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なぜDMMFXの評判がいいのか。サブFX口座として使って感じたメリット

DMMFXを利用して感じたメリットをまとめ

DMM.com証券はFX取引で取引シェア世界No1をGMOクリック証券と争っているFX会社です。その評判に惹かれて口座開設し、しばらくサブ口座として使っています。

評判が良いだけあって、なかなかの使い心地。

今回はDMMFXの評判がなぜ良いのか、実際に使ってみた感想をまとめます。

DMMFXのスワップポイント

スワップポイントが売り買い同等

わたしが考えるDMMFXの大きなメリットの一つがこのスワップポイントが売り買い同等なことです。

どういうことかというと、本来スワップポイントというのは通貨間の金利差から発生するものなので、高金利通貨を買ったときにもらえるスワップポイントと高金利通貨を売ったときに支払うスワップポイントは同じ値のはずです。

しかし、多くのFX業者でスワップポイントに売りと買いに差を設けています。

良くない例で申し訳ないのですが、SBIFXのスワップポイントは以下のようになります。

SBIFXのスワップポイント

右端のSWがスワップポイントですが、売りと買いで金額が異なっているのがわかると思います。

すべての通貨ペアで、マイナスの金額がプラスの金額よりも大きくなっています。

これは、利用者が金利(スワップポイント)を支払う場合は高い金額を支払い、反対に金利を受け取る場合は低い金額を受け取ることを示してます。

利用者にとって良い仕組みではないですよね。

 

一方で、DMMFXがどうなっているかというと

DMMFXのスワップポイント

このようになり、売りと買いのスワップポイントが(絶対値ベースで)等しくなっています。

これは金利差に応じた妥当なスワップポイントがついていると評価できるので、利用者にとって有利な仕組みといえます。

 

決済しなくてもスワップポイントが受け取れる

スワップポイントを受け取るタイミングは、

  • 保有していた通貨ペアを決済した後に受け取る
  • 保有したままで、毎日スワップポイントを受け取る

という2つのパターンがありますが、DMMFXは後者です。これはくりっく365(為替取引所)と同様の仕組みであり、一般的に利用者に有利と考えられています。

 

 

この辺のスワップポイントの仕組みだけで、DMMFXの評判が良い理由は分かります。

 

DMM FXは初心者向け

 

DMMFXのレバレッジ

DMMFXのレバレッジは25倍で固定されています。レバレッジの25倍というのは、50万円の入金で1250万円の取引、4万円の入金で100万円相当額の取引ができるということですね。

SBIFXなどはレバレッジを変更できますが、DMMFXは日本の法律の上限である25倍のレバレッジで固定になっています。

レバレッジを引き下げる(25倍が上限なので変更は引き下げのみ)メリットは安全性の向上ですが、安全に取引したければ少ないロットで取引すれば良いだけなので、レバレッジ25倍が悪いということはないでしょう。

DMMFXはスプレッドが狭い

DMMFXのスプレッドは全通貨的にかなり狭い水準です。

DMMFXのスプレッド

ドル円で0.3銭のスプレッドは、SBIFXの0.27銭に次ぐ水準で十分な競争力があります。 スプレットはFX取引会社のコスト競争力そのものなので、スプレットが安いDMMFXはコストが低い、FX取引歴が浅い投資家にもおすすめの会社と言えます。

ドル円以外のスプレッドについても、全般的に狭いと言われる水準で、NZドル円など高金利通貨のスプレッドが狭くなっているのが日本人投資家には評価される部分でしょう。

FXトレードツールが充実

DMMFXはトレードツール(取引ツール)が充実しています。以下の3種類のトレードツールがあります。

最も情報豊富なDMMFX plus

DMMFX plus

DMMFX plusは一番標準的なトレードツールで、最も高機能なものです。

慣れるまではこれを使うのが良いと思います。

左下のストリーミング画面をたくさん出したり、チャートをカスタマイズしたりして、自分好みの画面にしましょう。

高機能な分、古いPCだと少し動きが重いという情報もあります。

取引しやすいDMMFX Advance

DMMFX Advance

DMMFX Advanceは、Plusと比べて機能が省かれています。でも、(情報収集は他でやって)トレードするだけなら、かえって使いやすいって面もあって人気があります。

わたしもAdvance派です。

Advanceでも十分チャート機能が充実しているんですよね~フィボナッチやMACDなど基本的なテクニカル指標はすべて見れます。

他の情報端末なり、FX業者の情報を変更して見ながら使うのに便利です。

 

スマホとほぼ同じDMMFX mini

DMMFX mini

パソコンの大きな画面にこれだけ出ると、ちょっと笑ってしまうようなビジュアルをしているのがDMMFXminiです。

ストリーミング取引画面のみを抜き出したようなトレードツールでまさに取引特化。

プレミアムチャートで指標発表時の値動きが分析できる

FX取引で最も大きなイベントは経済指標の発表です。

この経済指標発表時に各通貨がどのように動くか理解することは、FXの成功に直結します。DMMFXはプレミアムチャートという機能で、経済指標と為替の値動きの関係を分かりやすく可視化してくれます。

