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国債のイールドカーブをコントロールすることが、為替市場にもたらす影響

イールドカーブコントロールを導入

日銀は、黒田総裁の就任以降、金融緩和の強化(クレジット、エクイティリスクを取るなど質的緩和も含む)してきました。

しかし、2016年9月会合で打ち出した緩和策は、10年国債の金利をゼロ近傍にするというもので、イールドカーブコントロールと呼ばれています。

イールドカーブとは、国債の期間構造の事で、通常は長期債ほど金利が高くなる右肩上がりの構造になっています。

金利の期間構造

上の図のようなイメージです。

 

10年国債だけでイールドカーブがコントロールできる?

しかし、イールドカーブとは金利構造全体の事です。

なぜ、10年国債の金利をゼロにコントロールするだけで、金利構造全体(イールドカーブ)をコントロールできるのでしょうか?

これは、短期金利をマイナス0.1%としていることとセットで考えれば、分かり易いです。

イールドカーブの一番左端にある短期金利がー0.1%で10年債金利が0%なら、その間の年限の金利は普通はー0.1%から0%の間の数値を取るはずです。

 

だから、自然とイールドカーブ全体をコントロールできるってことですね。

 

イールドカーブコントロールの意図

金融緩和に苦しむ金融機関の救済

マイナス金利の導入以降、日本の金融機関は運用難に苦しんでいます。

そうした金融機関の運用難を救おうというのが、イールドカーブコントロールの意図とみられます。

 

なぜ、イールドカーブコントロールが金融機関を救うかについて説明します。

日本の金利構造はマイナス金利政策導入以降、10年国債までもがマイナス圏になっていました。

これでは金融機関は資産運用が難しいです。

 

しかし10年債金利をゼロ%にしからといって、資産運用が楽になるのでしょうか。0%でいくら運用しても、利益は生まないようにも思えます。

 

その答えは金利のロールダウン効果というものがわかれば、理解できます。

ロールダウン効果とは、10年債が時間の経過に従って9年債、7年債、5年債と年限が短くなっていくことを指します。

年限が短くなれば、短い年限の金利が適用されます。

債券というものは、金利が低くなれば、債券単価は上昇するという性質を持つので、イールドカーブが右肩上がりになってさえいればロールダウン効果から(ゼロ金利で債券を買ったとしても)利益が得られることになります。

 

これによって、金融機関に資産運用益を上げやすくさせようって意図ですね。

金融緩和の長期化

日銀は市場にお金をばらまくための政策ツールとして国債を購入しているわけですが、国債とは日本国の借金なので限りがあります。

そのため、日銀が国債を買いつくしてしまうことをある種の量的緩和の限界としてとらえる向きが為替市場にはありました。量的目標によって長期債券を購入し続けることがには持続不可能ということです。

しかし、(国債の購入量でなく)イールドカー ブの形状を目標とすることは、長期債の不足が回避でき、金融緩和を長期的に継続することを可能にしています。

イールドカーブコントロールが為替に与える影響

イールドカーブコントロールが為替に与える影響について、ある新聞で明らかに誤った解説がありました。

「イールドカーブを立たせる(純イールドにする、右肩上がりにする)ことで、円安効果を狙ったもの」という解説です。

 

マーケットの世界に絶対はないから、彼らが結果的に政界になるかも知れないですが、論理的には明らかに不整合です。

 

なぜなら、順イールドが金融機関の収益を助けるってことが示すように、イールドカーブが純イールドの国の国債には、投資価値が生まれます。先ほどのロールダウン効果がありますので。

そうすれば、日本の投資家はわざわざ海外にお金を持って行って運用しなくて良い(円高要因)し、海外からは純イールドの日本国債に投資価値を見出してお金が流入する(これも円高要因)可能性もあります。

このように、イールドカーブコントロールはそれ自体では、為替に円高インパクトを与えるものと言えるでしょう。

 

ただし、金融機関の収益性を助けることで、金融緩和局面を長期化するって意味もあるので現実は円安材料にもなりえますが。

 

ただ、金利の期間構造を右肩上がりにすることが、為替に与える影響を知ることは有益だと思って記事にしました。

 

追記:イールドカーブが急こう配になることによるヘッジ付き外債投資上のメリット

この記事の感想として、下のようなご意見をいただきました。

確かに円高要因に思えるけど、積極的に日本国債買うほどでもない金利だから為替への影響は軽微では?(テキトー)

