リートは高配当利回りに注目が集まる
マイナス金利に導入によって、日本の国債は長期金利(10年金利)までマイナス化。利回りが採れる金融商品へのニーズが高まっています。
一方で世界的な景気減速懸念や為替市場の不安定化によって、株式市場は若干弱含み。
そんな環境下で安定したパフォーマンスを挙げているのがリートです。
リートに投資するうえで多くの人が注目しているのが、配当利回りでしょう。J-reitの利回りは一時期よりは低下したものの、いまだに3%以上の銘柄が多く存在しています。
配当利回りの質も重要
今回はそんな中でも質的に優れた配当利回りの質にも注目して表を作ってみました。
表の見方として簡単に用語の説明をします。
配当(分配金)利回り
これは分かり易い。配当単価÷株価(投資口価格)で算出しています。
投資した価格に対して、(配当ベースで)何%で運用できるかってことですね。配当金が変わらなければ、この割合で配当をもらい続けることができます。
減価償却費率
不動産の価値は徐々に減っていきます(減価していく)。その分を適切に損として会計処理しなければいけないわけですが、その会計処理を減価償却と呼びます。
この減価償却を少なくすれば、利益は出やすくなるため、配当利回りも上昇しやすくなります。しかし、そうやって高めた配当利回りは、持続性は高くありません。
そうした観点から、収入に対してどれくらい減価償却したのかって比率を、「減価償却費率」の欄に記載しています。
資本的支出の割合
これはちょっとマニアック。わたしがいつも見ている指標なので一応付けました。
資産(リートの場合は不動産中心)はその価値を徐々に落としていきますが、適切にメンテナンスしてあげれば、長持ちします。
そのメンテナンスにかかったお金を資本的支出と呼びます。その資本的支出を利用可能なキャッシュフロー(ファンド・フロム・オペレーション:賃料収入からどれだけの現金収入を得ているかを示す数値)に対し、どの程度行っているか、という割合を示しています。
この数値は取得するのが少し面倒なので、わたしが普段追いかけているリートの分しかありません、あしからず。
利益の質の高いリートランキング
減価償却費率に注目して並べましたが、こんな形になりました。
表の解釈はいろいろあるかと思いますが、一つだけ注意点を。
不動産の妥当な減価償却スピードというのは、不動産の種類によって異なります。
ですので、1位になっているイオンリートと9位になっているジャパンリアルエステートは同列には語れない部分もあります。
イオンリートのメインの資産は商業用不動産です。
一方でジャパンリアルエステートのメインの資産は、オフィスビルです。
商業用不動産とオフィスビルを比較すれば、一般的にオフィスビルの方が長持ちします。
そして、そのオフィスビルの中でもハイクラスの物件を持っているのが緑色に塗ってある9位のジャパンリアルエステイトと11位の日本ビルファンドです。
そのことを考慮に入れれば、9位と11位という順位はかなり高く、両リートの利益は質は高く、配当の質も高いといえますね。
この辺考えながら、活用してみていただければありがたいです。
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