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FX市場の時間別特徴。ウェリントン(オセアニア)市場は鬼門



FX市場は24時間開いている

FX(為替)市場は土日を除き24時間続いています。

これは株式市場にはない特徴なのですが、世界中のお金を外貨に換えたいってニーズを、世界中の銀行が満たしていることからこういった形になっています。

為替市場は銀行間(インターバンク)の取引で作られているというご説明をしてきました。

そのため、世界十の銀行が休業になる土曜日、日曜日は為替市場はお休みです。

日付変更線は日本の東から始まるので、日本に暮らしている私たちの感覚だと月曜日の朝からFX市場は始まり、土曜日の朝まで(1日が一番最後に終わるアメリカのニューヨークが夕方になるまで)開いているって感覚になりますね。

図にすると以下のイメージです(アメリカが夏時間の前提、冬時間だと一時間後ろにずれる)。

世界のFX市場の取引時間

この中でも、東京市場(アジア時間)、ロンドン市場(欧州時間)、ニューヨーク市場(米国時間)の3つは特に重要で、為替の3大市場になっています。

流動性の高いこの3つの市場が補い合うことで、一日中為替の取引が円滑に行えるようになっているわけですね。為替市場とは、銀行間のネットワークが時間ごとに引き継がれながら形成されていくものなんですね。

 

ちなみに、この東京市場って表現ですが、為替には株式のように取引所があるわけではありません。なのに市場って表現を使うのは、東京の銀行が中心的に流動性を提供している市場って意味になります。

 

上の図を見ていただくと、先ほど日本人の感覚だと東京が一番最初って話をしましたが、より正確にはウェリントン市場(ニュージーランド)から始まっているのが分かりますね。まあ、地球儀を想像していただければ納得できることかと思います。

 

FX市場の1日の時間の特徴 

FX市場の時間別イメージ

FX市場の時間別の特徴を図にしました。

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FX市場の1日の流れを見てみます。 

アジア時間

月曜日の早朝から為替市場は開くわけですが、ここに対応するのはウェリントン市場です。しかしこの時間は流動性が少ないので為替市場は停滞し取引量は限定的です。

その後、流動性が少ないシドニー市場に繋がりますが、まだ東京の銀行が参加しないので流動性が低いままです。

その後、東京市場に入ると、実需の投資家が多い日本の投資家が参戦するので、(日によってまるで違いますが)、ドルを買う動きが出やすくなると言われています。

その後のアジア時間を経過して、バーレーンなどの中東の市場に繋がりますが、為替市場がその様相を変えるのは欧州時間になってから。

欧州時間の特徴

ロンドン市場が中心的な役割を担っている欧州時間では、欧州の銀行間取引が中心になるのでユーロ、ポンドなどの欧州の通貨の流動性が増加します。また、債券市場(日本時間から見た外債市場)もロンドン時間が最も活発なため、金融取引を通じた為替需要も発生し流動性が増していきます。

なぜ、このロンドン時間が取引が活発になるかという理由を少し説明します。

BIS (国際決済銀行)は外国為替の国別取引額を公表していますが、この不動の1位はロンドン市場なのです。年によって数値の変動はありますが、ロンドン市場のFX取引市場占有率は約4割です。2位のアメリカ為替市場の2倍の規模となっており、金融の中心地であるニューヨークですら、為替の世界ではロンドンにかろうじてついて行っているっていうイメージです。

ちなみに東京時間の代表である東京の市場占有率は5%程度とシンガポールとほぼ並びの関係です。

また、ヘッジファンドが発達しており、FX取引で値上がり益を狙う投資家が多いことも活発な取引に繋がっています。アジア時間では製造業などの実需需要が多かったのに対し、ロンドン時間になると急激に投機需要が膨らむわけですね。

ニューヨーク時間

その後、ニューヨーク時間になると、為替市場は最も活発な動きを見せます。

経済指標などは米国の経済指標が最も重視されるので、FX市場が活発になりやすいのも当然です。

また、金融市場に大きな影響を与える要人の発言が多いのもアメリカの時間です。以下の記事もご参考に。

週の初めに市場が開くウェリントンの鬼門

為替市場は土日はお休み(中東に一部例外はあるがほぼ流動性がない)と説明しました。しかし、土日にもFX市場に大きな影響を与えるニュースが流れることは当然あります。土日にどこかの国で大きな災害が起きる、首脳会談で為替水準に強い言及がある、などの例ですね。

そうしたニュースを為替レートに真っ先に織り込む(反映させる)のは、ウェリントン市場ということになります。

 

しかし、ウェリントン市場は流動性が低いです。

上のグラフを見ていただければわかりますが、通常はウェリントン市場の朝は、ニューヨーク市場と時間が重なるので、ニューヨーク市場が流動性を提供して、アジア時間に最も流動性が高い東京時間につなげるって流れになります。

しかし、月曜日だけは違います。

ニューヨークはまだ日曜で休日なので、ウェリントン市場が単独で開く時間帯が発生します。

 

大きなニュースが何もないような落ち着いた土日(大半はこれ)だったら、東京市場が始まるまで為替市場ものんびり構えているわけです。

しかし、大きなニュースがあった土日明けの月曜日はそういうわけにはいきません。どうしても取引しなくてはならない投資家が、ウェリントン市場が始まった途端に売買を始めます。

しかし、繰り返しますがウェリントン市場には流動性が足りない。6時になればシドニー市場が始まりますが、3大市場の一つである東京市場と同じようには行きません。

 

そのため、月曜の東京時間前のオセアニア市場(ウェリントン、シドニー)は為替が、大きく動くことが知られています。

流動性が少ない市場で、どうしても取引しなくてはならない投資家が大きな金額で取引したら、値段が飛ぶ(価格が連続的でなく、飛び飛びになる)ような値動きになります。

 

また、極端に行き過ぎた値段が付きやすいのもこの時間になります。

そのため、ロスカットの注文をFX業者に出す際は注意が必要です。そうした、やり過ぎの値段を拾って(意図しない)ロスカットされてしまっては困りますので。

 

まとめ

・為替市場は土日を除く24時間開いている。

・世界の為替の三大市場は、東京、ロンドン、ニューヨーク。

・FX取引には注意したい時間別の特徴がある。 

・土日に大きなニュースがあったときの、月曜日のウェリントン市場には要注意。

 

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