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FXは逆張りか順張りか?個人投資家の逆張り好きを利用した東京時間のトレード手法



為替市場は逆張りが良いのか?それとも順張りか?

為替は、株式のような金融資産と比べて本質的な価値が分かりにくいものです。ドル円だとしたら、ドルと円の交換比率によって決まるわけですが、どのような交換比率が最もドルと円の本質的な価値を反映しているかを判断するのは難しいです。

購買力平価説だったり、為替心理説だったり、アセットアプローチだったりと様々な理論がありますが、一面正しい部分はあってもあらゆる局面で適用できるような通貨の価値を測定できる理論はありません。

そのため、為替市場では順張り派が多数を占めます。

為替はどの水準にあるべきなのかわからない、だから今発生しているトレンドに追随して行こうって発想ですね。

 

海外投機筋は順張り志向

投資筋の売買動向は一般にトレンドについて行く、トレンドフォローが多いと言われます。それを知るために投機筋のポジションが反映しやすいIMMの通貨先物のポジションを見てみましょう。

これを見ると投機筋の売買(残高保有)状況が分かるIMM のポジションは一般的に順張り傾向が強ことがうかがえます。下にチャートを付けました。

imm-UDSJPY

円が(ドルに対し)売りに偏るとチャートの面積部分はマイナスになります。折れ線グラフで表しているドル円レートは面積チャートとイメージが合うように、下に行くほど円安にしています。

為替市場が円安に傾くにつれて、IMMのポジションも円売りドル買いに傾いていることが分かります。反対にドル円のトレンドが反転すると、IMMのポジションも売り買いが反転しており、海外投機筋は相場に追随しトレンドが続くことを想定した売買を行っていることが分かります

 

トレンドはフレンド、というのは世界的にごくごく一般的な考え方なのです。特に為替のように、その本源的価値が分かりにくい物ほど、値動き自体を信頼したトレンドフォローを採用する投資家は多くなります。

 

なお、ここで言う投機筋とは、為替市場の変動によって利益を上げることを目指す為替市場参加者を指しています。生損保などの機関投資家は、為替市場ではリアルマネーの投資家と言われています。証券投資などに付随して為替を売買するためで、金融プレーヤーであっても投機筋には含まれないということです。

日本の個人投資家は逆張り志向

一方で、日本のFX業者などが提供する為替証拠金を用いた個人トレーダーの投資行動は逆張り型として有名です。

スワップを進めるマネー雑誌の影響もあるかも知れないが、特に金利志向が強く、相対的に金利が高い通貨を押し目買いする投資行動が目立ちます。

これは、スワップポイント(金利)というものに本質的な価値を見出しているからとも言えそうです。ここまで(高金利通貨が)下がればスワップポイントから見てお得って考えている可能性がありそうです。

もしくは下落しているものを買う、と言った単純なお得感を好んでいるのかも知れません。

 

また、高金利外貨ロング(買い持ち)が多いことも特徴的です。最近は海外と日本の金利差が縮小したため、ロングかショートかにこだわらないアクティブ・トレーダーも増加したとも言われるが、金利差が大きい通貨ペアでは金利を受け取れる売買に傾くケースがほとんどです。

 

すなわち「押し目買い」(下落したときに買う)と「上がり売り」(買った物が上昇したときに売る)が投資行動の中心です。

 

豪ドルやNZドルなどオセアニアの高金利通貨が好まれるのはそのためでしょう。トルコリラや南アフリカランドなど一般的な日本の機関投資家は手を出さないような通貨でさえ、個人投資家は売買している実態があります。

 

東京時間は意外に大きい個人投資家の影響

為替市場は取引時間毎に、東京(アジア)時間、ロンドン時間、ニューヨーク時間に分かれて一日をカバーしています。そのうち最も取引量が多く流動性が豊富なのはロンドン時間であり、次いでニューヨーク時間、最後が東京時間である。

 

 

かつてはアジア時間は東京市場の独壇場でしたが、東京市場の売買シェアは日本のバブル崩壊以降減少傾向にありました。シンガポールなどのほかのアジアの金融都市の猛追を受けているからです。

しかし、2000 年代になって日本では為替証拠金取引によるFXが大ブーム。ミセスワタナベに代表されるような、カジュアルな個人投資家の為替取引によって東京市場のシェアは再度持ち直したと言われています。

 

為替市場の流動性は非常に分厚く、個人投資家の影響なんてほとんどないと思われやすいです。しかし、為替証拠金というレバレッジを用いる個人投資家の影響力は、集団としてみた場合一定の存在感を持ちます。

 

逆張り志向を持つ個人投資家の売買は、東京市場の日中における変動を抑える方向に作用することが多いと言われる。前日海外で大きなニュースが出て、それに基づいてトレンドが形成されていても、日本の個人投資家が逆張りによってその流れを押し留めるように投資するからです。

 

よくロンドン時間に入ると、NY市場のトレンドが再度繰り返されると言いますが、これは東京時間で個人投資家によって押さえ込まれたトレンドが再度息を吹き返しているからかも知れませんね。

 

ここで述べた市場特性は、マーケットである以上常に当てはなるものではありません。

しかし傾向として知っておくことで、トレンドの継続性や回帰などが見極められることも出てくるので、役に立つ場合も多いでしょう。

 

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