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インドルピーの特徴は非資源国。原油や金と逆に動くよ。



インドルピーについてのまとめ

南アジアの大国として成長著しいインドですが、その通貨ルピーは製造業基盤のもろさなどから盤石とはいえない値動きが続いてきました。

インド経済の大きな特徴はなんといっても、資源がないこと。

資源国としての特徴がある国は、オーストラリアドルカナダドルノルウェークローナなどがありますが、インドルピーはこれらの資源国通貨とは反対の特徴を持ちます。

 

旺盛な資源需要があるのに対して、製造業が弱くて外貨獲得の手段が少ないインドは、資源価格が上昇しすぎると、経常赤字に陥り易くて通貨が弱含むわけですね。

金とルピーの関係

旺盛な金需要

インド人は金が大好きです。昔から宝飾品として需要が高かった(古代インドは「金の雀」と呼ばれていた)ほか、縁起が良いものとして繁栄の象徴にもなっています。

そのため、成功者や娘の嫁入りなどで金をふんだんに購入するのです。

そして、金の持つ価値の保存性も高く評価されていて、昔から子孫に資産を引き継ぐ手段として重宝されてきました。

 

インドの宝飾品は、金の含有量がほとんどそのまま価格になります。日本などの先進国では、金などの含有量よりもブランド料や加工量の比重が高く、金の含有量の数倍で取引されることが普通です(インドでも加工量の上乗せはあるが数%程度)。

インドが金自体の価値を重視しているかがよくわかりますね。

 

さらに近年ではインドはインフレに悩まされており、金の対インフレ性もインド人の購入意欲を押し上げています。

金

金の輸入制限で経常収支が顕著に改善

インド経済の金需要の強さを考えると、インドルピーのリスクは金価格の高騰で経常収支が悪化し、インドからお金が流出するような環境であることが分かります。

2013 年に当時のバーナンキ議長が率いるFRB が資産買入れを減額する意向を示した俗にいうバーナンキショックが発生しました。

それが新興国の混乱をもたらすわけですが、新興国のなかでも最も苦しんだのがインドです。その最大の理由が、伝統的に金を好む傾向にあるインドで金輸入が急増し、国際収支の悪化させたことと、それに伴うルピー安が更なるインフレ不安につながったことです。インフレ不安は一層の金への需要を強める結果になり、際限のない悪循環を発生するのではとの不安が高まりました。

 

しかし、こうしたルピーの下落は2013 年秋には底入れします。

インド政府は国際収支を悪化させる主要因である金の輸入を制限し、強制的に国際収支を回復させる行動に出ました。これが好感され、インドルピーの価格下落は終わります。

原油とルピーの関係

原油も重要

インド経済のもう一つの重要な要素は原油です。

大国であり大量の原油を消費する割に埋蔵資源が少ないインドは、原油価格にも経済が左右させられます。

昨今の原油価格の下落インドは国際収支が改善しています。

シェール革命はインドにとっても好機か

米国のシェール革命で恩恵を受けるのはもちろんアメリカが中心なわけですが、シェールガスが原油価格を押し下げる働きをする以上は、原油の純輸入国全般の利益になります。

米国のシェールガスとの競合を意識した原油生産国が、原油価格の高値維持をあきらめました。産油国の採算ラインぎりぎりでの原油価格形成が続きそうで、インドにも追い風になりそうですね。

極端に安い原油価格が良いかと・・・

原油価格は安い方がインド経済には追い風です。それは間違いないのですが、極端に安い原油価格がインドルピーにとって良いかというと、それは微妙です。

なぜかというと、原油価格が極端に低いとき(例えば1バレル20ドル台)は、金融市場がリスク回避的になっているため、インドルピーのようなリスク資産にはお金が向かわないからです。

世界経済が不安定なときは、インドのような新興国にお金を置いておきたいって人は少なくて、先進国に置いておきたいって考える人が多いからですね。

インドルピーは中国の減速リスクを緩和する存在になるかも

原油安の要因は、米国のシェール革命だけではありません。

中国経済の減速で、中国が無尽蔵に石油を消費するって考え方に変化が出てきたことが大きいです。

中国経済が減速するのは、世界景気にとってマイナスですが、インド経済にとっては原油安を通じてプラスの面があることは面白いところ。

分散投資の一環として、インドルピーには投資価値があるかも知れないですね。

 

現在の安い原油価格が続くという環境なら、その環境に有利な国としてインドには注目したいです。

なお、中東のドバイには、原油安で潤ったインド人観光客が押し寄せて爆買いしているようです。