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外貨を持っているとき、その国でこれから起きるイベントとそれが為替にどんな動きを与えるか、を調べやすいのはめっち便利ですよ~

米国雇用統計の重要性は言うまでもありませんが、オーストラリアやニュージーランドの政策金利変更など自分が取引する通貨に合わせてチェックすることをお勧めします

DMMFXのモバイル対応

DMMFXのスマホアプリの取引画面もこのminiに近い作りになっています。

iphone、androidともにモバイル用のアプリもそこそこ使い勝手が良いです。

ガラケーにも対応しており、docomo,au,softbankの3大キャリアはすべて対応しており指値や成り行きはもちろん、逆指値、IFD、OCO、IFOなどの特殊オーダーも利用できます。

DMMFXのアプリは外為ジャパン等と一緒

FX会社のアプリなどは専門のソフトウェア会社に作らせています。

そのため、似たようなシステムを使っている会社があったりするのですが、DMMFXのアプリは、「外為ジャパン」と「みんなのFX」と似た作りになっています。

両社と取引がある人は使いやすいと思います。

デメリットはスキャルピングに不向きなこと

DMMFX証券はFX口座の約款で過度の回転売買等の制限を盛り込んでいます。

これは、スキャルピングなどの超短期取引を禁止しているわけではないものの、あまり歓迎していないことを表明していることになります。

DMMFXの約款

実際に、このサイトにも、DMMFXではスキャルピングをすると滑りやすい(スリッページが大きい)という情報が寄せられています。

経済指標の発表時や大きなニュースが出たときは、ちょっと弱めになりますね。

 

そのため、スキャルピングをメインにしたい方はその他のFX会社をメイン口座にした方がいいでしょう。価格が滑るという情報もあります。

短期売買に強く、約定力に定評がある会社としては「はっちゅう君FX」の評判が良いGMOクリック証券などがあります。また、約定力が高くスキャルビング向きなマネーパートナーズも優れたFX業者です。

 

DMMFXは、総合力が高くて、一部のスキャルパー以外の人には本当におすすめできるFX会社です。しかし、超短期トレードを主戦場にする方は他の選択肢を模索した方が良いでしょう。

反対にスイングトレードには最強のFX業者

DMMFXは超短期トレードであるスキャルピングにはあまり向きません。 

しかし、数日から数週間単位でトレードを行うスイングトレードなら話は全く別です。

狭いスプレッド、売り買いどちらでも有利なスワップ金利と良い条件がそろっており、スイングトレーダーには最高のFX業者の一つでしょう。

その他のメリット

キャンペーンが豊富

FX口座の評価として、決してメインの評価項目ではないと思いますがキャンペーンが豊富にあります。

口座開設して一定の取引を行えば、20,000円のキャッシュバックが得られます。

この2万円って実に大きい金額で25倍のレバレッジを掛けることで、50万円相当の軍資金になります。失ってもともとのお金を考えれば使えますね。

なお、キャンペーンのキャッシュバックを受け取るには、1000Lot通貨の売買が必要です。

しかしDMMFXでは、現在スマホユーザーの獲得に注力しているので、スマホなら500Lotの取引で最大20,000円もらえます。

スマホを使っている人なら、ぜひ利用したいお得なDMMFXの利用法です。

CFDが取引できる

FXをやっているとどうしても、原油やら金、米国株式(ダウ指数、SP500)、日経平均などを取引したくなる時があります。

為替市場は、原油や金、株式市場などと密接にかかわっているので、同時にトレードしたりモニタリング(観察)対象にしたくなったりするのです。
そんな時におすすめなのがDMMにはCFD取引。CFDという仕組みを使ってコモディティや株式指数などに投資できます。取引手数料も無料で、全額信託保全の対象です。

デモ口座、「バーチャル取引」が使いやすい

DMMFXのデモ口座では、「バーチャル取引」という名称で呼ばれています。

デモ口座なのですが、為替レートは実際の市場に連動しています。スワップポイントやスプレッドも同様で、極めて実戦に近いデモトレードができます。

デモ口座には否定的な意見も多く、実際にお金をかけてトレードしないと、メンタル的なトレーニングにはなりません。FXは、追い詰められた心理状態によって、非合理な行動をとってしまうことが、勝負を分けてしまいがちなので。

とはいえ、口座開設までに時間がかかるので、その間の練習に良いと思います。

  

