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ビル・グロース氏の移籍



しばらく更新をサボっていると、記事を書くのがやたらと億劫になる。リハビリにさらっと。

 

ビル・グロース氏、PIMCO退社

PIMCO(パシフィック・インベストメント・マネジメント)のCIOであるビル・グロース氏が退社した。

同氏は言わずと知れた債券のトップファンドマネージャーだ。同氏が運用する「ピムコ・トータル・リターン・ファンド」の収益率は1987年の立ち上げ以来7.9%とすばらいしパフォーマンスを残している。債券の場合、パフォーマンスの比較対象になるような適切インデックスを探すことが難しい。それはデュレーションやクレジット比率などがパフォーマンスに大きな影響を与えるため、本質的な意味で同種のリスクを取っているインデックスがないからだ。

それでもあえて同氏の業績を評価するためにインデックスと比較するなら、インデックスをおおむね年間1%上回っているようだ。

これは、ボラティリティの低い債券運用の世界においては、特筆すべき成果といえる。

 

グロース氏と言えば、リーマンショックに端を発する金融危機後の世界は、仮に一定回復したとしてもこれまでのような高成長の世界には戻れないー基準が変わってしまったんだ、とするニューノーマル(説)があまりにも有名だ。このニュー・ノーマルは今年の5月(頃?)にニュー・ニュートラル(説)に変化したものの、脆弱な実体経済を金融緩和が支えている(だから金利は上がりにくい)っていう意味で思想の根っこにあるものはたぶん一緒だろう。

 

長期にわたる安定したパフォーマンスをあげたため、同氏のファンドには資金流入が続いた。通常ファンドの規模が大きくなるとパフォーマンスは悪化するものだが、グロース氏は健闘していた。リーマンショック後の2009年にインデックスを8%近く上回る好業績を上げたことなどで、2008年から2012年までに10兆円以上の資金が「ピムコ・トータル・リターン・ファンド」に流入したようだ。

 

ただ、投資家としては極めて優れていたものの、社内政治はうまくなかったようだ。

ピムコでの覇権争いに敗れた「債券王」ビル・グロース氏 - WSJ

今年の夏、グロース氏は執行委員会のメンバーを含む幹部たちに対して繰り返し大声を上げたという。ある時点で委員会はグロース氏に警告を発し、そうした振る舞いの改善を求めた。しかし、ほとんど何も変わらなかったと内部の人々は話す。

 あるとき、グロース氏は他の幹部たちに「お前たちみんなを金持ちにしたのは私なんだぞ。私が辞めたらどうなるか見ものだ」と言ったこともある。

 グロース氏が10の問題点を指摘したEメールも火種となった。同氏が名指しで非難した幹部の1人、ウェンディ・カップス氏は、ピムコの株式投資進出に取り組んでいた。株式への進出を決めたのは自分だったにもかかわらず、グロース氏はその運用上の問題でカップス氏を叱責した。グロース氏はホッジCEOに対しても繰り返し大声を上げたという。

 同氏は、共同設立者として創業に関わったピムコを追われることとなった。

 

移籍先のジャナス・キャピタルの株価は、グロース氏の入社が好感され一時4割近くも上昇。

上場こそしているものの移籍先のジャナスは、PIMCOとは比較できないほど小さい会社である。そこにスタープレーヤーのグロース氏がやってくることになったとのニュースは大きく好感され、株価は40%以上上昇した。

巨艦ファンドから解放された同氏が、今後どんなパフォーマンスをあげるのか楽しみだ。