ご意見はある意味正しくて、10年国債をゼロにしただけでは、日本国債の絶対値の金利は低いままです(ゼロですので)。

しかし、上述したようにロールダウン効果があるほか、外国人投資から見た場合はヘッジ付き外債(為替リスクがない外債投資)で投資するメリットがあります。

ヘッジ付き外債は、長期の債券(金利)買って、短期の金利(為替)でヘッジするというものです。

ざっくりヘッジ付き外債のリターンを示すなら、

ヘッジ付き外債のリターン=長期金利ー短期金利

となります。

短期金利はマイナスのままなので、長期金利がゼロ付近まで来ると、ヘッジ付き外債のリターンが大幅に改善します。

低金利環境は世界的な問題なので、このヘッジ付き外債のリターン向上は外国人投資家にとって魅力的です、流動性が高い日本の債券市場で、一定のリターンを稼げるわけですので。

 

イールドカーブが急こう配になるっていうのは、その国の債券市場の投資価値自体を高めていることがわかるかと思います。

ボリンジャーバンドの本当の使い方

ボリンジャーバンドとは

ボリンジャーバンドとはトレードに必須のボラティリティと値動きの関係を把握するのに適したテクニカル指標です。

トレードをしていて、為替レートがどの程度の幅で動くのか、と思うことは多いと思います。そうした場合に活用されるのがボリンジャーバンドです。

 

ボリンジャーバンドとは以下の図のようなテクニカル指標です。

ボリンジャーバンド例

チャートのなかに、線が縞状にいくつも入っていて、知らない人から見たらわけのわからない感じになっています。

しかし、ボリンジャーバンドは順を追って説明すれば、決して分かりにくいものでもありません。

 

まず、真ん中の青い線は、ただの移動平均線です。

 

先ほどのボリンジャーバンドのチャートの中心線だけを抜き出せば以下のようなグラフになります。

ボリンジャーバンド内の移動平均線

真ん中の青い線をここでは緑色にしていますが、同一のものです。

こうしてみると、ドル円のチャートのなかにただ、25日移動平均線がひかれているだけですね。

先ほどの図を再掲しますが、移動平均線の上下に、同じ幅でバンドが引かれていることがわかるかと思います。

f:id:ikahonokaho:20160930013423p:plain

上下のバンドは、移動平均線から1標準偏差分かい離したのが内側のバンド、2標準偏差分かい離したのが外側のバンドになります。

標準偏差とは、データ(FXの場合なら為替レート)の散らばり具合で、平均からどれくらいかい離しているかで示されます。

中心の移動平均線がそのまま平均を示すので、この移動平均線からどれくらい離れているかで、為替レートとが統計的にどういう意味合いがある位置にいるのかがわかるわけです。

ボリンジャーバンドの統計的意味合い

内側のバンドは1標準偏差のラインと説明しましたが、この範囲内に為替レートがある確率は約68.3%です。

なぜかと言うと、標準偏差というものは(価格分布が正規分布に基づく場合において)以下のような性質を持つからです。

為替レートは標準偏差との関係上以下の確率分布を持ちます。

1標準偏差内(ボリンジャーバンドの内側の線の中)で為替レートが動く確率は68.3%

2標準偏差内(ボリンジャーバンドの外側の線の中)で為替レートが動く確率は95.5%

3標準偏差内で為替レートが動く確率は99.7%

 

 

このボリンジャーバンドの上の図を見ると、為替レートがほとんどがボリンジャーバンドの外側の線の範囲内にとどまっているように見えると思います。

先ほどの標準偏差の説明から、外側の線の内部にある確率が95.5%であることが分かりますので、常に外側のバンド内あるように見えるのは当然なのです。

 

 

ボリンジャーバンドの使い方

使い方1:逆張りに利用

為替レートが外側のバンドの内部にある(95.5%で)という性質から自然に発想する戦略は逆張りだと思います。

バリンジャーバンドで逆張り

上の図の赤い丸の個所でロング、青い丸の個所でショートですね。

この範囲内から外れた位置にある確率は、標準偏差の定義から4.5%程度なので、統計的に行き過ぎた水準といえて、逆張りには絶好のポイントにも見えます。

実際このような使い方をしている人も多く、成果を上げているともいると思います。

 