利用には、利用規約と個人情報保護方針について承諾をし、氏名、ニックネーム、生年月日、電話番号、メールアドレスなどの情報を提供する必要があります。

サポートが充実 

電話サポートなどはどのFX会社もやっていますが、LINEサポートが面白い。スマホ一つで取引だけでなく、サポートまで完結できる体制になっています。

サポート体制が充実しているので、FX初心者や退職後に為替取引を始めようと思ったがPC操作(発注)に慣れていないという人にもおすすめできます。

ポイント還元制度

DMMFXでは、取引に応じてポイントが付与されます。このポイントが1ポイント1円でキャッシュバックされます。

DMMFXでは、取引手数料がありませんので、ポイントを考慮すれば、マイナスの手数料(ポイントを受け取る)で取引できるようなものです。

取引状況によってランクが分かれており、ポイントの還元率が変化する仕組みになっています。 このポイントは、CFD取引でももらえますよ。

さらに、取引回数に応じて「取引応援ポイントサービス」でポイントが倍々ゲームになっていくので、取引コストがどんどん下がっていくのが上級者にも良いですね~

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DMMFXの評判についてのまとめ

・サブ口座として利用してみた感覚としても、DMMFXの評判に良さには根拠があると感じた。

・特にスワップポイントの仕組みは優れている。スワップポイントの受取額と支払額が同じ金額なので、投資家に有利な仕組みになっている。

・また、ポジションを決済しなくてもスワップポイントが受け取れる。

・DMMFXはスプレッドが狭い

・トレードツールが優れている。

・スイングトレーダーにおすすめのFX会社。

・モバイル対応、スマホ対応が進んでおり、LINE(ライン)でサポートを受けることもできる。

・ポイント還元制度を活かせば、手数料は実質マイナス(FX取引してお金がもらえる)。

・CFD取引もできる。

・為替市場の情報提供サービス(トレードwebなど無し)は弱め。

通貨ペア充実の"DMM FX"

 

FX口座の比較方法を基礎からまとめたページ

 

初心者におすすめのネット証券ランキング。【2018年版】

現物売買の中心に初心者向けにおすすめのオンライン証券会社を挙げる

1999 年の株式委託手数料の自由化と IT 革命を背景に、インターネット経由のオンライン証券が急速に発展を遂げ、ネット証券会社が誕生しました。

売買手数料の安さや証券マンから煩わしい電話がかかってこないなどのメリットから、そのシェアは拡大の一途です。

オンライン大手 5 社(SBI 証券、楽天証券、松井証券、マネックスグループ、カブドットコム証券)の売買代金は、個人投資家の売買代金の 8 割超を占めており、いまさら手数料の高い対面販売の証券会社を選ぶ必要はないでしょう。

特に、初めて口座を開くならネット証券一択でしょう。

 

初心者向けということで信用取引(お金や株を貸し借りして行う売買)については考えず、現物取引(普通の株の売買)の有利さの観点から、おすすめのネット証券を挙げてみます。

特に2017年になって、これまで手数料競争を主導してきたSBI証券から覇権が後退している印象です。

最安手数料を提供する会社がむさし証券になったので、おすすめ度も調整しました。

 

手数料の比較

ネット証券の手数料比較

※GMOクリック証券は税抜き価格 

 

手数料を比較すると、1回の売買代金50万円以下の価格帯ではどこも安く、目立つのは松井証券の10万円以下手数料無料って部分でしょうか。ただ、10万円以下の売買をどこまでやるかというと、なんとも微妙・・・

 

高価格帯になればなるほど、各社の違いが際立ってきます。

安定して安いのが、SBI証券といったイメージでしたが、そこよりも明らかに低価格で攻めているのがむさし証券です。

むさし証券とライブスター証券は、知名度的には劣っていますが、かなりの格安手数料業者(ディスカウントブローカー)であることが確認できます。

手数料重視の人は、両社を選べば、最も手数料を節約できることは間違いないでしょう。

逆に松井証券の10万円以下無料も目を引きます。少額でやりたい人にはおすすめですね。

 

IPOへの証券会社の取り組みの観点

IPO(新規上場企業への投資)は当選すれば高い確率で利益が出るお宝です。これに積極的に取り組んでいる証券会社はぜひ評価したいところ。

 

しかし、残念なのはIPOはまだ大手の対面式証券会社の独壇場です。こういった証券会社は、大口顧客を優遇するため初心者は難しいかもしれません(SMBC日興証券だけは比較的小口顧客も優遇している)。

 

ただし、ネット証券でもチャンスはあります。特にSBI証券は多くのIPOの幹事団に入っており、ここに口座を開けば抽選に参加するチャンスがあります。

また抽選に外れても、IPOポイントが蓄積する仕組みになっており、応募し続ければ小口投資家でもいつかは、何倍にも上昇するような期待のIPO銘柄に当選できる親切設計。とりあえず開いておいて損がない口座です。

 

 

また、マネックス証券とカブドットコム証券は、IPO抽選を金額にかかわらず完全平等で行っているので、小口の投資家にもチャンスがあります。とりあえず口座を開いて、少額のお金を入れておいてIPOに挑戦しまくることも可能です。両社ともSBI証券よりもIPOの取り扱いは少ないのですが、その他のネット証券と比べれば、比較的参加のチャンスはあります。

 

それでは総合ランキング

 

同率1位 SBI証券

とりあえず証券口座を開くとしたらここしかないってくらいのドメジャー。

面白くない結論なのですが、Eトレード証券と名乗っていたころから不動のトップシェアのSBI証券を1位にするしかありません。

手数料の競争力、IPO株の仕組みも繰り返せば初心者でも当選可能な仕組みで、スマホからの注文もやりやすいです。

また、海外株式が外貨のまま取引できるのも、魅力的。余計な為替手数料がとられません。

会社四季報が無料で見れらるのも良いですね。

 

