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五十日(ゴトウビ)とは?為替市場の月中のアノマリー



為替には月内の特徴的な値動きがある

為替は海外との輸出入取引に伴って必要になるものです。輸出入に取引に合わせて、為替取引が発生するって意味なので、輸出入取引の特徴が為替市場の特徴にも通じるものとなります。

以前、FX市場の時間別特徴について書きましたが、今回はより長い時間軸での特徴って捉えてください。

1か月の月中の値動きに影響する五十日(ゴトウビ)とは

五十日とは?

FX市場ではゴトウビ(5.10日)って言葉があります。5(ゴ)10(トウ)、日(ビ)でゴトウビってことです。五十日ですね。

50日っていう日数ではないですよ。

でも、日数と誤解されやすいので「五・十日」って真ん中に「・」(ナカグロ)を打つ表記もあります。こっちの方が分かり易いかも知れないですね。

 

ちなみに、5日、10日だけでなく、15日、20日、25日、30日もすべてゴトウビ(五十日)になります。5の倍数の日ですね。

日本企業は五十日に資金決済を行う

資金決済日というのは、企業が実際にお金を支払う日のことを指します。

「月末締めの、翌10日払い」みたいに表現されて、この場合なら、1か月間の金額を月末で集計して、翌月の10日に支払うってことですね。この支払日の10日が資金決済日になります。

 

日本企業は10日、15日みたいなキリの良い五十日に、お金の支払い・受け取りをしやすいのですね。ただの昔からの慣習なのですが、資金決済日自体が企業間で「昔からこの日を支払日にしている」みたいに慣例で定めているケースが多いので、現在まで慣習が今日まで生きているのですね。

海外に対しても五十日に資金決済するのでFX市場でも注目される

この五十日に資金決済を行うという傾向は海外に対しても同じです。

海外へのお金の支払いも五十日に行うわけですね。

日本企業は海外に料金を支払うときに主にドルを調達します。このゴトウビ(五十日)がなぜ注目されるかというと、日本企業のドル買いが集中するからなのです。

そのドル調達日(輸出企業の資金決済日)がこの5の倍数の日に集中するというわけです。

そのため、ゴトウビは1か月の間でドル円の取引が多い(流動性が高い)日であり、主に朝方にドルが買われやすい傾向がある日になります。

なぜ朝方かというと、朝9:55分頃に仲値(TTM)が発表されるからです。

この仲値は日本企業の多くが為替レートの指標に使っているレートなので、注目度が高く目安になりやすいというのが理由になります。

ゴトウビ(五十日)のドル不足を活かしたトレード

ゴトウビには海外へのお金の支払いに使うドルが不足する傾向があります。

実際にドルが不足するケースでは「仲値不足」が発生したと表現されます。この仲値不足の場合、金融機関は仲値不足(ドル不足)の解消のために、インターバンク市場でドルを調達(購入)します。


これによりドル通貨が買われ、ドル円などは円安へ推移します。

そのため、ゴトウビ五十日)の典型的なパターンは、

  1. 東京市場のオープンする9時からドル買い円売りの注文が増えて、仲値(TTM)が決まる10時ごろまでドル円が上昇(ドル高円安)
  2. その後、仲値が決まるとドル買い需要が急になくなることで、ドル円が下落(ドル安円高)

となります。

この傾向を活かしたトレード方法として、 以下のようなものが典型的な例です。

・通貨ペア:ドル円

・目標利益:15pips

・9時から10時にかけてのドル高円安に追随する、その後10時付近で決済。

なお、月末も資金決済に使われやすい日なので、ゴトウビと同様の性質があるといわれます。

 こうした五十日を利用したトレードは、実需を利用したトレードなので、市場の投機的な動きが少ない時期の方が効果を上げると言われています。投機取引の割合が多いと、実需のインパクトが薄れてしまうというのが、その理由になります。

実需の取引は継続的に行われるので、繰り返し狙ってみてもいいでしょうね。

 

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