考案者が教えるボリンジャーバンドの順張り利用

しかし、ボリンジャーバンドの考案者であるジョン・ボリンジャーが進める利用法はむしろ正反対です。

為替レートがバンドで反発するって考えるのではなく、バンドに沿った値動きに順張りするという利用法をジョン・ボリンジャーは推奨しています。

ボリンジャーバンドで順張り

上記の例の青く囲った箇所のように、バンドに差し掛かったレートはしばらくバンドに沿って動くことが多くあります。

なぜ、バンドに沿う動きになるか説明します。

 

価格がバンドまで行っているのは統計的に珍しいこと。統計的に珍しい水準まで為替レートを進ませるには、それにふさわしい為替レートを動かす材料が当たったということ。それほどの材料を消化するには一定の時間が必要なので、しばらくはバンドに沿った動きが続くってことになります。

 

だから、ボリンジャーバンドを順張りに使うのもありなんですね。

 

バンドの拡大でトレンドフォロー

ボリンジャーバンドのバンド幅を利用法

ボリンジャーバンドのバンド幅の拡大から、トレンドを認識して、そのトレンドに追随する方法です。

バンドの幅が狭い箇所で、ボラティリティが低い状況を示します。 

そのバンドの幅が狭い(ボラティリティが低い)状態から、バンドの幅が広い(ボラティリティが高い状態)に移行するときには、重要な市場環境の変化が起きたことが想像されます。だったら、為替市場にトレンドが発生すると考えて、そのトレンドに乗ろうって発想ですね。

上の参考図の例は典型的で、緑で囲ったバンド幅が狭い状態から、バンド幅が広い状態に移行しています、それとともにドル安円高トレンドが発生していますね。 

 

ボリンジャーバンドの使い方まとめ

ボリンジャーバンドの基礎的な意味合いから、簡単な使い方をご説明しました。

ボリンジャーバンドは、そのバンド内に価格が収まりやすいという性質から直観的に発想しやすい逆張り的利用法。

それと反対のボラティリティが拡大していることに中もした順張り的な活用法。

両方とも理解して、ボリンジャーバンドを活用したいですね。

IMFラガルドが警告するドル高の問題点。ドル高の時は新興国通貨への投資はやめよう

ドル高は日本にとってはポジティブな要素が多い

ドル高は円安とセットで発生しやすいため、日本にとってはポジティブに語られることが多いと思います。円安ドル高によって、円貨建ての資産の価値は減るわけですが、日本の生産コストが下がることによるメリットの方がトータルでは大きい、との見方が一般的です。

また、世界最大の市場である米国で、日本製品が競争力を保ちやすくなる効果もあります。いくら生産の海外移転が進んだところで、日本からの一定の部品輸出などはまだまだ大きなシェアを占めています。

円高と円安のメリット・デメリットはよく議論になりやすいので、記事にしています。 


ドル高で苦しむ国

しかし、世界では日本のようにドル高を好感できる国ばかりではありません。

日本が上記のような円安のメリットを享受できるのは、自国内で資金を調達できるからです。自国内に資本の蓄積が乏しく、海外で資金を調達でせざる得ない国は、ドルでの借金を抱えています。

ドルで借りたお金は、当然ドルで返さなければなりません。

自国通貨安ドル高が起きれば、それだけドルを返すことが大変になります(借金返済により多くの自国通貨が必要になる)。

ドル高(自国通貨安)で借金の重みが増すことで、その国自体や当該国の企業が債務不履行に陥るというのは、新興国の歴史の中では頻繁に起きていることです。

 

IMFラガルドの警告


IMF のラガルド専務理事はドル高が世界経済にもたらす影響について、次のように警告しました。

「米国の金融引締めがユーロ圏や日本の追加緩和と同時に進むならば、さらなるドル高となる可能性がある」

「この場合新興国は、ドルエクスポージャー(ドル建て借金)をとっている企業を中心としたセクターが、さらに不安定となる恐れがある」


また、フランスの経済学者であるジャン・ティロール氏は以下のように述べています。

「ドル高となれば、為替のボラティリティが高まる可能性もある。そうしたボラティリティは、先進国の間の金融政策の相違だけではなく、今後の見通しや政策対応に対する全体的な不透明感によって生じる可能性がある」

 

上記発言は、米国のみが金融緩和から脱却したことで、ドル高が進み、新興国(及びその企業)が苦しむこと(もしくはそれを契機にした金融不安が起きること)を警戒しているように聞こえます。

 