トレードツール「HYPER SBI」は、見やすいチャートなど初心者が必要とする機能を過不足なく取り込んでいて、使いやすいです。

NISA(ニーサ、個人の少額投資家向きの税金優遇制度)への対応でもトップクラスで、SBIのNISA口座は海外株まで利用できます。

金融グループとしての総合力が高く、FX、ソーシャルレンディングなど幅広く事業領域を広げています。 

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同率1位 GMOクリック証券

GMOクリック証券の評価ポイントは手数料の競争力の高さと株式売買システムの使いやすさ。

SBI証券に匹敵しているので、同率1位としました。

メイン口座として十分なパワーがあるって思っているのが、SBI証券とGMOクリック証券なので少なくともどちらかの口座が欲しいですね。

 

この会社のトレードツール「スーパーはっちゅう君」は本当に評判が高いです。

GMOをITの会社なので、トレードツールの便利さは他社を抜きんでています。

独自機能の「株価強度分析」や「株式同一気配約定情報」は、ぜひ使ってほしい機能です。無機質な株価に色がついて見えるような感覚さえ味わえるでしょう。

株を売買しやすいのはどの証券会社かという、基本に立ち返ったときGMOクリック証券を推したくなります。

大手企業の傘下にあるため、信用力もあり、継続的にシステム投資もしています。

FXでも定評のある発注システムで、きびきび現物取引を行い人におすすめ。

NISA口座の取引手数料を永久に無料にすると宣言している点も良いです。 しかし、NISA口座での投資信託の取り扱いがないのは少し残念。

3位 マネックス証券

マネック証券は、手数料の観点からはそこまで魅力がないイメージですが、実は30万円以下の売買料金帯ではSBI証券をしのいでおり、使い方によっては競争力が高いです。

 

 

商品ラインナップを強化して顧客獲得を目指すっていう正統派の戦い方をしているのがマネックス証券なんですよね。

 

また、IPOへの参加しやすさ、小口個人投資家への抽選方式の配慮も高評価。普通に使いやすい証券会社です。

マネックスG は国内向けの新規プラットフォームの提供を開始する等により、手数料の引き下げではなかなか行わない方針ですが、細かい手数料の違いよりもサービスの充実を重視する人はぜひ。

 

オンラインセミナーの充実度が最も高いのもマネックス証券ですね。

社長は元ゴールドマンサックス証券で米本社のリミテッド・パートナーまで上り詰めた松本さんですし、本格的な投資家との人脈が豊富で面白いセミナーを行っています(有名投資ブログであるマーケットハックの広瀬さんもマネックスでセミナーを行っています)。

マネックス証券

マネックスもNISA口座が素晴らしくて、通常手数料が高い米国株や中国株の購入手数料が無料になっています。

4位 むさし証券(トレジャーネット)

一位をSBIネット証券にするとあまりにも世の中のランキング通りなので、わたしはあえて むさし証券を推しておきます。ただ、独自すぎるのも世の中の相場とかい離して記事としての信ぴょう性が下がるので、同率1位にしておきます。

やはり、圧倒的な手数料の安さを考えると、ランキングの根拠として一位にするしかなかったのです。

ちなみにこのようにランキングを変えたのは2017年に入ってからで、むさし証券の手数料引き下げ後です(2016年1月時点では選外にしていました)。

ネット証券間の手数料競争は、完全に収まっているので、現在安いむさし証券を使っておくのが長期的にも最も手数料が節約できると考えます。

 

 IPOへの応募も10%が完全平等抽選で少額投資家でも当たりやすく、平均預入金額が100万円以上で抽選回数が増えるなど、ハードル低めの優遇抽選も初心者投資家にやさしいです。 

 

この記事では評価の対象外にしていますが、信用取引金利でも圧倒的な安さNo1なので、将来的に信用取引にも取り組みたい方にもお勧めです。

5位 ライブスター証券

ライブスター証券の特徴な圧倒的な手数料の安さ。特に1取引当たりの価格が高額になったとき真価を発揮します。

300百万円の取引を行っても手数料はたったの600円。SBI証券ですら920円かかるため、業界再大手と比較して手数料で買っていることは、選ぶ理由としては十分でしょう。

ライブスター証券

 

6位 松井証券

昔はネット証券といえば松井証券だったようですが、現在では少しシェアと落としています。それでも松井証券の特徴である「10万円以下の手数料が無料」は大きなメリット。投資の仕方がマッチするならぜひ、おすすめしたいです。

株主優待のクロス取引で活躍する証券会社です。 

 

7位 カブドットコム証券

カブドットコム証券については、手数料の割引キャンペーンなどやトレードシステムの改善で競争力を向上させています。システムを独自開発しており、システム負荷が小さく、速度の速いシステム提供を競争力としています。また、優れたシステムを活かして個人ごとに異なるキャンペーン(女子割やシニア割、NISA割りなど)を行っています。

上級者向きになってしまいますが、注文条件をリスト化して一括発注するシステムは、日経取引との裁定を意識する取引にも利用できて、将来的にはぜひ使いたい証券会社です。

 ミニ株への取り組みはカブドットコム証券が最も優れています。

8位 楽天証券

 楽天証券はSBI証券の後ろをずっと追いかけている印象ですが、パソコンでのトレードツール「マーケットスピード」は金融機関が用いる専門的な情報端末にも劣らない出来と評判。スマホアプリの「iSPEED」の評価も高く、おすすめできます。

個人的にはあまり好きではないですが、こつこつ買っていく1,000円積み立てなどのNISA対応サービスがあります。

 

 

 

信用取引のコストはどのネット証券が安いのか?

