートで又裂き(往復びんた)にあっているようなものですね。

ただ、心強いのは現物と先物の乖離幅が20%以内に収まる可能性が高いこと(それをはみ出すようだと、前述のFXの現物決済という確実な裁定機会が生まれるため、差が詰まる)。

なので、勝率の高い勝負なんですよね。

 

それに、ビットフライヤーも現物と先物の価格差が大きいことを懸念して、スワップポイントのようなものを課す(価格差が縮まる方向への取引には与える)ことで、価格差を抑え込もうとしています。

実際にこの措置の検討をアナウンス後、両者の価格差は縮小しています。

 

これらの要因を考えると、一定の乖離率は続くかもしれないが、価格差が開きすぎた局面は収益機会になりうるって言えそうですね。