金融緩和を続ける国にも悩み

米国と反対に金融緩和を続ける主要先進国にも悩みはあります。日本もユーロ圏も自国内で資金調達が賄えるため、金融緩和による通貨安はトータルではプラスに働きます(だからこそ、金融緩和を継続しているわけですが)。

 

しかし、度重なる金融緩和でその効果が徐々に減退しているのではないかとの見方が(株式市場や為替市場などの)金融市場では支配的になってきました。2015年末に、日銀とECB(欧州中央銀行)が相次いで中途半端な金融政策を表明して市場を失望させたことで、中央銀行の政策余地自体が疑われていることもあります。

 

ブンデスバンクもユーロ圏の金融緩和とドル高に警鐘

ドル高は米国初の材料によって起きるだけでなく、周辺国の金融緩和によっても起こります。

ドル圏に匹敵する経済規模を持つユーロ圏が行う金融緩和は、ドルを上昇させる力を持っています。

ブンデスバンクのワイトマン総裁は先週火曜日にパリで、「短期的には、金利低下は銀行の利益になる。彼らの負債は資産よりも償還期間が短く、再調達コストの方が金利より先に低下するからだ」

と述べています。これは、銀行が長期の資金を貸し出して金利収入を得ているのに対し、銀行の資金調達は短期資金であるため、金利低下するとまず資金調達コストが下がり、利益を得られるという意味です。

しかし警告として「だが低金利が続けば続くほど、受取利息収益が減少する」と述べています。

短期的には、銀行は資金調達コストの低回で利益を得るが、長期間の金利低下は彼らの利益の源泉である金利収入を減少させるってことですね。

 

こうしたことも、発展途上国に資金提供している欧米金融機関の体力を奪うことで、新興国危機が懸念される要因になっています。

ドル高をもたらす要因はいろいろありますが、結果的に新興国危機に繋がりやすいことは困ったところです。

ドルが一方的に上昇する局面では、インドルピーやトルコリラに代表されるような新興国通貨からは距離を置きたいものです。 

海外業者のFX口座のメリットとデメリット。追証が無いのは良いです

海外FX口座のまとめ

海外のFX業者は日本の規制の監督外にあります。そのため、日本では提供できないサービスが受けられるなどのメリットがある反面、緩い規制やそもそも無登録業者が普通に営業しているなどのデメリットもあります。

海外FX口座のメリットとデメリットをまとめます。

海外FX業者のデメリット

出金トラブルが多い

海外FX業者が絡んだトラブルと言ったら、まずこの出金がらみのトラブルが連想されます。

この出金トラブルというのは、お金を引き出したいときにFX業者が出金に応じないことです。

出金できない限り、いくら利益を稼いでもまったく意味がないので、これは最悪クラスのトラブルでしょう。

出金トラブルを引き起こす無登録業者

FX業者は金融庁への登録が必要です。これは、日本人(正確には日本の居住者)を相手にFX証拠金取引業を営むなら、海外のFX業者であろうと同様です。

しかし、実際には金融庁に登録していない業者が、日本人を相手に事業を行っているケースがあります。

そうした無登録FX業者は、日本の法律を無視している段階ですでに高リスクなわけですが、さらに日本の悪質な自動売買システム販売業者と提携して詐欺的行為を行っているから要注意です。

自動売買で数字だけ買ったことにして、追加の入金を誘って、出金には決して応じない、というトラブルが国民生活センターには多数寄せられているようです。

海外FX業者のトラブル

 

儲かってるのに出金できない!?海外FX取引をめぐるトラブルにご注意−自動売買ソフト等を購入させ、海外FX取引に誘う手口−(発表情報)_国民生活センター

100%の信託保全がなされていない場合がある

日本のFX業者は、基本的に100%信託保全がなされていて、顧客の資産は分別管理されています。これは、日本の法律(金融商品取引法)が信託保全を求めているからで、日本の法律に規制されない海外FX業者は完全には信託保全を行っていないケースがあります。 

海外送金が面倒

日本のFX業者やネット証券は金融サービスが非常に発達していて、入出金に手数料は基本的にかかりません。また、入金はリアルタイムに認識して、すぐに売買余力に反映します。 

 

しかし、海外FX業者ではこうはいきません。

まず、海外のFX業者は日本ほどシステム投資をしていない会社がほとんどなどで、システム基盤がぜい弱です。日本はITが弱い、みたいに言われることも多いですが、FX証拠金業者やネット証券に限れば世界でもこれほど進んでいる国はありませんし、IT投資してきた金額も多額なのです。