上記のランキングは、初心者向けということで基本的に現物株手数料のみで比較しています。

しかし、なかには信用取引の利用を将来的に考えたいって人も多いでしょう。

信用取引を利用すれば、優待クロス(株主優待券のタダ取り)など個人投資家に人気の投資手法も利用できます。

そのため、信用取引のコストを考慮したネット証券ランキングも作成しました。

ネット証券の信用取引コスト比較

信用取引のコストは、少し複雑で信用買いの時と、信用売りの時で内容が違ってきます。

信用買いのコスト

信用買いの時は、以下の売買手数料と金利の合計で決まります。

  1. 売買手数料
  2. 金利(制度信用、一般信用)

信用買いというのは、お金を借りて株を買う行為なので、借りたお金に金利がかかるわけですね。

 

制度信用と一般信用というのは、以下のような性質があります。(難しいので少しづつ覚えていけばよいと思います)

  • 制度信用:日証金(日本証券金融)が信用取引をできると保証している銘柄を、日証金が用意した制度(売買期間6か月などの条件)の範囲で行う信用取引。逆日歩がある。
  • 一般信用:証券会社が独自で用意した信用取引(そのため、日証金が信用取引できると指定していない銘柄についても売買できる。ただし、高コストになりがち)。逆日歩はない。

 

信用売りのコスト

一方で、信用売りの時は以下の売買手数料と貸し株料でコストが決まります。

  1. 売買手数料
  2. 貸し株料(制度信用、一般信用)

 

これらの要素を整理して、グラフ化すると以下のようになります。

 

信用取引のコスト比較

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 信用取引の比較表を見ると、いくつか特徴点が浮かび上がります。

  • 手数料は、SMBC日興証券(いくらでもゼロ円)と松井証券(10万円以下ならゼロ円)、GMOクリック証券(いくら取引しても93円)とトップ3の安さ
  • 信用買いの時の金利は、制度信用、一般信用ともに、むさし証券が最も低金利
  • 信用売りは、どこもあまり変わらないが、GMOクリック証券が結構安い。しかも、表では書いていないが500万円まで93円(税抜き)。

こうした観点から比較を行うと、トレードスタイルごとにおすすめの証券会社が変わってきます。

短期(デイトレ)中心の人

一日で売買を終わらせてしまうような短期トレードをやりたい人に、最もおすすめなのが、SMBC日興証券とGMOクリック証券ですね。

SMBC日興証券の手数料が一切かからないのは大きいです。

また、GMOクリック証券の93円(税抜き)もタダみたいなものなので、この2社が2強でしょう。

ただ、SMBC日興証券は大手対面証券なので、初心者が投資しやすいネット証券としては、GMOクリック証券が使いやすいとは思います。

 デイトレ以外の人

 ほとんどの人はこっちだと思いますが、何日間か株を持っている(または空売りする人)人、すなわちデイトレ以外の人は、金利が重要です。

金利は、信用取引において最大のコストになるのです。

その観点ではむさし証券が最もおすすめですね。

 

100万円の信用買いを行ったとしたら、金利が最も安いむさし証券は1か月1,000円程度の金利で済みますが、ほとんどの証券会社が採用する2%代後半の金利では1か月で2,000円以上かかります。

 

普通は、この金利コストが、売買手数料以上に大きい影響を与えるので、金利が最も安いむさし証券が多くの人にお勧めになります。

 

むさし証券は、現物株に注目したランキングでも(同率)1位だったので、かなり使えるネット証券であることが分かりますね。

むさし証券「トレジャーネット」株式取引コストを大幅に削減!

 

その他:投資信託を安く買うにはフィデリティ証券

これまで現物株を買うことを念頭に証券会社を紹介してきました。しかし、いきなり個別株ではなく、まず運用を機関投資家に任せることができる投資信託から始めたい人も多いでしょう。

投資信託の購入手数料はノーロードと言われる手数料が無料のファンドを除いて、総じて高いです。特に大手証券会社だと3%など高い手数料率がかかるため、積極的に売り込みがかかります。反対に、個人投資家の立場からしたら、いきなり3%のマイナスからスタートするため、非常に勝ちにくい投資になってしまいます。どんないい運用を投資信託がしてくれても、このハンディを覆すの結構きつい。

 

でも、ファンド専業の証券会社であるフィデリティ証券は、ファンドの手数料が割り引かれています。特に口座を作ってから3か月間は全ファンドの手数料が無料で購入できます。投資信託は長く持ってゆっくり運用するスタイルが一般的なため、手数料無料期間中に購入して、長く保有すれば通常の証券会社で買うよりずっとお得です。

 

また、口座残高によっては、(3か月過ぎても)いつでも無料で投資信託を買うことができますよ。

  

 

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転換社債を知れば株価の裏が見えてくる。あのソフトバンクも

転換社債の株価に与える影響を考えよう

皆さんは転換社債が株価の与える影響について理解し、 株式投資に活用できているでしょうか?

