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日本ハム、転換株の重しに耐えられるか。近畿日本鉄道CBは限界点



 転換社債が日本ハム株価に与える影響

 前回、  転換社債が株価に与える影響について記事にしました。

転換社債を知れば株価の裏が見えてくる。あのソフトバンクも

 

今回は、日本ハム(2282)の株価に、転換社債の償還が与える影響について考えてみます。
日本ハムは2014年3月3日に償還を迎える転換社債を発行しています。

この転換社債がなかなかの規模で、発行額は300億円。

株式が、転換した場合の株式の増加数は2290万株と発行済み株式数の10%(これが希薄化に影響する)に相当します。

  

株価は7月に高値1678円を付けた後、下落に転じ、転換価格まで付近の水準まで下落しています。 

 

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 転換社債は、株価が転換価格を上回っている状況では、転換して株式にして売却すれば利益が出るため、株式への転換が進みます。

しかし、償還まで残りの時間が長ければ、アップサイドの可能性を確保しつつ、ダウンサイドリスクが限定的な性質や、裁定取引への利用などで、なかなか転換が進まない、ということを前回ご説明しました。

 

一方、この日本ハム転換社債(第5回)は償還まで残り、5ヶ月となっています。
償還まで残り時間が短くなれば、将来の可能性を手元に無くす必要性がなくなるため、転換がどんどん進む(投資家が転換に応じる)ようになってきます。

 

現在の日本ハム株式はまさにこの状況です。

株価が転換価格である1,309円を上回っている限り、発行済み株数の10%に相当(一部はすでに転換されていますが)する株式の転換が進み、それがそのまま売り圧力となります。

こうした状況では、株価が転換価格に向かって押し下げられる状況もやむなしでしょう。

 

上昇に転じるタイミングを計るには、転換社債の転換状況に要注目、です。

  

追記

近畿日本鉄道(9048)は2014年10月15日償還のユーロ円CBを300億円発行しています。

償還まであと229日。しかし、2014年1月末時点では300億円全額残っている状況。

行使価格は386.2円に設定されているが、株価は2013年9月11日以降一度も転換価格に達したこ とはない。

現在、340円から370円のレンジ内を上下している 。9月11日以降の終値の平均は360.7円、標準偏差は8.5円。統計 的には343.7円から369.2円にデータの95%が収まっている。(サ ンプル数:108)

CBの理論価格はきのう24日時点で92.7円。行使価格まであと29 円に迫っている。現在の気配値は105.55円。かい離率は13.86%で推移している。

一方、このCBには珍しく0.75%のクーポンが付いている。現在 、社債市場では同期間の66回債の気配はT+30bp(JSP)。このT+30bp でCBの社債価値を求めると100.256円となる。よって、オプシ ョン価値は5.294円と求められる。このプレアムからインプラ イド・ボラティリティー(IV)を求めると30.08%。一方、同期 間のヒストリカル・ボラティリティーは26%とIVが4%程度高い 。

なお、このCBの潜在株式数は7767万株に相当する。発行済株 式数が多い銘柄なため、発行済株式数の4%だが、これは年 初からの平均出来高400万株の20営業日分に相当する。 このCBは残存期間も短いため株価が上昇してもかい離率が縮 小するだけ。かい離が修正された後は株価と連動するためCB としての魅力に欠ける。

もう、この転換社債に上値余地はほとんどないでしょうね。