 

また、本質的に海外のFX会社にお金を送金するいうのは、海外送金をするということなので、コルレスバンクを経由する必要があったりといろいろ面倒なのです。

海外に送金するってことは、通常の海外送金手数料以外にもリフティングチャージ(海外にお金を持ち運ぶ料金)もかかるので、手数料もかさみます。

税金上の取り扱いが若干不利

必ずしも海外FX業者の方が、税務上不利なわけではないのですが、ふりになることが多いのでデメリットと考えています。

国内FX業者の場合は一律で約20%の税金がかけられる(申告分離課税)のですが、海外FX業者の場合は他の所得と合算して課税されます。

海外FX業者と業者と国内FX業者の業者の税金業者の税金比較表

一定の収入がある人には負担増になることが多いです。

 


金融当局に登録していない要注意業者

日本の居住者を相手にFX事業を営むには金融庁への登録が必要です。

金融庁ではHP上で無登録なのに日本人向けに営業している海外FX業者を定期的に公表しています。 

無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について : 金融庁

定期的にアップデートされているので、海外FX業者で口座を開こうと思ったら確認したほうが良いでしょう。

 

 

海外FX業者のメリット

高いレバレッジ

日本の法律ではFX証拠金取引のレバレッジは最大25倍に制限されています。50万円入金して、1,025万円の取引ができるってことですね。

このレバレッジはかつては最大400倍まで可能だったのですが、これが2010年から50倍に、 2011年からは現行の25倍まで引き下げられました。

これはレバレッジ競争の過熱を警戒してのものです。

 

一方で海外のFX業者は、日本のレバレッジ規制の影響を受けておらず、現在でも400倍から888倍の高レバレッジを提供しています。

 

高すぎるレバレッジはもろ刃の剣でメリットばかりとも言えない部分はあります。しかし、高レバレッジを提供されても必要ない場合は使わなければよいだけなので、通常は選択肢がある分メリットと考えて良いでしょう。

透明性が高いインターバンク直結価格

海外のFX業者は、顧客の注文をそのまま為替取引の中心地であるインターバンクに流す仕組みを採用しています。

これをNDD(No dealing desk)方式と呼びます。

この方式は、日本のFX業者が採用しているDD(Dealing desk)方式と比べ、スプレッドは広くなりがちですが、価格に信頼性があるとされ好む人も多いです。

 

入金ボーナスの存在

 海外FX業者の人気の一つが豊富な入金ボーナスです。日本のFX業者も口座開設や初回入金に対して1~2万円程度のキャッシュバック・キャンペーンを行っていますが、海外FX業者は額がすごい。

海外FX業者のXMは、初回入金に2倍のボーナスを付与しています。

100万円入金したら、証拠金が200万円になるわけですね。

 

ただし、この入金ボーナスは引き出すことが出来ないので要注意です。

入金して、ボーナスをもらって、出金、みたいな裏技はできないってことですね、当たり前ですが。

 

なお、この入金ボーナスが引き出せないという点は、あまり理解されていないケースが多く、出金トラブルと間違われがちです。

入金元本分や利益分を引き出せないのは出金トラブルですが、入金ボーナスはそもそも引き出すためにあるわけではなくて取引に使ってもらうためにあるので、引き出せないのは当たり前。

でも、悪質海外FX業者が実際に出金トラブルを引き起こしているだけに、優良(というか通常)業者までも誤解されやすい環境にあるわけですね。

 

追証が必要ない

わたしが考える海外FX業者の最大のメリットは、この追証がいらないゼロカットシステムを採用していること。

日本のFX業者だと、相場が急激に変動してロスカットが間に合わない場合は、証拠金がマイナスになる可能性があります。

しかし、海外のFX業者はゼロカットというシステムを採用している業者があります。このゼロカットとは、FX業者が責任をもってロスカットしてくれるってこと。

為替相場の急激な変動でロスカットが間に合わなかったとしても、口座がマイナスになることはなくて、ゼロ円以下にはなりません。

海外FX口座は大きなレバレッジがかけられる仕組みなので、口座がマイナスにならないのは良いですね。 

 