転換社債はネット証券中心の個人投資家はなかなか購入するのがむつかしい金融商品です。しかし、たとえ直接投資できなくても、この商品の特質を理解することは株式投資に大いに役に立つことを説明してみたいと思います。

 

 

東証の株価ボード

転換社債とは

転換社債とは株式へ転換できる社債

そもそも転換社債とはどのようなものでしょうか。

一言でいうなら、株価がある水準(権利行使価格)を超えれば、株式に転換する権利が与えられている社債、となります。

(権利行使価格で株式を購入する権利(コールオプション)と社債を組み合わせたもの、とも言えます)

 

いま、ある転換社債を発行している企業の株価が、現在800円だとして、この株を900円で買う権利があったとしたら、株価が900円を超えたときに社債を株式に転換して売却すれば、利益が出るっていうイメージですね。 

転換社債の性質

株価が上がれば株式に転換できる → すなわち権利行使価格と株価の差額分が利益

・株価が上がれば上がるほど儲かる。

 

株価が下がる(権利行使価格まで上がらない)→社債のまま

・社債であるため、株価が下がっても(通常は)ほとんど値段が下がらない。

 

そのため、値下がりリスクが限定的で、価格が上昇した場合は株主(株式)に近いリターンが狙える商品と言えます。

転換社債を発行する企業側のメリット

転換社債は、「株価が上がればその分儲かり、下がっても値段が保つため損しにくい、そう言った性質がある」と説明すれば、投資家にのみおいしい商品と聞こえますが、当然そんなことはありません。

発行するからには、企業側にもメリットがあります。

 

そのメリットとは、

1.転換社債の多くはゼロクーポン(利子をつけない)で発行される。

ゼロ金利だから企業の利払い負担が軽いよ。

無利子で資金調達っておいしいですね。

 

2.株式に転換される際も、株価が上がってから転換されるため希薄化効果が薄まる

企業がこのくらいの価格なら増資(株式を新規発行)してもいいかな~って値段で転換価格を設定することで、その値段で株式を発行できます。今の株価は安すぎるから増資したくないけど、これが30%上がってくれれば増資したい、というような繊細なニーズをくみ取ってくれます。

 

この企業側のメリット(投資家側のデメリット)を含めてより正確に説明すれば

転換社債は無利子(低利子)の社債を購入する代わりに、株価が上昇した際には株式に投資したのと同様の値上がり益が得られる商品、と言えます。

 

転換社債を用いてマイナス金利の資金調達を遂げた例

以下に転換社債だからこそできたマイナス金利の資金調達の実例をつけてみます。

2014年にアルプス電気(6770)が満期5年のユーロ円CBを300億円発行しました 。

クーポンは0%、募集価格は103.50円、払い込み価格は101.0円です。

総額310.5億円のうちアルプス電気には303億円が払い込まれることになります。

償還金額は300億円。

CBを発行し、3億円が手元 に残った格好です。

これはある種のマイナス金利の実現。

この資金調達は、なんとゼロ金利を下回るマイナス金利での資金調達となりました。転換社債の性質をうまく利用した資金調達の例と言えるでしょう。

投資家からの視点でいえば、マイナス金利でお金を出してあげたとしても、株価が上昇すれば高い株価で転換して売却すれば利益が得られるっていう可能性に大きく期待した投資と言えるでしょう。

 

資金調達時のアルプス電気の格付けはBBB(R&I)。同期間に資金調達した、日新製鋼の5年債A-(JCR)が起 債されたが表面利率は 0.64%、スプレッドはL+28bp だった。

本来BBB格付けの企業は300億円規模の調達は結構難しい。でも転換社債(CB)を発行することで低金利かつ多額の資金調達が可能となりました。

 

余談:一方、このCBにはソフト・マンダトリー条項を付けるなど潜在株増加による株式への悪影響を気にしていました。しかし、株価への影響を気にするには調達金額300億円は大きすぎ。時価総額2336億円に対して300億円の発行と12.8%に相当するため、株価は大きく下落へ。

この辺りは、単純に資金調達できればいいとは限らないから、微妙な話。

 

転換社債につきもの、ソフト・コールの恐怖

企業は基本的に、株価が上がれば転換社債を転換してもらいたい

転換社債は、企業が「このくらいの株価なら増資したい(転換社債を株式に転換してもらいたい)という価格に転換価格が設定されます。

しかし、現実の投資家の行動は、「株価が転換価格を超えた、すぐに株式に転換して債券を株式に転換しよう」、とはなりません。

転換社債のままなら、値下がりしても社債として帰ってくるため、値下がりの恐怖が小さく、なるべく転換するのを遅らせようとします(一部のヘッジファンドや自己売買部門などは、転換社債と株式の裁定取引を行うため、余計に転換したがらない)。

 

こうなると困ってしますのは、発行した企業側です。

株式に展開してもらいたいって思った価格に株価が届いても、一向に転換社債を株式に換えてくれないのですから。

株価の上昇が一時的な現象に終わり、転換価格を下回ってしまえば、企業は償還日には社債として資金を返さなければなりません。無利子で調達できたのだから一定のメリットは得ているわけですが、やはり狙った株価で増資できる方のメリットが大きいのです(少なくとも企業経営者にとって)。

 

転換を促す仕組みとしてのソフト・コール条項 

こうした状況を回避するために盛り込まれるのがソフト・コール条項です。

 これは株価の終値が連続して20営業日●●円(転換価格の120%等で設定)を上回った場合、発行企業は残額を額面で償還させることができる、という条項です。

このソフト・コールは投資家に転換を進めさせる効果があります。

それはソフト・コールが行使された場合、上の例でいうなら、今転換に応じれば20%の利益が得られるが、応じなければ額面で買い戻す、といった脅しを企業側が投資家に突きつけているからです。

 

ソフト・コール行使の実例、ソフトバンク事件

このソフト・コールは企業側の権利であり、行使できる水準に株価が到達したからといって必ず行使する、というわけではありません。しかし、株価がソフトコールできる水準に達した場合は、投資家はある種、企業側に命綱を握られたような状況になってしまいます。

 
ソフト・コールがかかると、株式市場が混乱します。2011年5月、ソフトバンクがソフト・コールを行使できる状況になりました。金融市場に精通したソフトバンクがそんな機会を逃すはずもなく、権利行使を宣言、マーケットは混乱し3400円前後だった株価は3000円割れまで下落しました。 
 
 転換社債のソフトコール行使時の株価

持っていた人は涙目になりますが、反対に株価下落がソフト・コールによるもの、とわかっていれば、逆張りすることもできたかもしれません(私はできませんでしたが)。

 

転換社債がもたらす株価の変動を理解すれば、投資チャンスが広がりそうですね。

 

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株式投資の初心者向けまとめ(入門者用の自薦記事)

ETFの空売りはよく考えてね。逆日歩がつきやすい理由を説明します

空売りはいろいろコストかかるけど、特に逆日歩が負担がコスト重いよ

空売りを行うと以下のようなコストがかかります。

1.売買手数料

ネット証券なら小さい。何百円レベルのことが多い。

2.貸株金利

株を借りるための品貸し料。株を持っている人はただで貸すわけではありません。モノを貸すと言うことは相手が返せなくなりリスクを背負うと言うことです。

当然そうしたリスクを織り込んだ上での貸し賃が必要になります。ただし、通常の銘柄では年率で1.15%程度。新興企業などで出回っている株が少ない場合は跳ね上がる。

3.配当落ち調整額

配当の権利落ち日をまたぐ場合に発生。株価で配当落ち分だけ下落して調整(信用売り方の利益)されるため、実質的には負担とはいえないかな。

4.管理費

これは本当に盲点になりやすい。1ヶ月単位で発生する管理費。1,株当たり0.15円、ただし売買単位が1株(口)の銘柄は15円。単価が低く、売買単位が1株単位の銘柄は気をつけてください。

この管理費の負担の重さを言いたいことも、この記事を書いた理由の一つです。

 

5.逆日歩

空売りを行うための株が足らなくなった場合、その調達のためにかかる追加的に費用。

このうち最も変動が大きくて、場合によっては大きなコストになるのが、5.逆日歩です(少額の空売りだと4.管理費も重くなるケースもある)。

ひどいケースだと、1日10%(年換算で1,000%超!)を超えることもあります。

この逆日歩のETFへの付きやすさが、この記事の主題です。 

逆日歩の付き方のサンプル

ETFの逆日歩の実例

 上の表は、逆日歩(の率)が高い順に並べた表です(2014年2月21日)。

このうち、灰色に色を塗ったものがETF(上場投資信託)です。

もう見ただけで全体に占めるETFの割合、高いですよね。

6位の神戸製鋼はPO(公募増資)中なので特殊事例ですし(POディスカウントとのアーブ的な空売りが増える)。

 

なぜ、ETFの空売りって逆日歩がつきやすいのか

逆日歩ってそもそもなぜがつくの?

ETFの空売りに逆日歩がつきやすい理由は、逆日歩がつく経路がわかれば理解しやすいです。

ネット証券などを通じて個人投資が行う空売りは、証券金融会社(日証金)を通じて行われます。

空売りを行うという行為は、証券金融会社に株を借りて、それを市場で売却するってことですね。

 

この株を貸して欲しい(空売りしたい)ってニーズに備えるため、証券金融会社ではあらかじめ株を貸してくれる機関投資家を確保しています(その他の調達先として信用買いで買っている個人投資の保有分などがある)。

しかし、空売りが増えすぎると、すでに確保している株式だけでは足らなくなります。

そのため、株式の追加的な調達を行うために、機関投資家に通常よりも高い料金を提示することで、株を借りることになります。

この分のコストが逆日歩になるイメージですね。

 

主要な貸し手が保有していないことが原因

 株式の貸し手になる機関投資家のうち、かなりシェアを占めるのが、インデックスファンドです。

インデックスファンドの目的は、ベンチマークとする株価指数等にパフォーマンスを近づけることですが、売買手数料等各種コストのせいで、実際にはベンチマークを少し下回ることになる可能性が高いです。

 