FX取引のロスカットというのは、為替市場が急激に動く際には、本質的に間に合わないものです。為替市場の流動性には(他の金融市場に勝るものの)限界があります。

そのため、ロスカットの注文を入れていたり、業者がロスカットラインを設定したとしても、それを大幅に割り込んだ値段でしか、ロスカットできない事態は発生する可能性があります。

めったにない事象ですが、スイスフランショックの時はまさにそうでした。

 

このとき、海外のFX業者はゼロカットを採用していたため、倒産した業者が出ました。

日本のFX業者のように、顧客の口座がマイナスになったらその分、顧客に請求できればFX業者は倒産しにくいわけですが、マイナス分を自社でかぶらないシステムを採用していたので倒産してしまったわけですね。

裏を返せば、海外FX業者の顧客は、口座がマイナスになるくらいの損害を出したのに、ゼロ円になっただけで済んだってことなので、経済的なメリットは計り知れません。

 

万が一の事態というのは起こりうるので、ゼロカット制度がある海外FX業者は利用価値があると考えています。

 

自動売買が使いやすい

MT4などを利用した自動売買を行う場合は、海外FX業者は使いやすいです。

それは、スキャルピング的な超短期モデルを使う場合、高いレバレッジをかけられた方が、資金効率が良いからです。

主要な海外FX業者一覧

XM(Trading Point of Financial Instruments Ltd.)

日本人が一番使っているFX業者。

最大レバレッジは888倍、インターバンク直結のNDD方式を採用。

約定力が高いと言われ、リクオート(Requote、注文執行エラー)なしです。

海外FX業者は国内業者よりスプレッドは広めですが、XM Zero口座にすれば低スプレッドで取引でします。

日本人が使いやすいように配慮されているFX業者で、無料日本語ウェブセミナーなど初心者でも利用可能になっています。

 

 

Pivot Markets(Pivot Markets International Inc.)

Pivot Marketsは電子的に顧客注文をすべてインターバンクに流すSTP方式と呼ばれる注文形態をとっています。STPとはNDDの一種で透明性が高い取引価格を提供可能です。入出金サービスに強みがあり、10,000ドル以下ならAPI接続によって自動的に入出金を反映してくれます。ここも日本人スタッフが常駐しています。

最大レバレッジは500倍。

 

Traders Trust(TTCM Traders Trust Capital Markets Limited)

Traders Trustは約定力に強みがあると言われています。約定スピードは40ミリ秒で99%の顧客の注文を執行します。最大レバレッジは500倍。

 

FXにもっとも影響を与える雇用統計について詳しく解説する

雇用統計の重要性

FXで重要視しされる指標というのは世界最大の経済大国である米国の経済指標になります。

その中でも、米国の雇用情勢を占う米国雇用統計の重要性は圧倒的です。

米国の金融政策を司るFEDは、米国の物価だけでなく、雇用にも責任を負っているので、雇用統計を見ながら金融政策を決定します。そのため、雇用統計は米国の金融政策を占うものとして超重要なのです。

雇用統計とは

雇用統計とはその名のとおり、米国の雇用情勢を分析した統計です。

毎月第一金曜日に発表があるので、この日はFX市場は最も盛り上がります。

金曜ロードショウにスタジオジブリの作品が放映されると雇用統計が悪くなるっていうジブリの法則(ただのアノマリーであって、法則と呼ばれているが本来の意味での法則ではない)というものがありますが、雇用統計が金曜日だからジブリ作品とバッティングしやすいのですね。

特に、風の谷のナウシカの滅びの呪文バルスが出てくる時間帯が、ちょうど雇用統計の発表時間と近いという(夏時間か冬時間かでことなる)面白い偶然があります。

 

この雇用統計では、さまざまな雇用関連の指標が発表されるのですが、なかでも重要なのが以下の二つになります。

・非農業部門雇用者数

・失業率

非農業部門雇用者数とは

非農業部門雇用者数とは、米国の雇用者のうち農業部門の雇用者を除いた雇用者数の増減を示したものです。

よく、「雇用統計で米国の雇用が20万人増えた」みたいに言うときの雇用者数は、普通はこの「非農業部門雇用者数」を用います。

全米の家計と企業数十万社から集めた統計なのでとても信頼されています。

失業率とは

失業率とは、その名の通り米国の労働人口のうちどれくらいの人が働いているかを指名している統計です。

失業率が高いと、アメリカのマンパワーが有効に利用されていないっていう意味なので、米国の潜在成長率が発揮されていない状態と捉えられます。

失業率が高いと為替はどうなるのか?

そうした状態を避けるために、高失業率状態では、金融緩和政策が取られて景気を過熱させようとします。

FEDは市場にドルを増やすことで金融緩和を行うので、ドルがあふれ出します。それが、ドル売りにつながり、為替市場はドル安になります。

反対に、失業率が低くなると、インフレを恐れてFEDは金融引き締めを行うので、ドルが市場から減少します。これはドル不足からのドル買いを招き、為替市場はドル高に向かいます。

労働生産性の低下が雇用統計を減速させた場合、円相場への影響は?

円ドル相場は、米国の生産性によっても影響を受けます。生産性の低下は期待インフレ率を高めるため、 仮に Fed が利上げしても、期待インフレによるドル安効果が、利上げによるドル高効果を相殺するからです。これは米国の実質金利が低下する効果で日米金利差が縮小するからです。

そして、労働生産性の低下は、しばしば雇用統計に表れます。

労働生産性が低下する局面では、雇用市場が緩んでいるので、雇用統計が悪化しやすいのです。

こうした労働生産性を映す鏡としても雇用統計は使えます。雇用統計は、労働生産性の動向を通じて、米国の実質金利を推測させ、日米金利差からのドル円予想を行うのに役立つ、といえます。

雇用統計のあまり知られていない事実

雇用統計は推計値

米国の雇用統計の発表」とされているのは、月初めの第一金曜日に発表される「第一次推計値」の事を指しています。

この、第一次推計値の情報収集の方法としては、労働統計局によって準備された全米調査票によって、調査月の12日を含む週の労働調査を中心にデータを取り、12日を含む週の調査終了から3週目の金曜日に、第一次推計値が発表されるという手順になります。

第一次推計値での調査票回収率は60%と目途としています。

 

すなわち、多くの人が見ている雇用統計は、実は米国の雇用統計の60%に過ぎないのですね。

 

残りの40%はどうなるかというと、翌月以降の発表時に順次追加してアップデートしていきます。翌月で80%、翌々月で90%の調査票回収(統計データへの反映)が目安になっています。

 

だから、雇用統計を見るときは、その月の発表だけでなく、前月の発表内容の修正にも目を配るようにしましょう。

「失業率」と「非農業部門雇用者数」は、じつは別の調査に基づく

雇用統計で重要なのは以下の二つだという話をしました。

・失業率

・非農業部門雇用者数

しかし、上記の「失業率」と「非農業部門雇用者数」は、実は別の調査ベースに基づいています。

どういうことかというと、実際に過去の雇用統計で以下のようなことがありましたので、それを実例にします。

 

2013年のある月の雇用統計で以下のようなことがありました。

・非農業部門雇用者数は前月比 20.4万人増となり、市場予想(同 12.0万人)を大きく上回った

・失業率は 7.3%と 9月(7.2%)から上昇した(失業率の上昇は当然悪いこと)(市場予想:7.3%)

 

雇用者数は事前予想を上回る⇔失業率は事前予想を下回る

 

という結果になって雇用者数数と失業率が不整合に出てしまったのです。

 

どうしてこうゆうことが起きるのでしょうか。っていうのが今回言いたいことです。

 

実は雇用統計とひと言でいっても、実はこの指標、

・事業所調査

・家計調査

の二つの経済指標から成り立っています。

・失業者数は事業所調査

・失業率は家計調査

で調べたものが、発表されます。

 

よく数(雇用者数)と率(失業率)が不整合な結果になった際の解説として、労働参加率の議論が出ます。それは正しいのですが、そもそもにおいて、全く別の調査内容に基づいた結果を同時に発表しているってことを認識しておくのが非常に重要です

 

このことが当時の米雇用統計に作用したかと言えば、調査期間において米国の政府部門の閉鎖という特殊イベントがありました。

政府閉鎖の影響で自宅待機になった連邦職員は 45万人もいます。この45万人をそれぞれの統計がどのようにカウントしているかというと

 

事業所調査(雇用者数)

事業所調査上は「雇用者」にカウントされている。

 

家計調査(失業率)

家計調査上は、「失業者」とカウントしている。

 

全く逆の計上方法をとりました。この45万人のブレは大きいですよね。

 

このように、雇用統計はとても重要な指標なのですが、少し癖を持っています。

その癖も理解しながら、FXに取り組みたいですね。

 

 

 

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