この売買手数料等の各種コストを賄う(補う)ために一部のインデックスファンドは、組み入れている株式の一部を貸株市場で運用(このなかに日証金への貸し出しが含まれる)しています

 

ETFはこのインデックスファンドの保有分が(ほぼ)無いことが、ポイントです。

主要な株式の貸し手であるインデックスファンドが保有していなければ、調達環境は厳しくなりがち、当然逆日歩はつきやすくなりますよね

 

上の表の1位と3位に中国株のETFが入っているように、ETFの空売りは「中国株のショートポジション」みたいななかなか代替手段がない(中国株先物はあるがかなり投資しにくい)投資機会を提供してくれます。

独自の値動きをしやすいインド株や日経レバレッジなどを用いたくなるときもあるでしょう。

でも、逆日歩によるコスト負担を考えると、慎重に取り組んだ方が良さそうですね。

 

なおここでしたお話は、日証金と日本証券取引所グループが担保している制度信用での空売りの話です。

しかし、逆日歩が付かない一般信用ではそもそも調達しにくくて空売りができないか、証券会社によっては特別の高金利を提示しているケースがあるので、空売りしにくいっているのは同様ですね。

 

 

信用売りのコストが最も安いのはむさし証券です。

信用売りの金利コストを下げたい人は、口座開設して損がない証券会社だと思います。

 初心者におすすめのネット証券ランキング。初めて口座解説はこれにしよう。

 

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この記事ではETF取引(Exchange of Futures for Physicals)という、機関投資家が利用している取引が株式市場に与える影響についてご紹介します。

 

年金のアロケーション変更?

2014年7月の主体別売買動向を例に話を進めます。

この辺りの週は、現物株式では信託銀行の買い越しが目立っていました。

7月第1週の現物買い越し834.7億円に引き続き、

7月第2週には342.4億円の買い越しになっています。

 

こうした動向に対し、信託銀行の売買動向年金はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人 )の動きが大きく反映されているため、この買い越しはGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人 )のアロケーション(資産配分)変更に絡んだ年金基金の買いではないか、という見方が出ていまました。

ちょうどアベノミクス相場の始まりで、GPIFが政策的に株式の買い増しを進めていると見られている時期だったというのもあります。

  

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EFP取引が入っているかも

ただ、同期間に対応する主体別売買動向のTOPIX先物データをみると

7月第1週に605億円相当の売り越し
7月第2週の798億円相当の売り越し

となっています。

現物は買っているものの先物では売却しており、ちょっとちぐはぐな動き。 純粋に株式のエクスポージャを増やしているわけではなさそうです。

 

これはEFP取引(Exchange of Futures for Physicals)が入っている可能性が高そうです。

EFP取引とは、先物を買い建てておいて、後にそれを現物に変える取引を呼びます。

なぜ、信託銀行(年金基金)はこのような取引を行うのでしょうか?

 

(パッシブ系の)機関投資家の動きに詳しい人だとピンと来る人もいるかも知れませんが、あまり知られていないと思いますので、ちょっと理由を書いてみます。

ちょっと込み入った話になるので、冗長になるのは許してください。

 

 

配当落ちによるベンチマークからの乖離を埋める

年金ファンドの国内株式(パッシブ)運用はベンチマークに、配当込TOPIXを利用しています。
これは、国内株式部分の運用成績を配当込みTOPIXに合わせることを目標にする、と言う意味です。

 

年金基金から運用を委託されている運用会社は、運用成績を配当込みTOPIXに合わせるため、配当落ちが発生時点(多くの企業は3月)で、配当落ちに相当する金額を再投資する必要があります。

そうでないと、配当落ち分の株価下落によるエクスポージャの減少で、配当込みTOPIXと運用成績が乖離(上にも下にもマイルドなパフォーマンスになる)してしまいます。

ちょっとわかりにくいかも知れませんが、配当込みTOPIX指数は配当落ち日を挟んでも100で運用できる(したことになっている)のに対し、配当落ちに相当する金額を再投資しないと、(配当落ち分が2とするなら)98で運用することになってしまうからです。

98で運用すれば、100で運用している配当込みTOPIX指数とパフォーマンスが乖離するのは当然です。

これを避けるためには、(98を100にするために)配当落ちが発生時点(多くの企業は3月)で、配当落ちに相当する金額を再投資する必要があるのです。

 

しかし、配当落ち時点では、配当金は支払われていないため、現金を使って現物株を買うことはできません。

ではどうするか。

配当落ち分のエクスポージャーを取るために、先物を買い建てます。想定元本が配当落ちに相当する金額を先物買いを入れるわけですね。

このオペレーションは多くの企業が配当落ち日を迎える3月末に最盛期を迎えます。



そして、6月になってくると、実際に配当金が支払われるため、現物株を購入するための現金が準備できます。

ここで、これまでエクスポージャを膨らませる(配当落ち分を維持する)ため保有していた先物買いをポジションを反転させることになります。

これが、配当落ちの時に買い建てておいた先物を現物に乗り換える取引(EFP取引)が発生します。

すなわち、先物売り+現物株買いですね。

 

これがおそらく7月の1週、2週の主体別売買動向で、現物買い、先物売りになっていた理由でしょうね~。

 

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